松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆はじめての条例づくり㉑条例は法規範であり、制定は謙抑的であるべきではないか

2020-04-24 | はじめての条例づくり
 条例は法規範であり、制定は謙抑的であるべきではないか

 法律と条例は違います。国も地方も同じ政府ですが、政府の質が違うからです。

 国の基本は、主権です。主権は絶対権で、たとえば、日本国の領域に非合法で侵入しようとする船舶を強制的に退去させることができます。ところが、地方には、主権はありません。埼玉から、東京に入ろうとするときには、東京は、強制的に埼玉県人を排除できません。

 もし、東京都に主権があれば、手形をもらって、その手形で東京に入ることになります。こうした強い力を持つのが、政府なので、その権力の発露である法律の制定は、抑制的になります。

 主権がない地方の行動原理は、強制力ではなく、連帯・協力です。相互の助け合いです。自治体の条例もそれによって、その性質が規定されます。連帯・協力、助け合いを後押しする法規範という側面が強くあります。

 したがって、自治体の条例には、自治基本条例や若者参加条例のような、市民の活動を後押しする条例が制定されます。条例は、連帯・協力、助け合いを後押しする道具です。それが政策法務論です。簡単な話で、おふくろによく言われた「立ってるものは親でも使え」です。自治体は、手段が限られているので、使えるものなら、何でも使います。

 この国と地方の違いを踏まえないと、政策法務論は、理解できないと思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆テレワーク型研修はできないか | トップ | ☆パチンコ店名の公表⑦ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

はじめての条例づくり」カテゴリの最新記事