
Control(2008)
1980年に23歳の若さで自殺した伝説のバンドJoy Divisionのヴォーカリスト、イアン・カーティスの短く苦悩に満ちた数年を、自らも大ファンであるフォトグラファー&音楽ドキュメンタリー監督で有名なアントン・コービンが初監督した映画。前評判通りただの伝記映画に終わらず、彼らの音楽性とそれを生み出したイアンの歌の背景にあるものを伝えてくれる音楽ファン必見の映画。
マンチェスター近辺の田舎町で育ったイアン(サム・ライリー)は、ワーズワースの詩を諳んじ、デヴィット・ボウイやイギー・ポップの好きな青年でした。若くして結婚し、職業安定所で働く彼は、友人と始めたバンドJoy Divisionが瞬く間に有名になるに従い、妻デビー(サマンサ・モートン)との不仲や恋人との浮気、てんかんの発病、そして有名になっていく事への不安と重圧に自らをコントロールできなくなっていきます。

イアン・カーティス役のサム・ライリー。眼力凄いです。女の子みたいに奇麗な顔の青年。
自らの苦悩と不安を糧に曲を生み出していくイアン。だからこそ彼の曲はあれほど迫力があり、聞くのが辛いほどだった。血の出るような苦悩を歌にする、それこそ身を削って作った曲だったから。彼は自ら命を絶とうとする時、激しく泣きます。それは悲しみの涙ではなく、怒りの涙だったのではないでしょうか。この解決方法しか選べない自分への怒り、ふがいなさ、そして哀れみ。

モノクロなんですけど、それがまたいい感じです。
私がJoy Divisionをきちんと聞いたのは実は今世紀になってから。それまでPVの病弱そうで暗そうなイアンの歌う姿や、彼らの持つ「何か強迫観念のようなもの」が怖くて躊躇っていました。しかし友人の家で聞いたアルバムに思わず「これ誰?」と聞いてしまいましたね。現代のバンドと何ら遜色の無い、しかも際立った迫力にもっと早く聞けば良かった、と後悔したのです。実際今でも影響を受けているバンドは多いですし。

あまりにも有名なジャケット。そういやMCRのマイキーがこのTシャツ着てたね~
この映画を見て、"Love will tear us apart "の意味が分かりました。それまで「どうして愛が”引き離す”のかなあ」と疑問に思っていましたが。彼が自殺した事は見る人は知識として知っていても、その苦悩を彼の曲の背景まで踏み込んでみせたこの映画は凄いと思います。見終わった後CDを買いたくなるような映画です(たぶん)。
Transmission(本物のJoy Division)
Control (映画の予告編)
1980年に23歳の若さで自殺した伝説のバンドJoy Divisionのヴォーカリスト、イアン・カーティスの短く苦悩に満ちた数年を、自らも大ファンであるフォトグラファー&音楽ドキュメンタリー監督で有名なアントン・コービンが初監督した映画。前評判通りただの伝記映画に終わらず、彼らの音楽性とそれを生み出したイアンの歌の背景にあるものを伝えてくれる音楽ファン必見の映画。
マンチェスター近辺の田舎町で育ったイアン(サム・ライリー)は、ワーズワースの詩を諳んじ、デヴィット・ボウイやイギー・ポップの好きな青年でした。若くして結婚し、職業安定所で働く彼は、友人と始めたバンドJoy Divisionが瞬く間に有名になるに従い、妻デビー(サマンサ・モートン)との不仲や恋人との浮気、てんかんの発病、そして有名になっていく事への不安と重圧に自らをコントロールできなくなっていきます。

イアン・カーティス役のサム・ライリー。眼力凄いです。女の子みたいに奇麗な顔の青年。
自らの苦悩と不安を糧に曲を生み出していくイアン。だからこそ彼の曲はあれほど迫力があり、聞くのが辛いほどだった。血の出るような苦悩を歌にする、それこそ身を削って作った曲だったから。彼は自ら命を絶とうとする時、激しく泣きます。それは悲しみの涙ではなく、怒りの涙だったのではないでしょうか。この解決方法しか選べない自分への怒り、ふがいなさ、そして哀れみ。

モノクロなんですけど、それがまたいい感じです。
私がJoy Divisionをきちんと聞いたのは実は今世紀になってから。それまでPVの病弱そうで暗そうなイアンの歌う姿や、彼らの持つ「何か強迫観念のようなもの」が怖くて躊躇っていました。しかし友人の家で聞いたアルバムに思わず「これ誰?」と聞いてしまいましたね。現代のバンドと何ら遜色の無い、しかも際立った迫力にもっと早く聞けば良かった、と後悔したのです。実際今でも影響を受けているバンドは多いですし。

あまりにも有名なジャケット。そういやMCRのマイキーがこのTシャツ着てたね~
この映画を見て、"Love will tear us apart "の意味が分かりました。それまで「どうして愛が”引き離す”のかなあ」と疑問に思っていましたが。彼が自殺した事は見る人は知識として知っていても、その苦悩を彼の曲の背景まで踏み込んでみせたこの映画は凄いと思います。見終わった後CDを買いたくなるような映画です(たぶん)。
Transmission(本物のJoy Division)
Control (映画の予告編)
自らは破滅していきながら、何かを生み出していく人。
そういう人に特有の凄みってのがありますよね。
自らの身を削って音楽にしてしまう。文字にしてしまう。
凡人の自分には想像もつかないことだけど、自分で自分をもてあますなんて…。
悲劇的でありながらも、どこか憧れてしまうのですよねぇ。
いつも楽しく拝見してます。
好きな音楽がとっても似ているとゆうか、
ほぼ同じ くらいの勢いでかぶっているので、
とっても楽しんでます。
特に、The Hosiersの記事なんかを楽しみに。笑
アルバムは輸入版(赤にしました♡)を
買ったのにも関わらず、
先日 日本版まで買ってしまいました。
プライスレス!
この映画、先月観ました。
私が生まれる前に亡くなってしまっているので、
New OrderもJoy Divisionも
何度か聴いたことはあるけれど、
彼のことは名前すら知らなかったです。
でも サム・ライリー、
ライブシーンの演奏も本人がしていると聴いて
びっくりしたくらい、本当にすごい・・・。
彼の死は、
”天才だから”とゆうより、
”若かったから”というような感じがしました。
誰もが経験する心の苦しみが、
きっと才能と歌で身を削ることで
倍増されてしまったんだろうな、と。
なんとなく、そんな感じで見てました。
これ、彼の実の娘のナタリーも
ライブシーンのお客さんとしてちょこっと
映っているそうですね。
なんかこういうのって、素敵ですよね。
しかし、観てる映画まで
よくかぶっててびっくりです。笑
>Joy Division…名前を聞いたことがあるな、くらいの認識でした。
私昔はそうでした。でも聞いてみるとこれがなかなかいいんです。
かっこいい音というんでしょうか。
たとえばKASABIANなんかは明らかにJoy Division風なところがありますし。
この映画も彼らの音楽の「かっこよさ」を余すところ無く伝えてくれます。
しかしこの映画、とても重いんですよね~
>自らの身を削って音楽にしてしまう。文字にしてしまう。
そうですよね、ゲージュツ家ってそうでないといけないのかな…
なにかを創造するって大変なことなんですよね・・・
>いつも楽しく拝見してます。
ありがとうございます。音楽と映画が被っているって嬉しいです。
趣味が近いのでしょうか?
>特に、The Hosiersの記事なんかを楽しみに。笑
連中の話題はわりと皆読んでくれるみたいで嬉しいです。
笑いのネタには困らないバンドですよね~
そういや4月にプロモ来日の話はどうなったんでしょ?!
>先日 日本版まで買ってしまいました。
あのジャケットは日本だけなんでしょうね。派手です。
中も違うのかなあ・・・
>私が生まれる前に亡くなってしまっているので、
↑映画と音楽は被っても年齢は被っていないことが判明(笑)。
でも私もイアン・カーティスはほとんど知らなかったんですよね・・・
サム・ライリーは本当に熱演でした!
>彼の死は、
>”天才だから”とゆうより、
>”若かったから”というような感じがしました。
そうですね、あまりに変化が急で、精神的にも未熟だったのでしょうか。
あのまま音楽をやらずに職業安定所で働きつづけたら
それなりに普通に暮らしていたのかも。
映画を見終わってからもいろいろ考えちゃいました。
仰るとおり、人生経験を積めば彼の苦悩は回避できたのかもしれませんね。
>これ、彼の実の娘のナタリーも
>ライブシーンのお客さんとしてちょこっと映っているそうですね。
知らなかったです・・・
それでは!!
でも、こちらでの上映はなさそう…
あったとしてもDVD化直前なんですよね~
Joy Divisionは聴いたことないんです。
映画をきっかけに聴きたくなることを期待してます。
予告編観てみたんですけど
サマンサ・モートン本人出演なんですね?
奥さんだったって知りませんでした(ノД`)
これ見たい!って私も思ってました~!
見れて本望ですよ。
DVDでも十分いいとおもいますよ。
きっとアルバム欲しくなります。
重い映画なんですけどねぇ。
この主人公のサム君は本当にバンドのヴォーカルだそうです。10000Thingsだったかなあ~?知らないなあ~
>サマンサ・モートン本人出演なんですね?
本人です。がんばって若い役!ちょっと太めでかわいいです。
お隣にね、若いカップルが座ってたの。で、サム・ライリーがイアンそっくり(実際ホントにそっくり!)に歌うパフォーマンス・シーンで、『ぷぷっ』って笑うのよ。
まあね、確かに彼らのような若い世代はジョイ・ディヴィジョンなんて知らんだろうし、イアンのパフォーマンスも、恐山のイタコのように見えるかもしらん。しかし笑うこたないだろ…と、おばちゃんは思ってしまいましたよ(笑)。
ニュー・オーダーになって、バンドがダンス・サウンド化してからは、あまり聴かなくなりましたが、「アンノウン・プレジャーズ」は結構聴きました(遠い目)。歌詞を追っていると、当時情緒不安定だった私が、なぜか開放感を覚えていたんですねえ。
イアンって代弁者なんですよ。若者の陰鬱な気持ちを代わりに吐き出してくれているというか。イアンが大勢の若者の代弁者になれたのは、やはり彼自身がどうしようもなく不幸だったからなんでしょう。その代償が彼自身の破滅だなんて、かなり気の毒な気もしますが…。
TBしますた。
そうですか、ワカモノが笑ってましたか。そりゃ気に障りますでしょ。イタコ・・・うむむ近からず遠からず。「降りてきてる」感は同じものがあったかもしれませんね。私もかつてあのパフォーマンス見て引いてしまっていた人の一人でしたからね・・・
>その代償が彼自身の破滅だなんて、かなり気の毒な気もしますが…。
苦しみも悩みもない人には、共感を呼べる歌詞がかけないのでは、と断言してはいけないのでしょうけれど、少なくとも生きた言葉って「創作」しようと思ってもできるもんじゃないと思います。それこそ血イ出るような創作だったんでしょうねぇ。それしかなかったんでしょうね。
なんだか悲しいです・・・
TB、させて下さいね~!できるかな?w