I'm Not There(2008)
有名なシンガーソングライター、ボブ・ディランを6人の俳優がそれぞれ"演じる”フィクション映画。型にはめられるのが嫌いで自在に変化してきたボブ・ディラン、そんな彼の数々の現実のエピソードをふんだんに交えて展開する実験的ファンタジー。彼の作り出す小宇宙(音楽や歌詞のみならずビジュアルイメージやコンセプト、言動まで含めたひとつの世界)、その中では時間も人種も、性別さえ意味が無く、登場人物6人はマルチ・レイヤーで個々に独立するかのようでいてどこかで繋がり境目がない・・・カーニバルの道化師の様に異なる仮面を被っているものの、6人はディランという同じ人物の化身なのですから。
アメリカ訛で熱演クリスチャン・ベイル。熱血反体制的ソングライター。
詩人ベン・ウイショー。パヒュームの変態青年ですね!!
これは純粋に彼の世界に誘発された想像世界で、なにか結論を求めたり、ストーリーの辻褄を合わせたりする映画ではなく、夢の中の断片のように各イメージを楽しめばいいと思います。私は彼のファンではありませんが、思ったより退屈しませんでした。詩的な言葉の遊びやイメージの遊び、想像力を刺激するちょっとしたカット(カーニバルや見せ物小屋、ふわふわ空中に浮く人間)の豊かさに加えて、ディランの曲をYo La Tengoなどいろいろなアーティストがカバーしたものが新鮮。ませた少年マーカス・カール・フランクリンの歌う「船が入ってくるとき」がとっても素敵です。ケイト・ブランシェットは若い頃のディランにそっくりですし、クリスチャン・ベイルは凄い熱演で人格まで変わったかの様。ヒース・レジャーのエピソードは唯一現実的でシリアスな、この映画の中では異質な気がしました。が、そのシリアスなエピソードで散漫になりがちのファンタジー部分とのバランスを取っているのかもしれません。
スターミュージシャンのケイト・ブランシェット。しょぼしょぼ顔がボブ・ディランそっくりですね・・・
繰り返し出てくる「カーニバル」「見世物小屋」や「ビリー・ザ・キッド」というキーワードは彼の歌詞に特有のキーワードなのでしょう。中でも時代も場所も不明の、ハロウィーンの奇怪な仮装に身を包む村人と動物園から逃げ出した動物たちが混在する村、リドル。リドルとは「なぞなそ」という意味もあります。町広場で行われるステージの上には棺おけに入った女性、顔白塗りで半分泣きそうな顔のJim Jamesが歌う「アカプルコへ行こう」。木から吊るされている人形は本当は少年の死体。かなりシュールです。
顔白塗りで半分泣きそうな顔のJim Jamesが歌う「アカプルコへ行こう」。アウトローのリチャード・ギアのエピソード。
この映画に答えはありません。ディランとは何者なのかを教えてくれる映画ではなく、意味のないことがつまり意味があることなのだ、なにかに意味や定義を見つけようとする事は無駄なのだという、考えれば考えるほど謎に包まれる正体のないボブ・ディランその人のような謎の映画。
有名なシンガーソングライター、ボブ・ディランを6人の俳優がそれぞれ"演じる”フィクション映画。型にはめられるのが嫌いで自在に変化してきたボブ・ディラン、そんな彼の数々の現実のエピソードをふんだんに交えて展開する実験的ファンタジー。彼の作り出す小宇宙(音楽や歌詞のみならずビジュアルイメージやコンセプト、言動まで含めたひとつの世界)、その中では時間も人種も、性別さえ意味が無く、登場人物6人はマルチ・レイヤーで個々に独立するかのようでいてどこかで繋がり境目がない・・・カーニバルの道化師の様に異なる仮面を被っているものの、6人はディランという同じ人物の化身なのですから。
アメリカ訛で熱演クリスチャン・ベイル。熱血反体制的ソングライター。
詩人ベン・ウイショー。パヒュームの変態青年ですね!!
これは純粋に彼の世界に誘発された想像世界で、なにか結論を求めたり、ストーリーの辻褄を合わせたりする映画ではなく、夢の中の断片のように各イメージを楽しめばいいと思います。私は彼のファンではありませんが、思ったより退屈しませんでした。詩的な言葉の遊びやイメージの遊び、想像力を刺激するちょっとしたカット(カーニバルや見せ物小屋、ふわふわ空中に浮く人間)の豊かさに加えて、ディランの曲をYo La Tengoなどいろいろなアーティストがカバーしたものが新鮮。ませた少年マーカス・カール・フランクリンの歌う「船が入ってくるとき」がとっても素敵です。ケイト・ブランシェットは若い頃のディランにそっくりですし、クリスチャン・ベイルは凄い熱演で人格まで変わったかの様。ヒース・レジャーのエピソードは唯一現実的でシリアスな、この映画の中では異質な気がしました。が、そのシリアスなエピソードで散漫になりがちのファンタジー部分とのバランスを取っているのかもしれません。
スターミュージシャンのケイト・ブランシェット。しょぼしょぼ顔がボブ・ディランそっくりですね・・・
繰り返し出てくる「カーニバル」「見世物小屋」や「ビリー・ザ・キッド」というキーワードは彼の歌詞に特有のキーワードなのでしょう。中でも時代も場所も不明の、ハロウィーンの奇怪な仮装に身を包む村人と動物園から逃げ出した動物たちが混在する村、リドル。リドルとは「なぞなそ」という意味もあります。町広場で行われるステージの上には棺おけに入った女性、顔白塗りで半分泣きそうな顔のJim Jamesが歌う「アカプルコへ行こう」。木から吊るされている人形は本当は少年の死体。かなりシュールです。
顔白塗りで半分泣きそうな顔のJim Jamesが歌う「アカプルコへ行こう」。アウトローのリチャード・ギアのエピソード。
この映画に答えはありません。ディランとは何者なのかを教えてくれる映画ではなく、意味のないことがつまり意味があることなのだ、なにかに意味や定義を見つけようとする事は無駄なのだという、考えれば考えるほど謎に包まれる正体のないボブ・ディランその人のような謎の映画。
おおお~~早速ご覧になったのですね。
ptdしゃまは結構楽しめたようですね、よかったよかった。
ワタシも見終わった後にプログラムを読んで、あ~~なるほどな~~って思える部分が沢山ありました。
もう一度観たら、また違った目で観ることが出来そうな気がします。
でもやっぱりディランという人の正体はわからないまま終わるでしょう。
ディラン本人にだって自分の正体がわかっているかどうか疑問ですよね。
6人のディランを演じた俳優たちの演技は見物でしたね。ワタシ個人としてはベイルが演じているというより「そのもの」になっているように見えて感動したなあ・・・。
でもこういう映画ってDVDになったら買うべきか悩んでしまうんですよね。
TBしていきマス。
早速見てきました。
BSでやってたスコセッシのディランのドキュメンタリー(これが超長い、3時間半)をみたおかげで、かなり理解度が増しました。
>でもやっぱりディランという人の正体はわからないまま終わるでしょう。
その通りだと思います。結論は「やっぱりコイツは謎だ」って事ですね。そういう意味ではあっぱれな映画です(笑)。
>ワタシ個人としてはベイルが演じているというより「そのもの」になっているよう
いやあ本当にびっくりしました。あのゴスペル?のシーンは鳥肌でしたね。歌ってる?本当に?この人凄いなあって思いました。迫力がねぇ。目がいっちゃってましたね。
>DVDになったら買うべきか悩んでしまうんですよね。
うーん私はもう一度見てもいいと思いますが、DVDは買わないでしょうねぇ。何度でも見て楽しい映画じゃないですしね。
TBありがとうございました~
この映画も観たい!
ボブ・ディランは全く聴いたことないんですが、
そんな私が観て楽しめますか~?
知らなくても音楽系の映画は好きなんですが。
私のとこでは6月14日から上映予定です…遅い!
リドルってなぞなぞって意味なんですねw
古いブリティッシュ・ポップ、ニック・カーショウの
「The Riddle」を思い出してYou Tubeで聴いてしまいました♪
ボブ・ディランとは全くかけ離れた音楽聴いてたもので…(^^;)
ボブ・ディランを良く知らない方々には不評のようで残念です。私の場合なまじ中途半端な知識があったので、予備知識を持たない方々の感想は想像するしかなかったのですが・・・
>なにか結論を求めたり、ストーリーの辻褄を合わせたりする映画ではなく、夢の中の断片のように各イメージを楽しめばいい。
という意見、同感、嬉しくなりました。
結局、「だからどうなのよ」っていう映画ではありましたから・・・
大事なお休みの日ですか?
こっちは雨ですけど、そちらは大丈夫ですか?
>ボブ・ディランは全く聴いたことないんですが、
>そんな私が観て楽しめますか~?
ラルフさんだったら大丈夫かも。
最初から「ストーリーは無い!」ものだ、と思ってみれば、
大丈夫です。
私もディランは昔一応聞いてみたけどあんまり好きになれなかったのですが、楽しめましたからね。
ニック・カーショウ、私が「リドル」の意味を知ったのはこのPVですかかね~!ほら、PVも箱にでかい「?」ついてませんでした?
懐かしいねぇ。
いらっしゃいませ~!
>ボブ・ディランを良く知らない方々には不評のようで残念です。
>予備知識を持たない方々の感想は想像するしかなかったのですが・・・
映画としてみると、ストーリーが無いですからね。
ストーリーのある映画が「映画」で、ディランの事を知らない、あるいはあの辺の音楽全般に興味が無い人には辛い映画でしょう。
でも実験映画としてはなかなか面白いと思いました。
PVを繋ぎ合わせたようなって言ってもいいですしね。
世の中もっと訳の分からないつまらない実験映画、ありますもん。
>結局、「だからどうなのよ」っていう映画ではありましたから・・・
結論ないですからね!
ではではTBありががとうございます。
ご存じなんですね!!!
嬉しい~♪あの曲は好きでよく聴いてました。
?マークありますねw
私の中ではかなり印象に残るPVでした。
どんどん画像が変わっていって、面白かったですね。
あの曲以外は知らないなあ。
「つっまんねー」と思う人がいるのも理解できる映画なんですが、私もこの映画は斬新で新鮮でした。
理解しようとしちゃいけない映画なのかな?と。そこが面白くもあるのですね。