松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『外国人消防団員の理論と政策』kindle版

2021-05-03 | 外国人消防団
 電子書籍に挑戦した。

 テーマは、『外国人消防団員の理論と政策』。ニッチでマニアックなので、紙の本にはならないので、これも体験と思って、がんばってみた。

 外国人消防団員については、ほとんど論文がない。前著の『定住外国人活躍政策』(萌書房)で、一部ふれた。消防団員と民生委員である。民生委員は、法律で、選挙権がある者と書かれているので、解釈論では乗り越えられないので、民生委員協力員という別の形で、実質的に国籍条項を乗り越えるしかない。他方、外国人消防団員は、法の縛りがなく、その根拠は「当然の法理」なので、論理解釈や政策論で行くことができる。これは、地域における外国人をどう考えるかによる。

 本書の問題意識は、同じまち、地域に住む者なので、誰かの家が火事になっていたら、消してあげるというのが自然の行為である。だから、日本人も外国人もない。ところが、今の仕組みは、外国人はお客さんである。何もしなくてよい、日本人が消してあげるという仕組みである。珍しいお客さんなら、これもできるが、もう人口の3%も外国人がいる。やや厳しい言葉でいえば、消防団員にならなくてもよい、日本人が火を消してあげるというのは、「外国人特権」ではないか。

 本書の肝は、第4章の外国人消防団員の考察である。当然の法理の論理解釈を試みた。簡単な話、外国人消防団員が、火を消すと、どんなまずいことがあるのか、それを具体的に説明した文書に出会ったことがない。

 日本のシステムは、人手の面から崩壊し始めている。国防だってそうである。お金をかければ、すごい装備を用意できるが、それを担う人がいない。自衛隊に行ってみると、よくわかるが、みんなおっさんばかりである。工事・建築、製造・販売では外国人抜きでは、動かなくなっている。農業・漁業だってそうである。福祉の分野でも、論議され始めている。

 これから、ますます外国人が増えてくる中で、今から、新しい仕組みを作らないと、また、後手に回ってしまうからである。後手に回るのは、コロナでもう、こりごりである。そこにあるパワーを活用していくしかないというのが、これからの日本の生き残り戦略である。国は、どうせ後手に回るから、地方から、先手を打っていこうというのが、私のスタンスである。

 Amazon kindleでは、「簡単」と書いてあるが、細かいところになると、技術的には、なかなか難しい。気になるところはあるが、まずは挑戦である。これのいいところは、いつでも修正できる点である。しばらく、たってから、もう一度見直してみよう。

 値段は、300円とした。アマゾン・キンドルでは、99円以上の設定をしないといけないが、チェーン店のコーヒーが飲める値段とした。考えてみたら、マックだと100円なので、100円もあるかもしれないが、一度決めた値段を下げるのは難しい(上げるのは、先に買った人にも抵抗がないだろう)。多くは、キンドル読み放題で読むのだろうから、気にすることもないかもしれない。

 新しいことに挑戦するのは、気持ちがよい。
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