松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★これからの協働のあり方と行政の役割(蕨市)

2013-02-15 | 2.講演会・研修会
 雨の金曜日、埼玉県蕨市で職員を対象に協働の研修会があった。
 蕨市は、三浦半島から行くと、京急で品川へ、あとは京浜東北線で一本である。川を渡り、川口、西川口ときて、次が蕨となる。駅前は、昔ながらの街の様子を残していて、いわば地域コミュニティが発達していそうな雰囲気である。
 ここでも、協働の意義を体験からさかのぼって話をした。私の体験では、協働というのは、行政とNPOが一緒にやることではなく、お互いが公共を担うということである。公共の担い手は、多くの自治体では、NPOよりも地域コミュニティのほうが重要になってくる。
 話のあと、質問時間を取ったが、いい質問が出た。
 ①協働の手間の問題である。できる限り市民参加でやりたいが、やはり時間がかかるので、人員も少ないなか、厳しい。どのように考えたらよいのか。
 参加、協働の時代だからと言って、一律に同じように、手間暇をかけるものではない。テーマによっては行政が果断にやるものもあるし、じっくりと時間をかけて、市民と手作りでやるものもある。ただ、その判断を担当者だけに委ねるのは、酷である。担当者だけが孤立しないように、判断基準を作ったり、お墨付きのような機関(仕組み)をつくるなかで、担当者が安心して行動できる条件を整備すべきではないか。
 ②協働提案制度について。うまくやるコツのようなものはないか。
 協働提案制度は、行政と市民が一緒にやる協働の部分である。一般的には、すぐに種切れになる。それにもかかわらず、制度だからと言ってやり続けると、優先順位の低い事業をやることになる。これは担当課にとってはたまらない。提案者を地域コミュニティにも広げる工夫が必要ではないか。またこの制度では、市民の提案をブラッシュアップする仕組みが大事である。市民の提案は、どうしても稚拙になりがちである。それをそのまま受け入れるというのが市民提案の尊重ではない。では誰がブラッシュアップするかであるが、中立的な人や組織が、担当課との間に入って、やっていくのがいいだろう。協働担当は、少し離れた位置で、やっていったがいい。
 そのほか、何でもありなので、最初に私が本を出した時のいきさつは?という質問もあった。質問を何でもよく、どこにも仕事のヒントが転がっている。
 担当の方からは、「すとんと落ちた」と言われた。何よりだった。

 追伸 蕨市が誇るもののひとつに、私は、蕨市民は、蕨という難しい字を書けるというがあると思う。よそ者から見ると、これもすごい。
 ちなみに、写真は蕨駅にいたゆるキャラ。でもあとで見たら、蕨のワラビー君とは似ても似つかなかった。失敗。これは何だったんだろう。
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2 コメント

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ありがとうございました (蕨市 神戸)
2013-02-20 13:00:13
研修を担当していました、蕨市の神戸です。
協働担当として、先生のお話は大変勉強になりました。また、他の職員からも協働について理解を深めることができたと言われました。
徐々にですが、これから蕨市にも「協働の輪」が広がるように頑張りたいと思います。
お忙しい中、本当にありがとうございました。

ちなみに、画像のゆるキャラですが、調べたところ、青森の「いくべぇ」というキャラクターでした。たまたま、蕨駅で青森の観光キャンペーンを行っていたそうです。
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さすがです (マロン教授)
2013-02-20 14:11:46
 お世話になりました。
 さすが、役所の調査能力です。「いくべぇ」君ですか。
 ますますの奮闘、期待しています。
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