『宝島 HERO's ISLAND』真藤順丈 講談社
例会レポート
最近の直木賞ってどーなのよ?それに舞台は沖縄だし。
と、賑やかしの軽い気持ちで推薦したら
不覚にも課題本になってしもうた『宝島』でした。
個人的には第一部が読みづらくてなかなか進まず、
ナイトキャップしながら読むと翌朝には読んだ内容がすっかりとんでいるという、
この本に限らぬ最近の読書形態を再妊娠記(正・再認識)した次第。
設定も人物造形も緻密なんだけど、彼の地の歴史と現実が圧倒的にただならないため
読後感はいまいちでした。
語り手のウチナーグチもこれは作者がネイティブでないせいか
艶が無いように思えたのは単に個人的相性の問題。
ミステリー系には前ほど惹かれなくなったということか。
ということで今回はあまり集中して記憶しなかったため雑駁なレポートです。
・全体的に作者の迸る熱情にのせられて読んでしまった、
あるいはその思いに打たれたという感想が多かったように思う。
・自分の周りで普段直木賞に興味がない人が、
この作品は読んでみたいと言っていたという報告も複数ありました。
それだけ話題作?知事選から県民投票までの現実の流れも影響しているか?
・琉球(沖縄)という土地を初めて意識したのは
馬琴の『椿説弓張月』を幼少の頃読んだ時だというのは戦中生まれの方。
・欠席だったIさんのメール感想を幹事が代読しましたが、
これが肯定的解説の一番まとまったもの。リファレンスも充実。
キーワードは「地霊」。興味ある方は直接お訊ねを。
・講師からはウチナーグチについての指摘。
語ることその音の重要性、だったかな?
(注・ユネスコにより消滅危機にある少数言語として認定されてるからね)
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