アンドロイドの道案内アプリを見る前に、もう一度 Google Map を使って、何処までスマホ上で、細かい徒歩での道案内が可能か検証してみたい。画面は全てスマホのスナップショットになっている。パソコンへの画像転送は100円ショップで買った充電・転送ケ-ブルを使用している。
まず、次の画像が案内開始前の地図表示になる。
この時点ではスケ-ルの問題もあり、矢印も出ていないので大雑把な情報しか得られていない。大きくズ-ムアウトした場合の典型的な画像が以下になる。
海などの大きな目標を認識するには役に立つ画像だろう。地中海沿岸では使える場面だ。で、案内開始ボタンを押した直後の画面が以下になる。
この画像で留意すべき点は地図のスケ-ルではなく、表示されている二つの矢印の向きだ。赤い矢印は磁北を指しているが、青いガイド用の矢印は現在、東を向いている。青い矢印の向きはスマホの向きを変える事によって、絶えず地図上の青い道筋に合わせないと、ガイドマップとしては使えない。
上の画像はまだスマホの向きを合わせてない状態で、そもそも、そのような方向合わせを出来るのは設定のお蔭だ。
青色矢印の向きはスマホの方向と連動するので、スマホを回転させれば出来るようになる。なので、地図上に見えている道路の方向と、更に理想的には航空写真などから判断できる目標物の位置関係が、青い矢印の向きと合えば、正しい方向に歩く事が出来るはずだが、土地勘がゼロの場合、瞬間的な判断は難しいかも知れない。
上の画像は現在地に最大限ズ-ムインした状態だ。この場所は完璧に土地勘があるので言える事だが、現在地の誤差範囲は6,7mある。薄青色の円型ディスクがその範囲で、この地図は一言で言えばズ-ムインしすぎていて、周りの曲がり角とかが良く見えないので、初めの1歩を踏み出すには不適だろう。
この画面の使い方としては、画面上の「短かくて青い矢印」が「地図上の白い矢印」と平行に、手に持っているスマホの縦長の方向に進みなさい、となる。
短い青い矢印の方向は、常にスマホの縦長の方向と完全に平行になるようにシステム設計されているからだ。そして、上の画像はスクリ-ンショットなので、画像の左端の縦のラインが手に持っているスマホの左側の端のラインと同じになる。
だから、この青い矢印は本来もっと長く表示されるべきなのに、短くて、少しとんがっているだけで使いにくい。そのために、この画面では白い矢印と完全には平行に出来なかった。然も、白い矢印ももっと長くする必要があるだろう。
つまり、理想的にはスキッチで書き込んだ赤い矢印位、長い矢印が欲しい訳だ。 これはとても重要な事だと思うし、そもそもが根掘り葉掘りなので、しつっこく言うと以下のようになる。
スマホの画面では白い矢印の方向など、本来どうでも良い。直近の青い道路にスマホの端を合わせれば良いからだ。何がどうでも良くないかと言うと、スマホの端の方向を、どれだけ正確に白い線に平行に出来るかが問題で、仮に5,6m先に二差路があって、その間の角度が15度しかないのに、肝心のスマホの先端が、青い矢印と白い矢印を正確に平行に出来ないために、二差路のどちらに向いているのか良く判らなければ、道案内の意味を持たないからだ。
上の画像の場合、本来進むべき方向より、少しだけ左寄りの方向が手に持っているスマホの先頭の方向になってしまう。矢印が太くて短いのでそうなってしまう訳だ。直ちに改良すべき点だろう。
これは案内開始直後の場所の航空写真で、矢印の向きは未設定(つまり、スマホの先頭方向が東を向いている)、そして位置の誤差範囲が恐らく25m程あるが、逆に周りを見渡せば、同じような距離の間に道路の曲がり角などがギリギリデ見えるので、次にどうすればよいか判りやすい場面だ。
然し、これは日本の住宅地の場合であって、外国の街中で同様の航空写真の助けを得られるかは事前に確かめる必要がある。仮に、航空写真があったとしても、現在地から使えそうな目標物が視認できるかは判らない。大きな町では障害物があるからだ。
以下は地図上でズ-ムアウトした場面だ。この地図で判ることは、(誤差範囲の知識が必要だが)、間もなく左に曲がる必要があると言う事で、前方がたまたまT字路なので、右か左かは切実な問題だし、もう少し、円の大きさが小さければ役に立つだろう。
結局、地図のスケ-ルとの関係は、自分の現在地の範囲をどれだけ正確に同じ地図上に表示出来ているかの問題に行きつく訳で、その意味で携帯基地局のビ-コン信号を拾えなければ、苦しい。内部的な三角測量が必要だからだ。
更に具体的に言うと、この現在地は近くに他の道路が密集している場所なので、この場所でGPSの信号だけが頼りだと、T字路そのものにぶつからない可能性も非常に大きいからだ。丸の中心が自分のいる所では必ずしもない。
以下は、逆方向から見た航空写真。
これも実際にはあまり約には立たないだろう。もし、ある程度の土地勘があれば、そしてある程度の目標物が見えれば以下のような表示も使えるかも知れないが、時と場合に依るだろう。そもそも土地勘がないからこその、ナビな訳だし。
仮に、こんなところで次のような文字情報を見たら、かえって混乱するかも知れない。
このような文字情報は地図画面の下の方をスライドすれば出て来るが、誤差の大きさにもよりけりで、10m離れた隣の道路の話かも知れない。
結局、徒歩での道案内では、現在地の誤差を地図上で相対的に極小化する事が望ましい訳だが、誤差の円型範囲は地図の表示範囲とは関係なく大きさが決まっているので、ズ-ムアウトする事で、より大きな地域に対して相対的に正確な現在地が判っても、目の前の路地とかでどうするかと言う問題は解決してくれない場合がある。銀座の表通りでは使えても、神楽坂の路地では上手く道案内が出来ないような場合だ。
ただ、そうは言っても、今まで見て来た限りでは Google Map がスマホでの徒歩ナビに使えない訳ではないと言う印象は確かに受けた。
次の記事ではアンドロイドアプリの道案内の様子を見てみよう。このアプリは直近の数日間来日していた台湾の友人のスマホで、台北の街中で実際に使えるかの実験が行われる予定になっている。