着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

「着物警察」に気をつけろ!

2018-08-22 16:14:19 | 着付け教室
ある生徒さんとのお稽古中のお話です。

「先生、『着物警察』って知っていますか?」

「着物警察」というのは、着物を着ている人、あるいは着ようとしている人に対して、自分が気にくわない着方、着こなし、作法などについて、ひそひそと、時には面と向かってけなす意味の言葉を口にする人たちを指すらしいです。

「お直しおばさん」というのは聞いたことがあります。
「お太鼓が曲がっているわよ」
「着物を着たらもう少し歩幅を狭く内股で歩いたら?」
どちらかというと愛のあるお節介やき?の、おばちゃんのイメージでしょうか。

「着物警察」のたちの悪いのは、取り締まりの基準が警官個人個人の思惑によって成り立っていて、まちまちであるということです。そしてこれまた厄介なことに、時にはその取り締まりの基準そのものが間違っていることもあったりします。

「着物警察」に遭った生徒さんは、お子さんの卒業式に参列するのに着物を着て、上に羽織を羽織っていたら、
「羽織は式の間は脱ぐべきだ」
と言われたそうです。羽織は外套ではありません。洋装ではジャケットにあたるもの。着たままで何らおかしいことではありません。

また、他の生徒さんはお子さんの卒業式に
「付け下げ訪問着を着ていこうと思っている」
と言ったら、
「その着物には紋はついているの?紋がついていない着物じゃだめよ!」
と言われたそうです。
いえいえ、紋はついていなくてもいいですよ。ひょっとして色無地や小紋と勘違いされていらっしゃるのでしょうか? 紋なしの色無地や小紋は普段着だと考えるからゆえの発想だと思います。

そもそも、洋服では「洋服警察」なんて居ないのに、どうして着物というだけでいちいちあれこれ言われなくてはならないのでしょうか。
デリカシーの問題です。
人の着ているものに何の権利があってあれこれ言われるのでしょうか。折角着物初心者の方が勇気をだして着て出かけたのに、いやなことを言われたら着るのをやめてしまう人だってあるかもしれません。

「着物警察」は知ったかぶって、偉そうに上から目線で来ることがあるようです。ターゲットは自分より明らかに若い方。

着物を着られる方、着ようと思っている方、「着物警察」を気にせず、堂々としていましょう。

「着物警察官」様、余程のことがない限りは、温かい目で見守ってくださいませ。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko/


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