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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
[Oさん、いくらでも、呼んで! オレ、ちっとも堪えへんでー]
今度帰ってきたら、真っ先に言ってやろうっと。
堪らなく嬉しくなる。
言葉のかけ方一つ、解釈一つで、
人間とは、こうも変れるものなのか?
それとも、私が単純すぎるのだろうか?
香久やは身体は小さいが頭は成人並みで、
地球人の2,000倍近い、
成長率を持つ人遺伝子がセットされていると言う。
彼らの文明は、人間のDNAの塩基対配列、
約30億通りの組合せを、
ほぼ解読しているようだ。
しかし、個人的な事情は言いたがらない。
地球以外の惑星からやってきているのは確かだ。
彼らの先祖は、月に住んでいたのかも知れない。
そして、今も住んでいるかも知れないが、
聞いても答えてはくれないだろうし、
私もそんな事を知ったところで、
一銭の得にもなりはしないので、深くは聞かない。
香久やは会った瞬間、私の心を読み、
家の中に落ちていたOさんの髪の毛から、
遺伝子情報を移し取ったようだ。
とにかく、ここ(地球)よりは、
少しだけ進んだ文明を、持っているようである。
香久やと話していると、
楽しいので、夜がすぐに明けた気がした。
私は、会社に行こうかどうしようか、と迷っていた。
「私は、大丈夫よ。行ってらっしゃい」
心を、まともに読まれるのは嫌なものだ。
きっと香久やも面食らっているに違いない。
つづく