松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆個人の趣味と公共活動との境目(三浦半島)

2019-11-25 | 1.研究活動
 今度やる無作為抽出の打ち合わせで、少し頭が整理された。忘れないうちに、整理しておこう。

 今回のメインテーマは、公共活動(地域活動=みんなのためになる活動くらいに広く考えるといいだろう)へのスポット参加である。フルタイム、自分の時間の多くを公共活動につぎ込める人は、どんどん少なくなっている。ならば、自分の趣味でたまに、スポット的に公共活動(地域活動)に参加することで、参加者の裾野を広げようという発想である。

 発想・方向性は、よくわかるが、そのために何をしたらいいのか、要するに目標がいま一つ、ボーとしている。一般の抽選で選ばれた市民が、きちんと議論できるように、頭をクリアにしておく必要がある。

 まちづくりには失敗がないので、心配はないと思うが、若プロのみんなの成功体験になってもらいたい。そんなことを考えていたら、南区の人たちが、三浦半島まで来てくれて、話をしたら、だいぶ、頭がすっきりしてきた。

 1.多くの人には、自分の趣味や好みの活動がある。例えば、音楽で考えてみよう。フォルクローレが趣味だとしよう。この個人の趣味を時々、公共活動のなかで、実践したら、立派な地域活動である。10回のうち1回だけ、福祉施設でやれば、まさにスポット参加である。

2.同じように、英語を話すのが趣味という人がいる。いつもは、自分の趣味の範囲であるが、たまには、不登校のためのNPOで、教えたらいいのではないか。それもスポット参加である。

3.では、こうした個人の趣味と公共活動をつなぐにはどうしたらいいだろう。両方の間には、大きな溝がある。簡単にはつなげない。これを架橋する方法が見つかれば、公共活動への参加が増え、すそ野が広がる。架橋の方法はたくさんあった方がいい。そうすれば多くの人が渡ることができる。それにはどんなものがあるか、それを普通の市民の立場で、考えてもらい、この問題の解決のヒントを集めることができたらいい。それが今回の無作為抽出会議ではないか。

4.そこで、まず、自分の趣味、やっていることを出してみよう。
(1)音楽活動や英語などが出てくる

(2)いつ、どんな状況があれば、これを公共活動につなげるか。要するに、自分の趣味を公共活動のなかで、実践するにはどんな条件なのかを考えてみよう。とき、場所、情報など、いろいろ条件があるだろう。

(3)中には、そんな、公共的なことには、まったく関心がないという人もいるだろう。それはそれでいい。では、なぜ、関心がないのか、あるいは仮に、どんな条件がそろえば、「やってみていい」と考えるのか、これを引き出せれば、ここから、スポット参加の何らかの仕組みや制度を考えるヒントが出てくる。

(4)やる気十分な人もいるだろう。やる気はあるのに、できないのはなぜか。その訳が分かれば、スポット参加の条件のようなものも見えてくるだろう。

(5)すでにやっている人もいるだろう。この場合、困っていることはないか、こうだったら、もっと頑張れるのにという意見も出してもらえば、これもスポット参加の条件だろう。

5.グループで議論しているので、ファシリテーターは、グループ全体で、議論を深めることが役割である。グループ内から、みんなが私だったら、こうする、こうしたらいいという意見が出なければいけない。水を向けるのがファシリテーターの役割である。結構、難易度が高いが、心配することはない。まちづくりには失敗はない。

6.整理すると、個人の趣味と公共活動の間には、大きな溝ある。簡単には、越えられないので、この溝を架橋する方法、アイディア、ヒントを考える。たくさん出れば、その方がいい。多くの人が架橋できる。
 なかには、議論を深める方向に進んだというグループもあるだろう。それならばそれでもよい。スポット参加のヒントになる。
 参加者メンバーの一人ひとりが、自分事として考える機会になれば、成功である。

7.こんなアイディアを出してみたが、実践するのは、若プロのみんなで、私は、ひとつの道筋を示して、後押しするのが、役割であるので、あとは、自分たちのやりよいようにしたらよいと思う。まちづくりには失敗はないので、楽しくやってほしい。

 こんなことを考えたのは、公共活動を熱心に取り組んでいる人がいるが、それはある意味、個人の趣味みたいと感じることがあるからである。たしかに自分でいきがいや面白いと感じないと、公共活動は長続きしない。個人の趣味と公共活動は、実は境目がない、陸続きのようなものだと思う。
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