作り物っぽいのにリアル：かいじゅうたちのいるところ(2010)

Where the Wild Things Are(2009)

「マルコビッチの穴」のスパイク・ジョーンズ監督、モーリス・センダックの絵本を原作にしたファンタジー。モーリスの絵本は持っていますが、この原作は読んでいません。かいじゅうのイメージが可愛いかったので期待しすぎたのか、何一つ感情移入出来ぬまま見終わる羽目に・・・

母と姉と暮らすマックスは、かまってもらえない寂しさから母親を怒らせ、かいじゅうたちのいる国に家出します。そこで王様扱いされたマックスは、彼らとともに自分の王国を作ろうとするのですが、かいじゅうたちは次第に仲間割れをし始めます。

大人のためのファンタジー？子供向け？そこのところよくわからないけれど、かいじゅうの可愛くないけど妙にリアルでそれでいて噓っぽい作りは一見の価値あり。鼻水出てたり、可愛くないところが「可愛い」。特にヤギのかいじゅうが良いね。しかしそれ以外に褒めるべきものが私には見つかりませんでした。わがままなマックスがかいじゅうたちと暮らすうちに、自分が自分の家族にした過ちに気づく、そんなファンタジーなのでしょうけど・・・私は正直、平均より涙もろく、感動しやすい性格です。が、私にとってこの映画に欠けていたのは、主人公マックスの感情表現だと思います。彼の複雑な感情は丹念に描かれていたでしょうか？先日見たPIXARの「カールじいさんと空飛ぶ家」の少年ラッセルの方がずっとほろりとさせられたりしてね。この映画で感動出来た人は私より感受性が強いのでしょう。


この人の絵大好き。