土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

なぜ政治家は、減税を嫌うのか。

2013-09-26 19:21:05 | 増税亡国論

土佐のくじらです。
9月の終盤に差し掛かり、来年4月に予定されている消費増税を、実行するかしないかの判断する日が近づいて参りました。

既存の政治政党は、押しなべて増税政党です。
消費税増税反対を言っている左翼政党もありますが、代わりに高額所得者の所得税や、企業の法人税を上げる政策ですから、増税路線には変わりありません。

高所得者の、税率を上げてはいけません。
彼らには、お金を使ってもらわなければいけません。

よく、「税金は金を持っている奴から取れや!」という意見もありますが、金持ちから税金を取るより、存分に使ってもらう方が、我々庶民は潤います。

同様に法人税も、上げてはいけません。
多くの勤め人に、払う給料が減ります。

さすれば困るのは、我々庶民です。

またそんなことをすれば、日本から、大企業や高所得者がいなくなります。
そうなれば、日本国自体が貧乏になり、日本国民には、貧乏の平等社会が待ち受けます。

それは、「全く夢のない国日本」の創出です。
むしろ、世界から高所得者を呼び寄せる策を、税制で演出する必要があります。

これが、国家経営というものです。

日本の経済政策を、実質的に立案しているのは財務官僚ですが、彼らは公務員であり、給与体系は景気の動向に無関係です。
ですから官僚は、不景気が大好きであり、日本を末永き不景気にしていくよう演出します。

それが一連の好景気潰しであり、その方法論として、最も効果的なのが増税です。

政治家は、国民の代表として、国民の幸福を預かるものとして、この官僚の生活保障への恐怖から来る、日本不景気誘導策に対して、抗ずる見識を持っていなければいけません。

日本政治勢力総増税派という、恐るべき今の現状は、恐らくはその見識がないのであろうし、また政治家自身が、減税を嫌っているとしか思えません。

かつて前世紀末、バブル崩壊に苦しんでいた時期に、2兆円ほどの減税を行った事があると思います。
たった2兆円規模でしたが、それでも景気は回復し、1999年の8月には、平均株価が2万円を超えました。

減税には、確実な景気浮上効果があるのです。
つまり、逆の意味では、増税には確実な・・・不景気効果があるということです。

今はまだ、日本経済はデフレから脱却しておりません。
むしろ、減税をする必要があるのです。

ではなぜ既存政治家は、減税を嫌うのでしょうか?
それは、

今の政治家には、経済の本質が分からないから・・・と言えると私は思います。
もう、そう断言して良いと思います。

皆様に質問です。
1万円の価値は、いくらでしょうか?

答えは・・・無限・・・なのですね。
なぜなら、お金は、使う・・・ということを前提にしているからです。

1万円は手元に置いたままなら、経済価値は1万円ですが、何かを買うことによって、誰かにその1万円は手渡されるからです。
1回誰かの手に渡った1万円も、いつか必ず他の誰かに手渡される・・・そういう流れを、お金は性格の中に持っているものだからです。

つまり1万円は、3人の手に渡れば3万円に、10人に渡れば10万円に・・・という風に、流れることで価値を増やすものだからです。

つまりこれは、Aさんが持っている1万円が、10人に手渡されれば、10人の人にはそれぞれ、1万円の収入があった・・・とも言い換えることができるのですね。

なんだか、マルチ商法の説明みたいになってきましたけれど(笑)、実体経済というものを、つぶさに観察すると、こういう結論に至るわけです。

この経済の流れ、つまり、「お金は流れてこそ価値を生む。」という、この肝心の部分が、政治家にはどうしても分からないのではないでしょうかね。
それは彼らが、実体経済を知らないか、よほど彼らが、お金に困っているのではないでしょうかね。

借金苦に至ると、人間は手元に入るお金のin・outしか、分からなくなるのが人間です。
選挙資金、政治資金の細かい流れに目を向けすぎる余り、大きな経済の流れ・・・というものに、目を向ける余裕そのものが、現存の政治家から、消えている現状があるのかも知れません。

つまり、減税による効果・・・というものが、信じられないのだと思うのですね。

Bさんの持っている10万円から税金を1万円いただくのを、2万円にすれば確実に2万円手元に入る・・・このくらいの計算しかできない・・・ということですよ。(笑)

1万円増税すれば、Bさんの使えるお金が、9万円から8万円に減った事実が分からない・・・という、実にお粗末な頭脳でしかない・・・ということですわー。

つまり、増税すれば、国民が使えるお金は減るのですから、そうしたら、お金が動かなくなるのですね。

日本のGDPの、6割強は消費です。
比率で言えば、世界随一の消費経済大国が現代日本です。

消費税は消費の流れを、確実に鈍らせますので、GDPはガタ落ちするのは必至です。
か・な・ら・ず、そうなります。

今の消費増税法案は前政権に成立しましたが、当時の与党民主党だけでなく、野党であった自民党も公明党も賛成しました。
消費増税に反対する既存の政党も、他の税金を上げますので、同じ増税政党です。

ということは、全ての既存の政党組織の政治家が、この基本原則を理解できない・・・ということです。

税金の高い国は滅びます。

日本の税金は高いです。
日本が低税国家ならば、ユダヤ資本や中国企業が、日本に本社を置くはずです。
国民皆保険や、各種間接税を含めれば、サラリーの40%以上は税金・・・と思えばよろしいです。

もはや、税金による革命の必要性を、私は痛感しますね。
いっそアホな政治家は、丸めて「増税の谷」に突き落としたいです。

日本が「増税の谷」に、国ごと堕ちる前に・・・ね。


脱戦国論で見る天下布武

2013-09-26 06:30:00 | 歴史の読み方

土佐のくじらです。

さて、織田信長の有名なキャッチフレーズ、天下布武ですが、何やら、軍事力で国を支配するっぽい、強面なキャッチコピーなので、誤解されているかも知れません。

しかしこれは、戦国時代を終わらせる・・・という、信長の意思表示だったと思われます。
そう、覇王のイメージの強い信長ですが、最終的には戦のない世の中を目指していたと思われます。

信長の戦の仕方や、政治の行い方は、当時の一般的な、戦国時代の常識的なものは少なく、極めて独自性の強いものが多かったのですが、それはこの、天下布武=脱戦国時代の実現・・・ということにスポットを当てれば、そこからほとんどブレなく導き出されており、実直に実践されているのですね。

この天下布武政策の実現のために、信長がまず行ったのは何か。
それが、兵農分離政策です。

当時は、武士と言っても、半農半武、兼業農家の地域消防隊員みたいな立場です。
武士とは言っても、実は農民なのですね。

豊臣秀吉が農民から天下人へ・・・と言われていますが、秀吉は小作農出身というだけで、当時はみんな、武士=農民だったのです。

ですからこの時代は、農繁期には戦ができませんでした。
当たり前ですよね。
そんなひどいことをする殿様は、下克上の時代には、きっと謀反の対象だったでしょうね。

この、農繁期に戦ができない・・・という時代的ボトルネックを、信長は、兵農分離・・・すなわち、日本で始めて職業としての武士、今で言う、職業軍人を始めて創り出したのです。
ですから、信長以降の織田家の兵隊は、傭兵が多かったはずですね。

では信長は、どうやって職業軍人としての武士を雇ったか。
それは、銭を使って雇ったんです。

それまでは・・・というか、後の江戸時代もそうですが、家臣には、土地を与えたり、米を与えたりして雇っていたんですね。
信長は、日本史に時折歴史上現れる、銭本位制の政治指導者なのですね。

過去には、平清盛や足利義満がいました。
織田家の家臣は、銭で雇われた傭兵ですから、織田軍は戦が年中、いつでもできるようになったのです。

これでは織田家周辺諸大名は、たまったものではなかったでしょうね。
小さな一つの戦では、織田軍をたとえ防ぎえたとしても、長く防ぐことはできなかったと思います。

織田軍は、1年中戦ができます。
他のところでは、秋から春にかけてしか戦ができません。

戦国時代・・・というか、今まではずっとそうしてきましたから、どこも農繁期に戦する時代になるなんて、誰も思ってもいなかったのですよ。

織田信長は、桶狭間とか、長篠の戦とか、戦術面ばかりが強調されて紹介されることが多いのですけが、実は、システマティックな面、そして組織で勝つという面において、織田軍は強かったのですね。

傭兵の潜在的な希望者は、結構いたんじゃないでしょうか。
当時は、土地本位制ですので、多くの土地を持たない農家の次男三男などは、一声掛ければ、すんあり傭兵になったんじゃないかと思いますね。

どうせ殿様から、「戦じゃ!」って言われたら、当時はみんな、問答無用で戦に行く身でしたのでね。
農作業免除で、手っ取り早く銭をくれる、信長の兵農分離政策は、民衆も喜んだのではないでしょうか。

天下布武・・・という大戦略を実現するための、組織面での戦術の一つが、兵農分離・・・だったわけです。

戦国を終わらせる!という掛け声は、誰でも言おうと思えば言うことが出来ます。
しかし大事なのは、それを実現させるための具体策です。
具体策なしの掛け声だけでは、一時期人は付いてきても、いつかは薄い仮面は剥がされます。

これは、現代でも当てはまることです。
デフレ脱却!と言いながら、増税していたのでは、本末転倒の掛け声倒れです。

でも疑問が残りますね。
なぜ信長だけが、銭で家臣を雇えたのでしょうか?

それは、信長独自の経済政策にあるのです。
ではまたお会いしましょう。(^^)/
                                      (続く)