エルンスト・クシェネク:
・交響曲第2番
指揮:ローター・ツァグロセーク
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
LONDON: POCL-1736
ゴミのような音楽です。と言っても、ゴミのように価値のない音楽という意味ではありません。産業廃棄物のようなフレーズの断片が次々に積もっていき、聴いた後に「一体なんだったんだ…」と頭を抱えたくなるような音楽です。晦渋で複雑で長大で、旋律もわからず構造も見えず、ただ呆然と聴くしかありません。
ライナーノーツには作曲者クシェネクの言葉として、「どうしてこのような短期間でこんなにも多くの音符を紙に書くことができたのか判らない」とか「20年前に作曲した作品を振り返ることは、以来聴くことがなかったこともあって、この曲を初めて聴く聴衆と同様の立場に自分を置くようで、不思議な印象だ」とか書いてあります。そりゃあそうでしょう、
ほとんど脊髄反射で書いたようなもんでしょうから。
クシェネクはウィーンで生まれ、マーラーの娘アンナと結婚生活も送りました。クシェネクとマーラーの関係は深いものであったでしょうから、マーラーに大きな影響を受けているのは間違いないでしょうし、この交響曲第2番もマーラーへの挑戦だろうと言われています。私は実はクシェネクの作品はこの曲以外に聴いたことないし、マーラーもほとんど聴かないのですが、世の中にはマーラーの影響を受けたとされる曲がぼちぼち存在しており、わけわからんと思いつつも聴いてみたいと言う気がちょっとだけあるのです。
ジャケット写真に「ENTARTETE MUSIK」とありますが、これはナチスによって「退廃音楽」のレッテルを貼られた作品を紹介するシリーズです。「退廃」の基準もどうせ無いようなもので、当局が気に入らないものは全て「退廃」なんでしょうけれど、他にもいろいろ(前衛的なものを)聴いてみたいものです。
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