ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

岡御殿

2011-06-21 03:44:54 | 建造物入門
 岡御殿と称される建物があります。場所は安芸郡田野町です。
 先日、ブログに登場した場所です。
 
宝暦9年11月(1759)のことです。当時の岡家の当主、岡徳左衛門は土佐藩に依頼されて御用銀400貫目を年1割5分、期限1年間、魚梁瀬御留山の木材を担保にする条件で調達するのです。
 銀400貫目とは小判で66、600両程にもなる金額で、現在の感覚では50億円を越えるような規模なのです。ちょっと貸すとか貸さないとかといえない金額なのですが、岡家とはそうした商家だったのです。その岡家の本宅が残っているのです。




 表門から内部を見た写真です。
 普段は閉じられているのですが、先日はここから入ることが出来ました。
 違った角度からみると、建物は新鮮に感じます。
 凛とした緊張感があります。



 山内の殿様が参勤交代の際、寝泊りをしたとされる座敷から表門に向かって4本の柱が立っています。これらの柱は座敷の中からみると、ほぼ一直線になって、1本にしか見えません。面白い構造です。

 魚梁瀬の木材を扱う廻船業者であり、その他手広く商う豪商だったのですから、本宅も見事なものです。

 風呂やトイレはもちろんですが、他の商家の構造とは明らかに違うのです。
 襖絵や釘隠しにいたる調度品にまで、格を見せ付けています。
 現在の敷地面積はかつての半分以下となっているのですが、それでも広々とした敷地は他を圧倒しています。

 機会がありましたら一度は、入って見たらいいですよ。

 時を忘れさせてくれます。

 土佐藩に用立てた御用銀400貫目の始末が大変だったようです。
 土佐藩も財政難で、苦労をしていたのです。

 その始末については、また今度書くことにします。
 思わぬところに影響が出ることになるのです。

 なにしろ始末がつくのに150年以上の年月を要するのですから。
 人事ながら面白いですね。


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