裏劔から、小窓王、チンネを経て、劔頂上へ。
剱岳北方稜線の踏破という史上最大のアドベンチャーを目指した今年の山行だったが・・・・
夕方に仕事を終えた後、サンダーバードに乗って一路富山へ。
冷房なしの家に慣れた体に、ビジネスホテルの冷房はきつく、
軽く風邪を引きつつ、翌朝、室堂へ。
鼻水を垂らしながら、剣沢へ。
ガスの中近づいてくる源次郎尾根や八ツ峰の岩壁はさすがの迫力。
剣沢に着くと、山岳警備隊の詰め所で、剣沢雪渓が猛暑のため崩壊の危険があるので、
通行不可だと言われる。「巻き道を探して何とか通過できるでしょ・・・」
と話しても、左右はスラブ状の岩壁なので、ほんとに通行不可です!
そこで何かあっても私たちでも救助にも行けないです!と、だいぶきつめに念をおされる。
気力、体力万全なら、それでも「その場まで行って自分で判断しよう」
とするところだが、鼻水が止まらない身に、そんな気力もなく、剣沢小屋に泊。
その夜。代替案を考える。長次郎谷を詰めるルートも上記の理由で不可。
別山尾根のノーマルルートは前登ってるので却下。
別山を経て立山への縦走も前やってるので却下。
薬師や水晶への縦走は日程が足らず却下。
こんなことなら最初から違う山域にしときゃよかったなあ・・・・
やる気をなくして、談話室にあった「北斗の拳」を読みふけり、就寝。
翌朝。結局、大妥協案として、裏劔と同様に劔の展望が素晴らしい奥大日岳に登り、
いったん扇沢までアルペンルートで下りて、針ノ木岳に登ることにする。
2日目はきれいに晴れる。昨日は見れなかった劔の全容を眺め、それに背を向け出発。
奥大日への道は、北は白馬から、南は槍・穂高まで素晴らしい眺望を楽しめました。
目指す奥大日はなかなか立派な山容だ。
奥大日岳登頂!そしてそこからの劔は、「劔」らしいかっこいい山容でした!
室堂へ下り、アルペンルートで、観光客にもまれながら、扇沢を目指す。
が、登山以上にこの「観光客にもまれる」という行為に消耗する。
そして、扇沢についてしまうと、そんな一般ピープルに、真の冒険者としてのハートは
打ち砕かれ(おまけに鼻水は相変わらずとまらない)、扇沢の食堂でカレーを食べながら、
もう一度、針ノ木へ登る気力がうせてくる。もともとそんなに魅力を感じてる山
ではないので、「ここから、もうひと頑張りするより、大町の温泉に入って、特急しなのに
乗って、ビール&駅弁コースの方がいいな。」とふと思う。
ふと思ったが最後、結局日程を早めて、そのまま下山。
真の冒険家への道はまだまだ険しい軟弱な夏山となりました。