土佐のくじらです。
久しぶりに歴史記事です。(笑)
信長の時代になりますと、かなり資料も多く、また信長ファンもとても多いので、記事を書くのは緊張しますね。
なぜなら私は、史実を細々と追うのが苦手な、変な歴史愛好家だからです。(笑)
歴史愛好家というよりは、謎解きが好きなのですね。
ですから史実のかっちりしている時代は苦手です。(^^;
ということで、細々とした史実に関する考察は、私より優秀な歴史愛好家の方々にお任せして、私なりの信長論に迫りたいと思います。
私なり・・・というのは、歴史は現代に適応させたり、未来を築くために参考にしなければ、知る意味はない・・・ということですね。
そういう観点から、お読みいただければ幸いです。
さて信長の有名なスローガンと言えば、言わずと知れた、「天下布武」ですね。
「軍事で、この国を平定するのじゃ!」と言うイメージで、私は捉えていたのですが、今の私はこの天下布武を、脱戦国論と捕らえるようになりました。
つまり、
戦国時代を終わらせる・・・ということです。
当時、戦国時代に生きる人々は、戦国時代を終わらせるのは不可能・・・と思っていたはずだということは、以前の記事で書きましたけど、信長だけは、「終わらせる」と断言したのですね。
信長の偉いところは、それが実現できるように、実際の自軍の伝統であるとか、社会であるとか、そういう脱戦国に邪魔なものを実際に排除し、新たな遺伝子を構築し続けたということです。
信長が、覇王であるとか、残忍で冷酷な殺戮者であるとか、実際に大量虐殺などをしているにもかかわらず、なぜだか尊敬されているのは、信長の脱戦国理念と、それを実現させるための生き様に、時代を超えた正当性があるからだと思うのです。
そしてそれは、やり方は違えど、後の豊臣秀吉や徳川家康にも、その脱戦国理念は受け継がれたと思います。
秀吉や家康の政治も、一種の脱戦国論だとすれば、歴史のつじつまが合うのですね。
まとめると、
信長は、原理主義的脱戦国論であり、秀吉は現実主義的脱戦国論、家康は統治機能としての脱戦国論なのではないでしょうか?
つまり、その後の明治維新までの期間、日本に流れていたのは、信長理念=天下布武の変化形だったと私は考えます。
ではその脱戦国を実現するための方法論として、信長が行ったことは、一つは兵農分離ですね。
当時の日本は、武士=農家でした。
ですから、農繁期には戦が出来ませんでした。
信長は、家の次男三男の希望者を銭で雇い、戦専門の武士を創出したのです。
これは当時の、家長相続制の社会において、次男三男に働く場所と、立身出世の機会を与えることとなりました。
これで信長軍は、年中戦ができるようになりました。
こういうシステマティックな陣形は、年々効力を発揮いたします。
織田軍は、相手が戦えない農繁期でも戦ができたので、段々と織田軍は実績を上げてきました。
ただ問題がありました。
織田軍は、急ごしらえの軍隊ですから、ここの兵隊は弱かったのですね。
ですから信長は、鉄砲などの新兵器を、積極的に採用しています。
また、大阪の堺を占拠した後は、鉄砲の大量生産体制を築きました。
これは、織田軍の兵士が、弱かったからなのです。
そして一番代表的なのは、能力昇進制度ですね。
家柄や身分、採用年次に関係なく、手柄のあった者を重用し、晩年は臣下を大名にまでしています。
当時のほとんどの地域では、そこに長く仕えていた者が重用されていました。
それは恐らく、領地の多い者が上に立っていたはずです。
当時は、武士=農家ですからね。
領地が多ければ、多くの人間・・・すなわち武士を食わせられる=軍事力が大きいだったはずです。
これは今でも、二世議員が多いのと変わりませんね。
ジバン・カバン・カンバンがあれば、出発点から知名度と運動員と政治資金があるので、政治進出にとても有利です。
これらの内部改革によって、ここの価値観を変えると共に、実績を積んで行ったのが信長流の生き方でした。
信長の偉いところは、この天下布武というスローガンを、現実化するために生きたことです。
ですから、長く続けていくことで、「これは本物だ。」と信頼されたと思うのですね。
つまり、
言っていることと、やっていることが同じだということですよ。
言行不一致な人は、結局は信頼されません。
たとえば景気対策と称して、還付金ばらまくのは、言行不一致なのですよ。
なぜなら、その財源は税金だからです。
税金を取って、そのお金をばら撒くのであれば、最初から取らなければ良いのですよ。
そんなことをするくらいなら、何もしない方が景気対策なのですよ。
可能な限り税金を安くして、無駄な規制をなくして、国民にお金を動かしてもらった方が良いのですよ。
国家予算なんて、たかだか年間100兆円もないですよ。
でも、日本国民は預貯金だけで1500兆円も持っているのですよ。
国民に、お金を使ってもらえば良いのです。
今は政府より、国民の方がお金持ちなのですからね。
たった100兆円しか使えないのに、偉そうに、仕事している振りだけするのは、言行不一致で笑えますぜョ!!
(続く)