前作に続きコミカルなタイトルにハードな内容の動物園ミステリー。なぜか公道を走っていたダチョウを捕獲するシーンから物語は始まり、鴇先生の前職の製薬会社の人たちも絡んで少し複雑に展開していく。第二章の監禁、放火事件で一気に盛り上がるが、そんなこととは関係なく自由な動物達の様子がなんとも和む感じです。最終的に鳥インフルエンザにまつわる陰謀にまで発展し緊迫した雰囲気と和む動物たち。桃本を巡るクールな鴇先生、かわいい七森さん、変態服部くん、そして、犬のディオゲネスのライバル関係も今後見逃せなくなりそうで楽しみです。
久しぶりのGシリーズ。最初から誰だか分からない一人称で物語は始まる。劇薬入りの目薬の事件が発生。加部屋は製図の課題に忙しいが、同じ学科で女友達の雨宮と一緒に事件に関わっていく。海月はなぜかC大を辞めて別の大学に行くという。西之園は東京だが、真賀田四季に関しては何かを悟ったようで、あまり関わろうとしない。犀川なんて協力したいくらいとまで言う。加部屋は決意の攻撃に打って出るが、海月は謎の発言。山吹はカヤの外。赤柳は東京で襲われて盗難にあうが…。まあ、ともかくGはまだまだこれからのようで楽しみです。
久しぶりにクラッシャージョウシリーズを読んだ。第11弾だそうです。ジョウ達は水の惑星マルガラスで海底遺跡調査の護衛の依頼を受けるが、マルガラスでの内線に巻き込まれていく。そこで出会った美しい傭兵アプサラと行動を共にしていくうちに、惑星に以前いた異種知的生命体と接触する。まあ派手に盛り上がっていく様子がなんともクラッシャーっぽい感じで懐かしい。アプサラはまた登場して欲しいですね。
なんかもやもやした話があり、その話の終わりに駅前のレストランを予約して、少し前向きになる。それぞれは30ページくらいの短い話が6つの短編集でした。店の名前はハライという人気のレストラン。予想通り、最後の話でそれぞれの人が同じ場所ハライに集うことになる。何かが足りない、誰かが足りないという喪失感を感じる人たち。そんなどこにでもいる現代人たちの話でした。
十字軍物語でも十分な活躍ぶりが描かれていたが、このフリードリッヒ二世は、塩野さんがかなり初期の頃から書きたいと思っていた人物のようです。物語はかの人の幼少期から始まり、若くしてシチリアと神聖ローマ帝国を手中にし、第六次十字軍にてイェルサレム王にもなり、そして法治国家の形成を進めていく姿を描く。法王グレゴリウス九世やアッシジのフランチェスコなども語られる。最後に第二次ロンバルディア戦役の大勝が語られるが、その最後の一文で勝利の女神の嫉妬深いことに触れて上巻は閉じる。パクス・フリデリチアーナは成るのか。
なぜかゆきが海辺の田舎の温泉宿で家庭教師をしていて、その男の子から手紙が届く。それでリマと一緒にその温泉にいく八頭大。まあ、温泉にいくというよりもその地にあるお宝探しがメインのようです。その地で小早川という男に会うが、なにか怪しい感じを読者に与える。その後、なんかよく分からないが凄まじい触手が海でも陸でも襲ってくる。ゆきは酔っ払って役に立たず、リマも触手に影響を受けてしまうので大に眠らされる。壮大な海の怪物の存在をほのめかしてストーリーは閉じた。
さて下巻です。下巻も引き続き、小鳩と瓜野のダブル視点で語られる。小鳩もなんだか調査をしているようですが、瓜野はきっと間違った結論に向かわせれているようだと読者は思う。前作夏期限定に登場の車に火が付けられたりして小佐内ゆきが犯人であるのではという疑惑が読者をおそう。今回の小佐内の復讐は、本人いわく高校に入ってはじめて本当に復讐したそうですが、側からみれば小さなことで、だから普通誰も気づかない。だけど小鳩なら気づく。そして、小佐内は気になって質問した小鳩から栗きんとんをひとつせしめることに成功したのでした。
閉ざされた扉を開けさせまいとする伏見亮輔と、いくつかの違和感から何が起こったかをシミュレーションする碓氷優佳。その頭脳戦が描かれた作品。犯行の動機はイマイチだし、探偵の思惑は理解できないが、まあ、そこはいいじゃないか。倒叙ミステリのザラっとした感じがよいと思いました。
森博嗣さんの100個のつぶやきとその解説らしきもの。こういう考えは突飛だと広くは思われるのかもしれないが、私としては当たり前と思われることが書いてあったって感じ。それだけ。