【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第151回
『徳は身を潤す』(大学)
これは、四書五経の「大学」からの一節で、
「富は家を潤し、徳は
昭和の碩学である安岡正篤氏は、
政財界の門弟によく下記のような色紙を書いておられたようです。
「両潤 富潤家徳潤身」
安岡氏は、これを解釈して、下記のように説明していたようです。
「知識の学問と知恵の学問は、非常に違う。
知識の学問はわれわれ
つまり悟性(ごせい)の働
その意味で、機械的な能力である。
しかしそういうものではなく、もっと経験を積み、思索反省を重ね
われわれの性命(万物が天から受けたそれぞれの性質)や、
人間と
人格的な学問を知恵
知恵の学問になるほど、生活的、精神的
それを深めてゆくと、普通では容易に得られない、徳に根ざした、
だから、学びは知識を増やすことから、知恵を学ぶところにいかな
富は家を潤すが、徳は身を潤すようになる。
徳を積むことを心掛け
心が広やかになり、体も胖
「大学」の本文は下記のようになります。
『富は屋を潤すも、徳は身を潤す。
心広くして体胖かなり、と。故に君子は必ず其の意を誠にす。』
心にずしりと響く言葉ですね。
どうしても、つい忙しくなってしまうと大切な事を忘れてしまうこ
日々、徳を積み重ねることを意識して生活していきたいと思います
参考図書
『安岡正篤 珠玉の言葉』神渡良平著 講談社+アルファ新書
『大学に学ぶ人間学』田口佳史著 致知出版社
江島神社