シリーズ第10弾。高校受験を控えた亜衣たちは必ず成績が上がるというサクセス塾の集中合宿に参加する。もしかして、はじめて3つ子であることがストーリーに絡んだ作品だったのではないか。まあ、相変わらず簡単なトリックなので、月食が消える謎は分かったが、笛吹き男は謎が明かされてもよく分からなかった。まあ、よい。
幻想シリーズ(というのかどうか知らないが)の第二弾です。幽霊が見えることが原因で孤立して不登校になってしまったスミレという女子高生が主人公。しかも父の浮気を目撃してしまったりもする。なんか、大変な状況なのに、なんか分からんうちに初恋をしていて、わりとハッピーそう。初恋の人がいる映画館でアルバイトを始めることになる。なんやかんやと色々な人物や幽霊の事件に関わっていき、なんやかんやと絡みあって一つの大きな猟奇的な事件が明るみになるのです。気づかなかったが、真理子さんは郵便局に登場した幽霊であったようですね。
前々から気になっていた本の一つ。よく分からないが、田舎の海辺の村の砂の穴の底に監禁される男の話。そこには夫を亡くしたという女がいて、砂の穴の底の暮らしに馴染んでいる。村の老人たちも穴の上から見ているようだし、逃げようとするのを妨害する。なんとも不思議で、不条理で、気持ち悪い。しかも、物語の冒頭に結論が提示されていて、全く希望もないことが確定しているだけに、その気持ち悪さは最初から最後まで続く。人間の生に意味なんてないということを、こんな単純な設定で示されて気分が悪くなる。まあ、そんな感じの傑作でした。
ホモ属で唯一の生存種である我々サピエンス。生物学的にはたいして強くもないこのサピエンスが、食物連鎖の頂点になれたのはなぜか。それは、虚構(存在しないもの)を認知する能力「認知革命」によるのだという。そのメカニズムがいろいろな視点から紹介されていく。ありもしないものを信じて発展を続ける人類。果たして幸福に向かっているのか。下巻も楽しみです。
スーパーキャラがたくさん登場してとにかくワクワクする作品。タイトルの魔窟王こと王嘉楽(ウォンカーロツ)、王の優秀な美人秘書シャンティとその双子の妹の踊り子シャクティ。ICPOの探偵卿ヴォルフとその上司ルイーゼ。クイーンの古い知人だという考古学者パシフィスト、変なイタリア人スケルティ、神の石と言われる意思を持つ石の半月石(ハーフムーン)、石を狙う少年の小牙(シュガ)。もう、とにかく楽しいのです。それぞれ再登場が楽しみですね。
「夜は短し」を先に読んだ。順番が逆の方がよかったのかもしれない。これは、京都の大学生の不毛で惰性的な日々を描いた4つの話が詰まった短編集である。または、日々の生活分岐の中でいろんな選択をして奇想天外な経験を経ても、結局は同じような結末にたどりついてしまう並行世界を描いたSFである。または、とにかく面白い文章がデジャブのように何度でも現れる青春小説である。それにしても、3つ目までを読んだ後の4つ目の話はあまりに予想外すぎる。とにもかくにもまたにも、お気に入りの一冊となったのである。
夢水清志郎事件ノートシリーズ第9弾は、前々から予告されてた修学旅行編です。まあいろんな謎が詰まった作品でしたが、それらの謎よりもみんなの青春が詰まったストーリーが単純に楽しい作品でした。
特に乃木坂46の高山一実さんのファンでもないし、テレビなどで見たこともないのだが、手にとってみた。読みやすい文章と分かりやすいストーリー。でも、ちょっと違和感のある文章で、いまいち状況が分かりにくい描写が気になった。それだけにリアルにアイドルが書いた文章なのかって気がした。東ゆうという主人公と高山一実さんがどれくらい似ているのか気になりました。
シリーズ4作目。ケイと春埼の語られていなかった過去が少しずつ紹介されている短編集。相麻菫が死んだ直後くらいの話を描いた表題作にはキットカット好きの女子高生が登場。アニメでもそうだったがクスッとくる。あと、ビー玉の中の女の子の話と、猫好きな野ノ尾盛夏と月に行った少年の話が収録。最も面白いのは「ある日の春埼さん」シリーズ(2つだけだが)。風邪をひいたケイの見舞いに行こうとする話と野ノ尾さんと友達になる話。両方ともよいです。最後のホワイトパズルは不思議な入れ替わり女子の話だったが、シリーズ外の作品のようでした。
春、夏、秋ときて、当然次は冬のはずがこのタイトル。なんか、いいです。相変わらずどうでもいいような謎に真剣に取り込む姿に違和感を覚えるが、読み進めていくとそれに慣れてしまいあまり気にならなくなる。どうやら高校1年の秋から冬にかけての話らしい。新キャラ古城秋桜(コスモス)は4つのうち3つの話に出てきて、珍しく素直な女の子でした。その影響か、それこれまでに比べて小佐内さんも素直な様子が目立っていた。小鳩くんの小佐内さんに対する心の中のツッコミが楽しく、これまでよりも多くなっていると感じた。