学祭が行われていた母校の公開イベントで司会を頼まれていました。
昨年は一参加者として、会場で対話と箏の演奏を楽しみましたが、今年は司会者ということで、のんびり堪能・・・というわけには行きませんでしたが、出演者や関係者の方々と深く知り合える機会に恵まれ好運でした。
リーダーシップがテーマで、ゲストは筝曲家のNさんと、クルーザーを運航する某社のN社長。お二人とも女性。
この大学院のプログラムで取り上げている「リーダーシップ」というのは、一般的によく言われる「指導者」とか「誰かが先頭に立って人を引っ張る」という捉え方ではなく、ある人の言動が他人に共鳴を与え、互いに共鳴しあうことによって、なんらかの求心力が生まれる・・・といった感じでしょうか。
あまりうまく表現できませんが・・・。
筝曲家のNさんは4歳から箏を始め、今では世界的な箏プレイヤー。
これまでの様々な経験に基づいて「共鳴」ということについて語ってくださいました。
箏の演奏一つをとってみても、「演奏家(自分)」、「他の演奏家」、「箏」、演奏をする場所の「環境」、「聴衆」、それら様々な共鳴があって初めて素晴しい演奏が実現する。
いくら演奏家が気持ちよく演奏をしても、聴衆が気持ちよいと思っているとは限らない。押し付けの演奏になっていないか。
今日の観客の「気」。それは一人ひとり異なる気と、その総和としての会場全体の気がある。その気にあわせた演奏を贈る心がけ。
乾燥した会場、逆に湿度の高い会場。
外の騒音が漏れてくる会場。
海外遠征で疲れた箏。
などなど、それぞれ毎回コンディションが変わるわけですが、その時々で、みんなにとって気持ちよい演奏を届けるために心がけていること。それは、毎回自分を「空(から)」にすることなのだそうです。
自分を空にすると、見えないものが見え、聞えないものが聞えてくる。
アクシデントがあった時も、冷静に対応できる。
主張が激しい他の演奏家や、他の楽器と合奏をするときも、その場での自分の身の置き方を冷静に判断して、演奏に専念することができる。
「無の境地」というのでしょうか。
頭で理解できても、なかなか実践できることではないと思いますが、プロになるほどの努力と経験を重ねたNさんの口から語られる話は、彼女の演奏と同じく、す~~っと身体の中に浸透してくるから不思議です。
すっかりファンになってしまいました。
もうお一方のN社長も、とにかく懐が深くて、人懐っこくて、おもしろい方で、すぐに魅了されました。
仕事が大好きで、心から仕事を楽しんでいらっしゃることが伝わってきました。
「クルーザーにお客さんを呼び込む」というよりも「自宅に人を招いて喜ばせる」という感覚なんだなぁ~と感じました。
イベントが終わって、出演者と関係者で食事に行きました。
筝曲家のNさんは次の移動があって残念ながらご一緒できませんでしたが、N社長と、今回の企画者N先生、工学部のM先生、名誉教授で某私大学長のT先生と私の5人の食事会でした。
今週二度目のイタリアン
ここで紹介されたM先生は、やり手の若手研究者(といっても私と同級生)で、既に教授。
6年前から方々でお名前を伺っていたので、「いつか機会があればきちんとお会いしたい」と思っていた人でした。
非常に楽しくお話になる方で、電気工学が専門とはいえ、仏教やグルメや心理療法などにも深い関心がおありで、本当におもしろおかしかった
M先生は、人脈をうまく広げて、それをうまく活用している人だということが分かりました。
T先生は他学部の先生ということもあり、在学中にご挨拶を交わした程度でしたが、今回食事をご一緒して、そのお人柄を良く知ることができました。
N先生から依頼されたお仕事を引き受けたきっかけで、昨日一日で素晴しい人4人にも出会えました。
「5月は人と出会う運がある。
その人との出会いが自分を大きく成長させてくれる。
まめにコンタクトを取って。」
よく当たると言われる、WOWOWの番組ガイド5月号の占いにそう書いてありました。
ほんと、よく当たるんです、このガイドの占い。
というわけで、昨日の出会いを大切にしたいと思います。