カルピスウォーターを求め、山から人里へ下りてきた野犬が、某有名私立高校の男子バレーボール部の顧問に就任する。
学校から多額の契約金をせしめた野犬は、高級外車を買い、街へと繰り出す。
カルピスウォーターと将門煎餅を、いつでも口にできるようにと、助手席に置いて。
「もうオレは山には戻らない……
あんなつまらないところへ戻ってたまるかッ!
オレはもっと大物になってやるんだ‼︎」
叫びながら、右へ左へハンドルを切る。
右折左折、
右折左折……。
陽が暮れかかり、少し赤みをおびはじめた空には、飛行機雲が斜めに走っていた。
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