New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

台風!

2012-09-30 23:52:00 | 2012年秋のツアー
 朝から雨が降り出した、台風が近づいているとの事。美味しい朝ごはんを頂き、くつろいでいると「二階を見ませんか」と御主人がおっしゃる。しかし、二階への階段はどこにも見当たらない。「これですよ」と背の高い棚を指される。「これが階段?」なのだ。

 二階への入り口は、引き戸式で、閉じてある状態では天井としか見えない、忍者屋敷の様である。二階は、一階からでは予想も出来ない広さである。特別な客人に使われた「銀の間」「金の間」など数部屋、床の間の横にある押入れ内には「刀掛け」が!格子の嵌った窓からは、大きな柳の樹と家の前の道(江戸時代には紀ノ川に沿った主街道であった)が見え、ちょんまげ姿の旅人が行き交う様子が目に見えるようだった。

 全国各地で古い建物を訪れる我々にとっても、なかなか目にすることのないこのお屋敷は、重要文化財に指定されているそうである。

 昼前に出発、豊川に向かう、昼過ぎから雨足が激しくなる。今日の主催者、八の蔵の平松氏から開催するかどうか心配の電話がかかる。車の窓からは雨しか見えないので「決行しよう」と思いながら会場へ向かう。

 ところがホテルに着いて車から降りた途端に、足をすくわれそうな突風である。横から吹き付ける雨。歩けないし、傘もさせない。台風の来ないニューヨークで暮らしていて、すっかり忘れていた大雨と風である。

 10月21日が休みでちょうど今日と同じく日曜日なので、その日への変更を決定し平松ご夫妻が予約されたお客様全員に電話連絡をしてくださる。

 スーパーで夕食を買ってホテルに戻る、この台風では外には出られない。という訳で突然休日となった。


2階への階段


金の間


銀の間


これが押入れ内の刀賭け


昔の電話、番号は五番


現役の井戸


今は使われていない大樽


母屋の玄関にて社長と。昔はこちらが表側だった


現在の表側、店舗の前で社長と


お茶室への庭。庭師さんは京都から呼び寄せるという

和歌山かつらぎ町・初桜酒造

2012-09-29 23:46:00 | 2012年秋のツアー
名古屋から3時間、和歌山県かつらぎ町の「初桜酒造」に到着。江戸末期から続く蔵の中での演奏は、高い天井、漆喰と木製の広い室内、加えて周囲に並ぶ直径2mの酒造り用タンク10台に音が反響して、会場内の音質がとても良い。

笠勝社長のお陰で一杯の会場。柴田礼衣さんが飛び入りで2曲披露してくれて、老若男女80名のお客様にも満足していただけた様子である。

演奏後には茶室にて笠勝氏の御母堂によるお点前で一服、実に優雅である。

周囲には何もないと聞いていたのでスーパーで夜食を買っておいたのだが、演奏後には手作りの数々のご馳走が出て、鈴虫(これだけの数で鳴かれると本当に鈴を振っているかの様)の声に包まれていただく。季節の梨や合わせ柿、圧巻はその朝に「もいできた」イチジク、何と甘い事!私のイチジクの印象が一新された。

ツアー2日目にして日本の秋を満喫している。


演奏会場はこのように準備されていた


離れの庭で笠勝社長と


宿泊させていただいた離れの玄関


離れの縁側


よく手入れのされた離れの庭


こちらは母屋の玄関


到着早々に頂いた果物やお菓子の数々


演奏中


MC中


演奏中


歌手のレイさん


客席の様子


CD販売サイン会


演奏後にお茶を頂く

名古屋・空色曲玉

2012-09-28 23:01:00 | 2012年秋のツアー
朝11時、ベース林正男の住む国立で集合、中央道で名古屋まで5時間弱。

演奏会場は昨年に続いて名古屋栄町の「空色曲玉」。ここはレストラン、といってもただのお店ではなく、有機栽培野菜を食材とするマクロビオテックを取り入れた「とても美味しく正しい」料理を提供する。

最近、肉食を少なくし、野菜中心の食事に変えたドラムの橋本学、オーナーの谷さんに料理の方法などを訊いている。

ジャズ評論家の瀧口秀之氏のジャズ講座に出席しているジャズ好きの方々や地元のジャズファンも多く、掛け声の飛ぶ賑やかなライブとなる。

 またドラム・橋本学の妹さんで彫刻家のみおさん、3年続けて名古屋でのライブにご来場くださったN氏や、やはり3回目のU女史等々、知っている顔も多くありがたいツアーの初日となった。

演奏後には、昨年も小学生の息子さんも連れて家族3人でいらした数学者の方と話がはずむ。「数学の根底には美があるんです」という面白い御意見を拝聴、彼は達者なピアノも弾く、それが独学と言うから驚きだ。

宿泊は名古屋の定宿、スタッフの皆さんがとてもやさしく、設備も整ったビーズホテルである。


空色曲玉の食事。ごはんは勿論玄米です。




2階から




イボドラムの紹介

Amy Ruth

2012-09-16 22:20:00 | New York
 今日はAmy Ruthというソウルフードの店でのブランチ演奏。今朝「ピアニストが必要」と、リチャードという男性歌手からの電話で起こされた。

 ハーレムの西116丁目の店は昼から長蛇の列が出来る繁昌ぶりだ。最近のハーレムでは黒人だけでなく白人もたくさん歩いている。

 二人での演奏かと思っていたらサックスの Fred Statonも一緒だった。歌手のダコタ・ステイトンの兄である彼は97歳の現役である。

 歌う曲が伝統的なゴスペルばかりで、最初は戸惑ったものの、結局「とても単純な和音の繰り返しの曲が多い事」が判ってすぐに慣れ、面白く演奏できた。


バンドメンバーと、お客さんも一緒に