ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

宇宙と裏庭を繋ぐ樹:ツリー・オブ・ライフ(2011)

2011-09-04 22:39:43 | 映画:ミニシアター系
Tree Of Life

厳しい父と慈愛に満ちた母、3人の息子の関係を長男の目を通して描くドラマ。家族とはなにか、人生とは何かを宇宙的視野から考える壮大かつ斬新な試み。

退屈で寝てしまった人、反対に「今まで見た映画でもベストに入る」という人まであまりに評価が分かれているので密かに期待して見に行った。一生に一度出会えるか出会えないかの映画ではなかったけど、多くの人が言う様にひどすぎる駄作でもなかった。題名Tree Of Lifeはキリスト教では良く使われる概念で生命の樹と呼ばれ、この世と天を繋ぐ樹。すべてはつながり自分たちは宇宙の一部であるというメッセージ、神(信仰)への畏敬の念がベースにある。宗教性は前面に打ち出されてはいるが、人生を宇宙の流れの一部ととらえ人生に起るすべての事は神の意志つまり私たちの意思を超えたものなのだということを、宇宙の起源や生命の誕生にまでさかのぼってみせることで、特定の宗教を持っていなくてもメッセージは理解出来ると思う。宇宙の起源や生命の誕生は映像に美しいCGを組み合わせ、音楽のみで見せるのでここで多くの人は脱落する。映画を見て導きだす答えは十人十色、私にはメッセージは理解出来たけどガツンと来る様な感動が無かった。つまりその境地に達していないという事か。最後はなぜか泣けて来て自分でもなんで泣いてるんだ?って思いながら見てたんだけど。

しかしその壮大すぎるw試みを抜きに語れば、少年の父親との関係を描いた映画としては今まで見たことがないほど素晴らしいと思う。主人公のジャック役の子は天才か?って思ったね。美しいイメージやカット、台詞の無い表情だけの演技で少年期の繊細な感情を表現していて退屈せず見る事が出来た。かんしゃく持ちで頑固な父親役ブラッド・ピットも無言の演技が良い。自分の息子を愛しているのに、不器用で息子にそれが伝わらない悲しみが伝わってくる。

ショーン・ペンは成長したジャックの役だけど、ショーン・ペンじゃなくても良かったんじゃないの?ってほど存在感薄い役ですな・・・

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2 コメント

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Unknown (nbm)
2011-09-05 09:06:00
テレンス・マリックって、寡作な監督さんですよね。
『シン・レッド・ライン』しか記憶にないんですが
とにかく美しい映像を撮る人だという印象で
この作品、密かに期待している1本です。
私にとってはたぶん、気に入る1本になるんじゃないかと思ってます。
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百聞は一見にしかず (ptd)
2011-09-05 23:55:13
nbmさま

私も密かに期待して行ったのです。nbmさんがどうこの映画を見るか、知りたいですねー!映像、美しいです。ただ、それを求めていない観客はこの映画は辛いです。映画って本当に見なきゃ分からないですよね。

・・・私には難しすぎましたよw
同じく訳が分からない系の映画なら「ミスター・ノーバディ」をお勧めしちゃうなあ!
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