ミーターの大冒険 エピローグ 第15話 「幽玄のなかの先駆者との対話」
あらすじ
アルカディアが81歳で亡くなった。
ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガールの真実発見とはなんだったのか?「微細心理歴史学」という真理なのか?ベイタ・ダレルが、ガールの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?ミュールの必然性とは?ますます展開が際立って来たようだ。
そしてその究極的謎の究明には、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の理解までも到達した。
ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼らの感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
しかし、これらの神妙な邂逅は、いやがうえにも「青の世界から黄色と紫の未来へとシフト」して行くには通らねばならない欠くべからずの通過点なのには違いなかった。
ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
86 ミーター君、今回の旅はすべて順調、大成功だったと言える。
あのアルカディアさんが、「銀河は謎に満ちてる」と言ったことばの意味を少しは理解できたんだよ。
生きてる俺らは、幽玄の世界に生きている先駆者たちと会話することが大事なんだ。その意味で、歴史消滅の結束点以前を探ることは、混沌の暗黒時代を切り開く鍵なんだよ。つまり故郷の星にたどり着く旅こそ次の大銀河を復興することに繋がる。
よーし、俺が今からやる行動も明確になった。まず、君やオリンサスさんを助けて、大銀河横断の旅に行かせる。オリンサスさんが早く「心理探査イルミネーショナー」を完成してもらえるように協力するよ。
もう一つは、この腐りきったターミナス、第一ファウンデーションを正しい軌道に戻す。
そして、第二ファウンデーションや反ミュールの連中と協力して、銀河復興の土台を築く。 もう俺は命を賭けるしかないな!
ミーター君、「アルカディアの真実」というのはねぇ、ジスカルドと不死の従僕がつくった第零の法則を超える行動を人間がとることなんだよ。
まず、そういうことで、ロボットであるミーター君に、人間である俺の命を捧げる!
ハニスさん。ありがとうございます!
ああ、涙が...
でも、あなたは僕が涙を流すロボットだったということを、どうして分かったんですか?
それに、政治の世界は危険がいっぱいですよ。十分気をつけて下さいね。
https://youtu.be/dlyiRYlcQoQ
yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 エピローグ 15 「 幽玄の中の先駆者との対話 」
Photo ∶ハッブル宇宙望遠鏡は、宇宙を観ることの先駆者の記念すべき道標です。
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