めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

野犬の野望

2016-07-26 20:07:47 | ペン


カルピスウォーターを求め、山から人里へ下りてきた野犬が、某有名私立高校の男子バレーボール部の顧問に就任する。

学校から多額の契約金をせしめた野犬は、高級外車を買い、街へと繰り出す。
カルピスウォーターと将門煎餅を、いつでも口にできるようにと、助手席に置いて。

「もうオレは山には戻らない……
あんなつまらないところへ戻ってたまるかッ!
オレはもっと大物になってやるんだ‼︎」

叫びながら、右へ左へハンドルを切る。
右折左折、
右折左折……。

陽が暮れかかり、少し赤みをおびはじめた空には、飛行機雲が斜めに走っていた。




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