松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆空き家対策を考える(大津市)

2013-06-07 | 2.講演会・研修会
 滋賀県大津市にある全国市町村国際文化研修所で、「空き家とまちづくり」の研修会に参加した。
 このテーマは、初めての試みで、全国から50名以上の参加者があった。講師の人選もなかなかよく、各分野の先生をお呼びし、さらには事例発表は、所沢市と江津市で、これもバランスが良かった。担当のKさんやIさんが、奮闘した様子がよく分かる。
 
 空き家問題は、根が深く、また問題の本質は空き家だけに限らないテーマである。いわば、私的領域に行政が関わっていくもので、その意味では、行政だけが担当し、従前の行政手法だけでは十分に対応できない。逆に言うと、空き家問題をいい加減なスタンスで対応すると、次から次に、同種の問題が発生して、行政はにっちもさっちもいかなくなる。

 いくつかの自治体では、空き家対策の条例ができているが、その策定プロセスに課題があるようである。条文は、いくつかの自治体のものを寄せ集めれば出来上がるが、それでは条例をつくったことにならない。条例は実効性があって初めて意味があり、ということは実効性が上がるようにつくらなければいけないからである。

 議員立法の場合、この弊害が顕著で、条文をつくって、それを執行部に投げて終わりというものがあるようだ。議員立法に欠けているのが、執行の仕組みで、それには執行部との綿密な調整が必要になる。議員立法というのは、議員自身も、政策立案の当事者になるということなので、どのように実効性を担保するのは、対案を示す責任があるからである。

 二元代表制の地方自治では、議員立法の場合は、「どのように実践するのですか」という執行部からの質問権がなければいけないと思うが、議会基本条例でも、そこまで触れているもにはなく、これは法の欠缺部分だろう。

 今回は、事前の宿題が行き届いていて、事前に、参加自治体の悩みや施策がペーパーになっていた。とてもいい資料なので、受講者間でこれをさらに共有する、お見合い大作戦的なワークショップがあってもよかったように思う(欲張りすぎかもしれないが)。

 2日間にわたった講義、グループ討議だったので、大津に泊まることになった。大津には何度か泊まっているが、今回も琵琶湖ホテルだった。私は、泊まるところには、こだわらないが、それでもこのホテルは、心地よく、ゆったりとできた。お土産は、お隣の物産コーナーで、滋賀県らしいお土産をこまごまと買った。大津に与えた経済効果は、大したことはなかったことを報告しておこう。
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