ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

下町ショコラはちょっぴり塩味:幸せはシャンソニア劇場から(2009)

2009-09-30 21:40:54 | 映画:ミニシアター系
Faubourg 36(2008)

あの「コーラス」の監督&ジェラール・ジュニョ&お子様マクサンス・ペランが揃った、パリの劇場を舞台にした、一口で食べてしまうのが惜しい可愛いショコラみたいな可愛くてちょっぴりほろ苦い下町ドラマ。だからといって「コーラス」の2番煎じなどではなく、音楽とエンターテイメントの持つ華やかな魅力と下町の人間模様を職人芸で見せてくれる第一級の人情ドラマ。こういう映画を作らせたら、フランス人は凄いです。

1936年世界大恐慌下のパリ。下町の小さなシャンソニア劇場で働くピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は、妻に逃げられ、その上劇場は経営不振のため閉鎖されます。酒びたりになった彼を支えるために得意のアコーディオンを弾いて通行人からお金を貰う息子のジョジョ(マクシミリアン・ペリン)。しかしジョジョは警察に捕まり、ピゴワルはジョジョと離れ離れに。ピゴワルはジョジョを取り戻すために、シャンソニア劇場を再建することを決意します。



頑固なダメオヤジを演ずるジェラール・ジュニョの熱演に貰い泣きし、イケメンじゃないけど男気のあるミルー役のクロヴィス・コルニアックにだんだん情が移り、そして無垢で子供らしい愛らしさのマクシミリアン・ペリンのけなげさにまたまた涙!可愛すぎですね~!


こんな息子を取り戻すためだったら、おとーさん頑張るのも納得だわ!

簡単に予想の付きそうなストーリーも、警察署でピゴワルの殺人の自白から始めて謎を持たせ、ハッピーエンドであるべき最後の場面もひとひねり。「クキキキキーッ!」と歯軋りしたいくらい憎い演出でございました。


そして一番印象に残ったのがこの爺さんラジオ男!

「コーラス」もこちらも、見れば幸せな気持ちを抱きしめて家路につくことができる、抱き枕のような映画です。

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