今年はオリンピックイヤーであり、また同時に二方面でニュースになっておりましたので、国籍問題について少々思うところを書き綴ってみたいと思います。
まずはフィギュアサイドでのニュースソース。2日前でちょっと古いですが…
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/headlines/20120515-00000044-kyodo_sp-spo.html
予想した通り、行政の判断はNoでした。
誤解のないように申しておきますが、マービン・トラン選手の日本国籍に私は反対しておりませんし、むしろ彼らがジュニアの頃から応援しておりますので
取れるならば日本国籍でと私も思います。
ただ、日本のお役所は非常に頭が固いですから、そう簡単にOKは出さないだろうなと推測していただけの話です。
いずれにしても、日本スケート連盟も動くなら数年早く動くべきだっただろうと思います。いくら今まで日本代表として国際大会に出ていたとはいえ、
過去に川口選手や井上選手が苦労して国外に渡ったことくらい承知しているかと思っていましたが、どうにも腰が重いですね。
しかし過去には10年もの長きにわたり、日本を拠点に競技に身を置いてきたにもかかわらず日本国籍取得が却下された例もあるので(サッカー)
時間をかけてもやはりマービン・トラン選手の日本国籍取得は現実的には難しいでしょう。大変残念ですが。
いずれにしても、一番尊重され配慮されるべきはトラン選手の意思なので、いたずらにトラン選手や高橋選手を連盟が振り回すようなことだけは
回避してほしいものです。
しかし、国籍さえ取れれば後は問題なしというわけでもないのは猫ひろしさんの例を見ればわかるとおり。
彼とマービン・トラン選手とでは条件が異なりますが、いずれにしても拠点を国籍変更する国に移して一定期間は必ず求められるのは
道理かと思います。
ただ、日本の場合はペアの選手たちが十分な練習をこなしていけるだけの環境がないのもまた事実。それどころか、シングルの選手さえ
場合によってはリンク難民になる有様です。
このような状況で結果を出し続ける日本の選手たちには本当に頭が下がりますが、だからといってスケート連盟がそれに甘んじていてはいけないのでは
ないでしょうか? 優れた選手育成(シングルに限らず)のためには環境整備は最低条件であろうと考えます。
ペアやアイスダンスはリフトなどの技の性質から、男女の体格差も求められますので(つまり体格の良い男子選手が待たれる)日本での男子スケート選手の
様子を見ると、なかなか厳しいようにも思えます。ロシアのように国(連盟)がペア、アイスダンス、シングルと区分に口出しするわけではないですし、何より
選手本人の意思が尊重されるべきなのは言うまでもありません。
ただ、現状では川口選手、井上選手、そして高橋選手(彼女の場合はお父様の仕事の関係でずっと海外在住ですので、若干条件は違いますが)のように
ペアをやりたかったら自国外の選手からパートナーを探さなければならないというのも一苦労であろうと察せられます。
フィギュアにおいてはパートナー選びと国籍問題、この二重苦がペアとアイスダンスの選手にはつきまといがちなのが今後も憂慮されそうです。
ただし、優れたアスリートなど一定の条件を満たした場合を除いては日本国籍の付与は乱発していいのか疑問もありますし、いずれにしても
今後も根の引く問題のまま宿題となって残りそうな気がします。
日本に限らず、国籍は一度変えたらそう簡単に元に戻すというわけにはいきません。国家間で二重国籍を認める場合はともかく、選手の将来(引退後の人生も含め)を
熟慮した上で各国競技連盟や国際競技連盟も対応してもらいたいものです。
特に日本スケート連盟(と平松氏)においては団体戦になぜか非常なる思い入れがあるようですが、その為にトラン選手の将来をおざなりにすることのないよう、
強く願う次第です。