
フードディレクター野村友里による、食をめぐる様々なインタビューで構成されたドキュメンタリー。食べることとは生きること、人生は「食べる旅」であるというコンセプト。この奇麗なポスターに惹かれて見に行く事を決めました。
「あなたの食事の最初の記憶はなんですか」「一番印象に残った食事は」といった質問に、画家や俳優、一般の人たちが答える。著名人や食材を扱う職業、自給自足の生活をする主婦などのインタビューを通して、私たちにとって食べることの意味を再確認させてくれる映画。
人生は食べる旅である、という表現は面白い。食べている時が一番生きている事を実感できる、日々愛する人と食事できるのは人生の幸せであるということに私たちは感謝すべきだという話も共感できる。しかし食べるという行為に哲学性や精神性まで求めるのなら、自給自足以外にももっと掘り下げるべきテーマはあると思う。食べる行為は、命の循環、エネルギーの循環、それは宇宙の、全ての物に繋がるエネルギーの循環。異論を唱えるつもりは無いが、最後に現れるさりげない説教臭さがこのドキュメンタリーを反対に陳腐な物にしてしまっているのが残念。
かつて読んだ辺見庸の「もの食う人々」は、世界各地で出会った人々の「食べる」にまつわるルポタージュだった。そこには崇高な哲学的考察は無い。ただ一般人の、それも沢山の問題と悲しみを抱えた人たちの、食に関するエピソードだけ。なのにそこにあぶり出される彼らの悲しみや歓び、複雑に入り交じった感情・・・食べるという行為に関係する人々の記憶を辿り、紡ぎ、彼は私たちに食べることこそ人生そのものであると語る事無く語って見せた。そんなマスターピースと、このドキュメンタリーを比べても仕方の無いこと。ただ、良いドキュメンタリーとは結論を文章や言葉で語らなくても"作品自身"に語らせることができるはず。
まあ、映画最後のご飯がやたら美味しそうなのが見所ですか・・・
「あなたの食事の最初の記憶はなんですか」「一番印象に残った食事は」といった質問に、画家や俳優、一般の人たちが答える。著名人や食材を扱う職業、自給自足の生活をする主婦などのインタビューを通して、私たちにとって食べることの意味を再確認させてくれる映画。
人生は食べる旅である、という表現は面白い。食べている時が一番生きている事を実感できる、日々愛する人と食事できるのは人生の幸せであるということに私たちは感謝すべきだという話も共感できる。しかし食べるという行為に哲学性や精神性まで求めるのなら、自給自足以外にももっと掘り下げるべきテーマはあると思う。食べる行為は、命の循環、エネルギーの循環、それは宇宙の、全ての物に繋がるエネルギーの循環。異論を唱えるつもりは無いが、最後に現れるさりげない説教臭さがこのドキュメンタリーを反対に陳腐な物にしてしまっているのが残念。
かつて読んだ辺見庸の「もの食う人々」は、世界各地で出会った人々の「食べる」にまつわるルポタージュだった。そこには崇高な哲学的考察は無い。ただ一般人の、それも沢山の問題と悲しみを抱えた人たちの、食に関するエピソードだけ。なのにそこにあぶり出される彼らの悲しみや歓び、複雑に入り交じった感情・・・食べるという行為に関係する人々の記憶を辿り、紡ぎ、彼は私たちに食べることこそ人生そのものであると語る事無く語って見せた。そんなマスターピースと、このドキュメンタリーを比べても仕方の無いこと。ただ、良いドキュメンタリーとは結論を文章や言葉で語らなくても"作品自身"に語らせることができるはず。
まあ、映画最後のご飯がやたら美味しそうなのが見所ですか・・・
切り口ひとつで、語る内容が変わってしまうのもわかります。
それでも、この作品は観てみたいな。
今年書いた記事の中で、自分の中での音楽というものが
思い出とあまりリンクしていないことに気づいたのですが
考えてみると、私には”おふくろの味”だとか、”もう一度食べたい○○”などというものもないような…。
音楽と同様に、自分の中では、叙情的な物事と食べ物は切り離されている感覚かも。
そんなことを考えてしまいました。
なんちってな。
今年もたくさん楽しませていただきました。
良いお年をお迎えください!
これは邦画?ですよね?初耳ですw
私は大人のくせに好き嫌いが多いんですよ~
食に纏わるトラウマが多いんです。
でも実際に食べ物に困ったことはないから
ありがたさを実感したことはないのかも。
好き嫌いなんて贅沢な話しですよね~
今日は食べ過ぎてしまいました!
では、来年が良い年でありますように…
豊穣な食文化を持つフランスにいても、“食べる”ことの難しさを感じます。また、食が文化の基本柱のひとつであることも痛感。
この手のドキュメンタリーが説教臭くなっちゃうのは仕方ないかもしれませんが、帰国したら一度観てみたいと思います。
この一年がptdさんにとって素晴らしいものになりますように。
今年もよろしくお願いしましま!
>切り口ひとつで、語る内容が変わってしまうのもわかります。
そうなんですよ。悪いドキュメンタリーじゃないです。食に興味の有る人は、見て損は無いと思います。
>考えてみると、私には”おふくろの味”だとか、”もう一度食べたい○○”などというものもないような…。
>音楽と同様に、自分の中では、叙情的な物事と食べ物は切り離されている感覚かも。
私は反対に、音楽も食べ物もしっかり思い出に結びついてしまうタイプ。
泣きながら食べたあの夕ご飯、とかね。
ではでは!
好き嫌い多いですか。
私は多いのか少ないのか自分でよくわかりません!
自分じゃ何でも食べられると思うんだけど、
実際には「これは嫌だ」「これはまずい」とか文句が多いらしいです・・・
>食に纏わるトラウマが多いんです。
>でも実際に食べ物に困ったことはないから
>ありがたさを実感したことはないのかも。
そうですよね。
食に困った、なんてねえ・・
無いですよね。
一度困ってみるとありがたさが判るんでしょうけれど。
ダイエットでひもじい思いをするくらいが関の山ですね~!
開けましておめでとう~!
今年もよろしくお願いします!!
もうすぐ渡仏一年ですか?早いですね。
今日の名古屋は雪が積もってていい天気です!
>“食えなくなること”がどんなに悲惨か、また反対に“食えること”の幸せを腹の底から理解いたしましたです、はい。
腹の底から理解なさったとは凄いです。
この飽食の日本では、普通だったらなかなかありがたさが判らないですよね。
私も頭では判っているのですが・・・
>食が文化の基本柱のひとつであることも痛感。
特にフランスってそんな先入観があります。
食を楽しむ文化というか。
>この手のドキュメンタリーが説教臭くなっちゃうのは仕方ないかもしれませんが、帰国したら一度観てみたいと思います。
なにか言いたくなっちゃうんでしょうね。
最後にね。
私も判るんですよ、その気持ちは・・・
でも最後に着飾ってみなでごちそうを食べるシーンで終わるんですけど、なんか違うなあ、と違和感を感じたのです。
私がひねくれ者だからでしょうねえ!
ではでは!