着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

されど、着付け教室

2008-02-02 13:14:39 | 着付け教室
図書館で「着物中毒」(中島梓著)を借りて読みました。

ご本人、とても着物がお好きな方で、ほとんど毎日を着物で過ごしていらっしゃるとのこと。
中島氏のお母様がそもそも着物好き、子供の頃から着物を着せられ、目にし、
「気がついたらひとりで着ていた」
とおっしゃる。そんな方がいらっしゃるのですね。

私は、というと、実家に着物は殆どなく、私が着付け教室に通うことになり、練習用の着物、帯を持ってくるように言われても、そういったもの自体がない。母がお嫁入りの時に仕立ててもらったという色無地と袋帯は、練習用にはもったいない代物。
「何もないのに何で習うことにしたのよ」
と母。
当時、古着屋さんで安く購入するような知識もなく、呉服屋さんで一番安いポリの着物と帯、小物一式を買って、それでも一生懸命練習したっけ。

「洋服の着付けは習う人なんて誰もいないのに自分ちの民族衣裳を着るのに、こんなに着付け教室に通わなくてはいけないっていうことが、そもそもやっぱりどう考えてもおかしい、昔の日常着としての着物をおいだしちゃった私たちは、着物を着付け教室で習う特殊技術にしてしまった」
と中島氏。

確かに、昔の人は着物で家事もすれば雑巾がけもしてきたのでしょう。そして中島氏も日常にもっと着物を着ようとおっしゃる。けれど、こういうお仕事をしている私でも、掃除の時はジャージにトレーナーといった格好、自転車に乗って買い物に行くのはジーパン姿・・・。洋服と着物を明確に着分けています。
引っ越す前まで通っていた茶道の先生も、お茶のお稽古の時は着物を着るけど日常は洋服。着物はやっぱり動きにくいとおっしゃっていたなあ。
残念ではあるけれど、今後、着物が好きな私たちがどんなに頑張っても、洋服が着物に再びとって替わられるなんてことはないと思うんです。

でも日本の民族衣裳である着物を見て素晴らしいと思う人は沢山いるし、せめて冠婚葬祭の時位は着物を着たいと思う方は多い。
私の教室に来られる生徒さんも日常的に着物を着たいとおっしゃる方よりも冠婚葬祭や、お茶会など、特別な場に自分で着られたらいいと思う方が殆ど。

そうなると、ただ普段着としての着方だけでなく、より綺麗に、そして着崩れのないような着方を学ぶということになるのだと思います。洋服だってドレスやスーツなど礼装用には下着やファンデーションにこだわる方が多いのと同じで、着物だって、礼装用には体型の補正は大事だし、着物と帯、小物との合わせ方、またTPO・・・。身近に教えて下さる方が居られなければ分からないと思います。
だから、あんまり着付け教室をバッシングしないで下さい。私は着付け教室に通うことで着物が着られるようになったし、これからも着物の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。


川口着付個人教室 
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko/

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