音楽で人を救えるか。私の言っているのは、音楽の売上でお金あるいは物を介し人命を救う「チャリティ」の類ではありません。音楽自身に人命を救うだけの力が存在するかどうか、ということ。結論から言えば、「存在しない」。音楽自体には聞いて「気分をよく」したり、歌詞で「ポジティブな思考に導く」ことは出来ても、音楽を聞かせることによって自殺を思いとどまらせるなんていう力は一般的には無いと思います。
では音楽に「人を救う」力はないのか?人が出口の見えないデッドエンドにいる時、精神的に落ち込んでいる時、そのまま悪化する人と回復する人の差を分ける理由の一つに「音楽」が存在することもあるという仮定。それは音楽自らの力だけではなく、聞き手に音楽に自己投影をして自分自身を見つめなおすことが出来きるかどうかの違いなのではないでしょうか?それが歌謡曲でもハードロックでも、ジャズでも童謡でも何でもいい。傷ついた敏感な心でその音楽から何かを得ること出来るかどうか、その人のアビリティ、それがあるかないかで音楽のもつ「人を救う力」は生かされもするし、死にもする。実際、音楽でなくても、人に感動を与え、ポジティブに生きる力を与えてくれる物は他にも存在します。それは本であり、映画であり、旅行かもしれないし、ペットかもしれない。しかし音楽には特別な利点があります。
音楽の持つ利点とは?一つは本や映画より解釈の範囲が広いのではないかと言うこと。あなたが好きな音楽を聞いている時、その曲に歌詞があればその意味を知りたくなる。その歌詞が明確に何かを伝えようとする目的を持っていなくても、あなたが何かを必要としている時かならず、その中に重要な意味、自分の状況に関わる何かの意味を見つけようとするのではないでしょうか?U2がいい例です。彼らの音楽はポジティブで聞くものに勇気を与える音楽であると思っている方も多いと思います。が、歌詞を見ると、人生に関してのこうあるべきだ、という具体的なことは何一つ歌っていない。With Or Without You等、なんだか曖昧でどっちつかずな歌詞も多いのです。しかし、彼らの音楽は沢山の人を引き付け、感動を与えることはご存知の通りです。聞き手は彼らの歌詞に、特別な何かを見出しているはず。
悩みを抱え、一人で引きこもり、誰にも会いたくない音楽好きのあなたは、間違いなく何度も何度もお気に入りのバンドやミュージシャンの特定の曲を聴くに違いありません。内に篭る様々な感情は、外に発散されない代わりに、聞いた音楽の歌詞を深く考察することによっていったん分解され心の中で再構築される。そのプロセスには歌詞だけではなく音楽の持つ原始的な要素、リズムや肉声のヴォーカルといった音声的要素も関わっていると私は考えます。
では、歌詞はあまり重要ではないのか?あるいはアーティストの生き様や、音楽や人生に対する考え方や発言は?明確に「ポジティブ・シンキング」を打ち出した歌詞は、判り易いでしょう。判り易いと言うことはより多くの人に明確にメッセージを伝えると言う点では有利でしょう。が、私は、歌詞より重要なのは作り手と聞き手の境界の低さと作り手のもつ経験の重み、つまり「同士感」とでも表現しましょうか、この曲を作っている、演奏しているあるいは歌っているこの人も自分と同じなのだ、いや、もっと辛い人生を経験していると思わせる要素があることが大きな+のポイントなのではないかと考えています。例えばビリー・ホリディやマリア・カラス。歌っている曲はただのラブソングであっても圧倒的な素晴らしい歌声に加え、彼女らの歩んできた人生の重みが滲み出る。お金では買えないし、もちろん付け焼刃では不可能な、耳から入ってくるリアルタイムの滲み出る人生の重み。映画や書物では、この重みは出せないのではないかと思うのですが・・・また、前述のU2に代表されるカリスマ性も重要な要素。その人の持つ人間的魅力が聞くものに感銘を与え、力を与えるのではないでしょうか。
そのようなアーティストとその音楽から聞く者が自分自身を深く見つめなおして、弱り今にもばらばらになりそうな心を再構築することが可能な時、音楽は人を救うことが出来ると言えます。音楽の持つ力とは、聞き手と作り手の両方の条件が揃って最大の力を発揮するのではないでしょうか。そして聞き手の人生に深く関わることが出来た時、音楽の作り手は初めて自分たちのやってきたことの本当の収穫を得る・・・
では音楽に「人を救う」力はないのか?人が出口の見えないデッドエンドにいる時、精神的に落ち込んでいる時、そのまま悪化する人と回復する人の差を分ける理由の一つに「音楽」が存在することもあるという仮定。それは音楽自らの力だけではなく、聞き手に音楽に自己投影をして自分自身を見つめなおすことが出来きるかどうかの違いなのではないでしょうか?それが歌謡曲でもハードロックでも、ジャズでも童謡でも何でもいい。傷ついた敏感な心でその音楽から何かを得ること出来るかどうか、その人のアビリティ、それがあるかないかで音楽のもつ「人を救う力」は生かされもするし、死にもする。実際、音楽でなくても、人に感動を与え、ポジティブに生きる力を与えてくれる物は他にも存在します。それは本であり、映画であり、旅行かもしれないし、ペットかもしれない。しかし音楽には特別な利点があります。
音楽の持つ利点とは?一つは本や映画より解釈の範囲が広いのではないかと言うこと。あなたが好きな音楽を聞いている時、その曲に歌詞があればその意味を知りたくなる。その歌詞が明確に何かを伝えようとする目的を持っていなくても、あなたが何かを必要としている時かならず、その中に重要な意味、自分の状況に関わる何かの意味を見つけようとするのではないでしょうか?U2がいい例です。彼らの音楽はポジティブで聞くものに勇気を与える音楽であると思っている方も多いと思います。が、歌詞を見ると、人生に関してのこうあるべきだ、という具体的なことは何一つ歌っていない。With Or Without You等、なんだか曖昧でどっちつかずな歌詞も多いのです。しかし、彼らの音楽は沢山の人を引き付け、感動を与えることはご存知の通りです。聞き手は彼らの歌詞に、特別な何かを見出しているはず。
悩みを抱え、一人で引きこもり、誰にも会いたくない音楽好きのあなたは、間違いなく何度も何度もお気に入りのバンドやミュージシャンの特定の曲を聴くに違いありません。内に篭る様々な感情は、外に発散されない代わりに、聞いた音楽の歌詞を深く考察することによっていったん分解され心の中で再構築される。そのプロセスには歌詞だけではなく音楽の持つ原始的な要素、リズムや肉声のヴォーカルといった音声的要素も関わっていると私は考えます。
では、歌詞はあまり重要ではないのか?あるいはアーティストの生き様や、音楽や人生に対する考え方や発言は?明確に「ポジティブ・シンキング」を打ち出した歌詞は、判り易いでしょう。判り易いと言うことはより多くの人に明確にメッセージを伝えると言う点では有利でしょう。が、私は、歌詞より重要なのは作り手と聞き手の境界の低さと作り手のもつ経験の重み、つまり「同士感」とでも表現しましょうか、この曲を作っている、演奏しているあるいは歌っているこの人も自分と同じなのだ、いや、もっと辛い人生を経験していると思わせる要素があることが大きな+のポイントなのではないかと考えています。例えばビリー・ホリディやマリア・カラス。歌っている曲はただのラブソングであっても圧倒的な素晴らしい歌声に加え、彼女らの歩んできた人生の重みが滲み出る。お金では買えないし、もちろん付け焼刃では不可能な、耳から入ってくるリアルタイムの滲み出る人生の重み。映画や書物では、この重みは出せないのではないかと思うのですが・・・また、前述のU2に代表されるカリスマ性も重要な要素。その人の持つ人間的魅力が聞くものに感銘を与え、力を与えるのではないでしょうか。
そのようなアーティストとその音楽から聞く者が自分自身を深く見つめなおして、弱り今にもばらばらになりそうな心を再構築することが可能な時、音楽は人を救うことが出来ると言えます。音楽の持つ力とは、聞き手と作り手の両方の条件が揃って最大の力を発揮するのではないでしょうか。そして聞き手の人生に深く関わることが出来た時、音楽の作り手は初めて自分たちのやってきたことの本当の収穫を得る・・・
難しいテーマですね。
同じテーマを考えて事がありますが、結論が出ないで終わりました。
色々考えさせられながら読ませていただきました。
>音楽の持つ力とは、聞き手と作り手の両方の条件が揃って最大の力を発揮するのではないでしょうか。
これはライヴで感じると、本当にその通りだと思いますね。
同じ空間にいるあのときこそ、音楽の最大の力を発しているのかもしれません。
音の中でも人の声って独特な気がします。
他の楽器にはないパワーが潜んでいるのかもしれません。
だから、音楽って辞められられないです。
前の記事のことでスイマセン。
昔の曲もやりたいのですが、結構世界が難しいです。
でも、機会があったらやりたいと思っております。
では、また。
>難しいテーマですね。
>同じテーマを考えて事がありますが、結論が出ないで終わりました。
難しいです。私の結論は個人的意見でしかありません。
ミュージック・セラピーなんていうものとはまた違う、「音楽の力」ってなんだろう、
昔から考えたことのあるテーマではあります。
先日Rock'in OnのGerardインタビューを読み直したときに、ライターの言葉に
「救世主」とか「救う」って言葉が多用されているような気がしました。
そこからいろいろ考えだして、いきなりこの記事を一気に書き上げましたが、
もっとよく練ったほうがよかったかもと思っています。
>同じ空間にいるあのときこそ、音楽の最大の力を発しているのかもしれません。
ライブはいろいろな要素が合わさって、相乗効果ですよね。
肉声だし、本人だし(笑)、
その人物のもつ「オーラ」みたいなものの効果も凄いのかな。
>昔の曲もやりたいのですが、結構世界が難しいです。
Three Cheersの曲なんて、面白そうなのが一杯ありますよね。
でも深く掘り下げると、確かに難しいかも!
それでは!
気分によって色々聴き分けて、楽しんじゃってるだけとゆーめちゃ軽い姿勢です。(笑)
歌詞とかもあんま読まないです。基本的に音や歌を楽しむだけかなぁ。そんな感じでもいいっすよねぇ??
でも、僕も知らない間に音楽に救われてんのかも。
pointdpo様ってやっぱ頭良いのですね。
パフュームの感動(爆)さめきらないptdです。
音楽は気楽に聞けばいいんですよ。聞いて気分が良くなればね。
私はなんでも難しく考えたがる癖があるので。(仕事以外!)
落ち込んだときに好きな曲聞くと、ちょっと元気がでませんか?
>でも、僕も知らない間に音楽に救われてんのかも。
そうですよきっと!
音楽、とは音を楽しむと書くんですよね♪
なるほど、頷きつつ、自分とは少し違うなと思いつつ真面目に読ませて頂きました。
私は殆どいわゆるヴィジュアル系と呼ばれているバンドのはしりと言われている人たちまで遡ってしまってる状態ですが頭より先に体が動いてしまうのはクセですね^^
音楽は人を救う事は出来なくても支えになったり側にいてより添ってくれる存在にはなりえるかなと思いました。
私は何でも小難しく考えるタイプなんで、もちろん音楽は聴いて楽しめばよいのですよね。考え方は人それぞれでいいとおもいます。私も普段は楽しく聞いてます~
落ち込んで誰にも会いたくない、何も出来ない引きこもり状態の時、私は「わらをもすがる」ってやつで音楽にすがるんです。一種のセラピーみたいな物かなあ、って・・・そういう場合の効能はなんなのだ?と。
音楽で何かを変えたいっていうのは社会派と呼ばれるPUNK/ALTERNATIVE系の一部のアーティストの命題でもあります。音楽の持つ力って?んじゃどこまでそれが出来るの?って難しいところです。
>頭より先に体が動いてしまうのはクセですね
踊っちゃうってことですか!