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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
一人になると、その喧嘩相手も居ない。
会社から帰る。
食事は会社の近くで済ませているので、後は寝るのみ。
そんな生活が数日も続いていたある夜のこと。
私は、愛車のバイクSサヤカに乗って、
香久山の方へと向かった。
香久山は、万葉の森公園となっていて、
万葉時代の木々や草花が植えられている。
香久山の東寄りには、
南北に舗装された2車線の、
広い道路が刻まれている。
道の両側には、北から竹の林、桃の畑、蜜柑園と続いて、
その折々の季節感を感じさせてくれる。
頭がぼぉっとするような夏の夜でも、
少し走れば、ほどよい温度になってくる。
どこかで、盆踊りの練習をしているのだろう。
スピーカーで盆歌が流れてくる。
車はほとんど通らない。
幹線から外れているので、通る必要性がないのだろう。
私は、別に目的もないので、ゆっくりと走っていた。
まだ、この頃はサヤカがしゃべれる事は知らなかった。
欝蒼と茂る竹林。
月の光が、ほんのりとさす。
その竹の林を恐る恐る見ながら、
走っていた時だった。
根元が、ぽぉーっと光る竹があるではないか!
つづく