河野裕子と永田和宏との出会いは、
衝撃的なものであった。
学生短歌会に出て、ほどなく相手を恋人として意識するようになる。
年齢は、河野が1歳上だが、
河野が高校で病気のために
1年留年しているので、
同学年である。
出会いから結婚までのことは、
「たとへば君」に詳しい。
河野と永田は、河野の死まで、
河野から永田へ500首
永田から河野に470首
の相聞歌を残した。
河野裕子の学生時代の短歌を4首。
第2首〇は、短歌界でも傑作として有名である。
……
夕映えを常に明るく受くるゆゑ登りつめたき坂道があり
〇たとへば君 ガサッと落ち葉すくふやうにわたしをとっていってはくれぬか
灼きつくす抱擁の時もナイフもて君が心臓さぐりゐしわれ
吾ために薔薇盗人せし君を少年のごとしと見上げてゐたり