松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆「引きこもりを地域の力に」シンポジューム終わる(相模大野)

2014-07-20 | 1.研究活動

 とてもいいシンポジュームとなった。

 参加者は50名弱で、そう多くはないけれども、さまざまな人が参加しくれた。アンケートを見ると、ご家族に引きこもりを抱えている人、仕事の中で、どのように対応したらよいか考えている人、引きこもりへの対応をまちが抱える課題を乗り越えるヒントにしようと考えている人など、さまざまである。それぞれが、何かを感じる機会になったように思う。

 私も改めて、いろいろなことを考えることができた。印象に残ったことを書いておこう。
 ①人の役割は固定的ではないということ。例えば、昨日は、福祉サービスを受ける立場であるが、今日は、地域のまちづくりでは担い手であるといったことは、普通にある。
 同じ方向からばかり光を当てていると気がつかないが、上下左右から当てると、人の思いもかけない個性や強みが見えてくる。「人は価値がある」というのが憲法の基本理念であるが、この光の当て方が、価値を伸ばすコツなのだろう。

 ②役割の大切さ。他者や社会との関係で、自分の存在意義と認められることが、暮らしていく際の拠り所になる。仕事につくということも、それ自体大事なことではあるが、認められるということでもあるだろう。 

 ③人は価値があり、地域の資源であるというのは、その通りであるが、行政がそのまま政策とすると失敗するのではないかという指摘は重要である。これは行政の本質に由来する。行政というのは、体系的、画一的に行動する。いい悪いではなく、行政とはそういうものだからである。だから、個性的や個別的なものは、行政の政策にはうまく収まりきれない場合が出てきてしまう。
  だから、「人は価値があり、地域の資源である」という理念は、まず市民間や地域で実践すべきことである。行政は、こうした文化づくりを後押しするのが役割なのだろう。

 ④学生たちも、よくがんばった。たくさんの役割や仕事があったが、逃げたり、面倒がったりせずに、率先して、取り組んだ。初めてのことで困ったことも多かったが、お互い助け合っている様子が印象的だった。この3か月で、確実に力をつけたと思う。教師としての私も、正直、嬉しい。

 

 

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