ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

ソラリス(2002)

2006-02-06 01:38:50 | 映画:SF&ファンタジー
Solaris(2002)

ジョージ・クルーニーとSFの組み合わせが、気になっただけで、ほとんど内容を知らずに見た映画。最近見た映画の中では、異色の秀作でした。SFの形を取っていますが、哲学的な要素の強いファンタジーなのでは無いでしょうか。ソ連1970年代の映画のリメイクとのこと、オリジナルを見ていないので・・

クルーニーはこんな渋い役も出来るのだなあ、とちょっと感激しました。彼は心に傷のあるセラピスト、時代は近未来。知人から、惑星ソラリスで異常事態が起こっているので来てほしい、と要望され、1人赴きます。そしてそこで起こっている異常事態とは・・・ネタばれになるので書きませんが、惑星ソラリスの引き起こす異常現象は、私達人間の想像を超えた現象。現実なのか、それともクルー全員錯乱しているのか、すべてが夢なのか。非情に深い喪失感を心に秘めていたクルーニー演じるクリスは、その現象がニセモノだろうと夢だろうと構わなく、だんだんと精神を侵食されて行くように見えます。その行動が一種の自殺行為だと分かっていても、彼の抱えた悲しみはあまりに大きかったのでしょう。

この映画が「哲学」的だと思った訳は、この映画が、私達の「感情」「想い」「記憶」とは一体何なのかと言う事を考えさせられる映画だからです。スピルバークのAIの最後の、記憶の現実化理論と同じく、記憶とは、私達の脳細胞に宿っているのではなく、「魂」や「宇宙」といった、もっと人間や生物の根源に共通の「意識」に繋がっているものなのではないだろうか、というのがこの映画の根源にあるテーマだと思うのですが・・・映画の結末は、いろいろな解釈が出来そう。私は、惑星ソラリスとは、意識をもった生命体であり、クルーニーは惑星の意識に同化したのでは無いかと。いろいろな人の解釈を聞いてみたくなるような映画です。

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