松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治経営から見た憲法3・違憲審査基準①(三浦半島)

2019-06-13 | 1.研究活動

 マイブームは、あいみょんと違憲審査基準である。

 あいみょんは、ジムで自転車をこぐときに見るユーチェーブである。ひそかに、準ゼミのYさんに似ていると思っている。他方、違憲審査基準のほうは、仕事である。

 何度か書いたが、大学は法学部を選び、専門は刑事訴訟法である。刑訴は、人権一直線なので、憲法も随分勉強した。コップの中の争いのような法律学は、どんどん興味を失い、憲法学の論文は、これまで憲法89条についての一本のみである。

 大学では、憲法を教えたのは、サガジョを辞める最後の年に、いろいろ人事の関係で、穴が開いたのか、半期だけ、統治機構を教えた。学科長は、私の専門が地方自治なので、統治機構ならばできると思ったのかもしれない。本当は、人権のほうが得意であるが、何も言わず、統治機構の部分を教えた。

 憲法は、もう教えることがないと考えて、楽しい授業とした。例えば、天皇の部分は、「みんなは皇室にお嫁に行きますか」といった授業である。今日の真子ちゃん+小室さんや、最近では紀子さんバッシングにあるように、皇族の人権と絡めて、象徴天皇制の話をするといった感じである。

 最初は、ある程度の人数が、お嫁に行ってよいに手をあげたが、皇族には表現の自由、信教の自由、居住移転の自由、職業選択の自由もないことに気がつくと、みるみる人数が減った。これを見てわかるように、女性天皇、女系天皇どころの話ではなく、今日、皇室にお嫁さんやお婿さんに行く人は、ほとんどいないだろう。

 ともかく、そんな授業をやったので、憲法学の知識は、学生時代+αくらいである。

 今回、憲法を勉強し始めているが、それは条例づくりにおいて、憲法を意識することがほとんどなく、安易に、例えば,QBハウス禁止条例がつくられてしまうからである。条例づくりにおいて、どのように憲法を意識すべきかを考えてみようと思ったからである。

 あらためて勉強をし直してみて、憲法学が大きく進展したのは、違憲審査の部分である。私たちの世代では、違憲審査と言えば、時國康夫さんの違憲審査の論文で、この論文は、憲法学を学ぶものならば、必ず読んだ。

 時國さんは、旭川地裁で猿払事件の判決を書いているが、この論文を書いたのは、東京地裁の判事だったころだと思う。すごく頭のいい人がいるものだと、当時、感心したことを覚えている(この論文は、研究室を閉じるときに処分してしまった。もう憲法の論文は書かないと思ったからである)。

 今回改めて、勉強しなおしてみると、アメリカの判例法から学んだ芦部先生の違憲審査基準論を越えて、ドイツ法から学んだ三段階審査論が、台頭してきていることに驚いた。

 違憲審査基準論は、二重の基準論は、カテゴリー分けとシステマチックな運用で、確かに裁判官の恣意を排除できる論であるが、画一的に過ぎるようにも思う。だからと言って、三段階審査論でいいのか、今は結論が出せない。

 ともかく、はっきりしているのは、自治体政策学と憲法訴訟論とでは、違憲審査論のアプローチが違うということである。

 自治体政策論からは、
 1.裁判にならないように条例をつくる
 2.裁判になっても負けないように条例をつくる
 3.時には、裁判に負けて、勝負には勝つというウルトラCもある。

 2だけやっていても、自治体の憲法論には、ならない。3はともかく、1と2の関係から、違憲審査と条例制定の問題を考えてみよう。

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