写真は、戸建の確認会で撮りました。写したところは、2階のバルコニーです。ご覧頂きたいのは、バルコニーの手すり壁で、矢印で示している戸当たりゴムです。確認会に先立って行われた内覧会では、この戸当たりゴムは付いていませんでした。
この戸当たりゴムを付けた理由は、ドアを開けた際に、ドアの取っ手が壁にぶつかるからです。ぶつかれば、ドアの取っ手も壁も傷みます。ぶつかるところにゴムを付ければ、緩衝材になりますので、当たっても問題はありません。一戸建ての場合、写真のような状況は、稀にあります。内覧会で、状態を見て、気になる場合には、売主に対し、上記のような対策をしてもらうことをお勧めします。(12.4)
写真は戸建ての内覧会で撮りました。写したところは、2階の上にあるグルニエの壁にある点検口のカバーを開けて、屋根裏の部分です。本来であれば、下に断熱材と書いてあるものが、点検口のカバーの裏面に垂直に設置されていなければなりません。点検口のカバーは薄いので、その裏に断熱材を置き、室内を断熱する必要があります。
点検口のカバーを開けて、屋根裏の断熱材の状態を確認しようと思ったら、写真のように倒れていたのです。これでは、断熱材の意味がありません。工事中に、作業員が屋根裏に入って、出る時に、ちゃんと断熱材を点検口の裏面に戻さずに、点検口カバーでふさいでしまったわけです。断熱材と言うのは、フトンのように家の中全体をすっぽりと包み込むようになっていなければなりません。これでは、穴の開いたフトンになってしまいます。(712)
写真は戸建ての内覧会で撮りました。2階の天井に設置してある点検口のカバーを開けてみたところです。開けた理由は、天井裏の断熱材の敷き並べてある状態を確認したかったからです。カバーを開けてみたら、断熱材が写真のようになっていました。ここには厚さ100㎜のグラスウールの断熱材が敷かれていますが、これでは、断熱材を何のために置いたのか、全く意味を成しません。断熱材は、家の中を隙間なく、すっぽりと包み込むようにしておかないと断熱の機能を発揮しません。写真の状態では、あってもなくても、同じです。
一般に、内覧会の時点では、屋根裏の断熱材の状況まで確認することは少ないでしょう。だからこそ、売主側には、このようなところは念入りに施工してもらいたいものですが、残念ながら、現実はそうでもありません。戸建ての内覧会に行きましたら、是非、天井裏に付いている点検口のカバーも開けて、中も確認してみて下さい。確認するのが、難しいようでしたら、売主に対し、「もう一度屋根裏の断熱材の状態を見て下さい」と言えば良いです。こういうところは、お住まいになったら、まず、ご覧になるところではありませんので。(4823)
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戸建の内覧会に行きましたら、手すりの固定具合もチェックしてみて下さい。結構、頼りない手すりもあるものです。チェックの方法は、手すりを写真のように握って、体重を支えるぐらいの力を掛けて、押したり引いたりしてみます。これぐらいの力でグラツクようでは駄目です。体重を掛けても、ビクともしない、こんな感じであればOKです。
このようにチェックしてみて、頼りない感じであれば、売主に指摘して、しっかりと金具を固定させるように補修を依頼して下さい。手すりは、階段以外にも、玄関、お風呂、トイレなどにも設置されることが多いです。このような手すりも、同じような方法でチェックしてみて下さい。身体を支えてくれる手すりが抜けてしまったら大怪我をすることもあります。(91)
写真は一戸建ての内覧会で撮りました。写したところはキッチンのレンジフードの上部のパネル(これを幕板と呼びます)を外して中の部分です。通常は、レンジフードの上部は幕板があるので、中を見ることはできません。内覧会ですので、この幕板を外してもらっています。外してもらった理由は、レンジフードのダクト(排気する管)の周りにちゃんと断熱材が巻いてあるのかを確認したかったからです。
ここで、こういうこともあるんだと驚きましたが、断熱材はあるのですが、しっかりとダクトの周りに巻いて固定せず、ただ、置いてあるだけです。ですから、ダクト本体が見えています(黄色の矢印部分)。これでは、何のための断熱材か分からなくなってしまいます。一戸建ての内覧会では、出来れば、レンジフード上部の幕板も外してもらって、ダクトの周りにちゃんと断熱材が張ってあるかも確認した方が良いでしょう。(73)
写真は注文戸建ての内覧会で撮りました。写したところは、2階の天井裏、つまり屋根の下になります。ここの屋根の下の断熱は、ブローイング(吹き込み)工法となっています。ブローイングとは、グラスウールやロックウールをチップ化したものを、空気で吹き込んで、雪のように堆積させて断熱させるものです。隙間なく一様に断熱材が施工されるのが特徴です。
ここのブローイング断熱の仕様は、グラスウールで厚さは300㎜となっています。2階の天井の点検口を開けて、中を見ましたら、写真の状態になっていたわけです。真ん中に見える2本の木材は、天井を吊っている野縁受けと言われるものです。ですので、野縁受けの下は、すぐに天井になっています。この状況では、断熱材がほとんどなくなっているわけです。
こうなってしまった理由は、ブローイング工事を実施した後に、工事関係者が屋根裏を歩く必要が生じて、雪かきのように部分的にかき分けてしまったからです。かき分けてしまったなら、本来は、元通りに直しておかなければなりませんが、うっかりしてしまったのでしょう。屋根裏ですから、点検口をふさいでしまえば、まず見るところではないので、分からなくなってしまいます。内覧会では、点検口も開けて、屋根裏の断熱材の状態を確認すべきです。(7123)
写真は、戸建の内覧会でレンジフード上部のカバー(幕板:まくいた)を外した状態です。レンジフードの排気ダクトの断熱材の状況を確認するために、幕板を外させました。中を確認しますと、断熱材は隅から隅まで巻かれているし、壁との取り合いも気密テープが貼られていますので、これでOKとなりました。
通常、レンジフードのダクトは、亜鉛鉄板製で直径15㎝のスパイラルの丸ダクトが使われます。アルミのダクトは高温になるため使用されません。消防法では、熱源がガスであれば、排気ダクトを周りから10㎝以上離すか、金属以外の特定不燃材料(例えばロックウール)で50㎜(認定工法の場合は50㎜以下でも可)以上で巻くことと定めています。
戸建の内覧会では、レンジフードの上部の幕板も外して、中の排気ダクトの断熱材の状況も確認した方が良いでしょう。写真のように、しっかりと断熱材そして気密テープが貼られていれば良いでしょう。そして、売主に、断熱材の仕様と厚さも聞いてみて下さい。断熱材の巻き方が不十分だったり、気密テープが貼られていない場合には、その旨指示すれば良いです。また、熱源がIHの場合には、消防法では規定はありませんが、熱を使うこと、将来ガスに変える可能性もあることなどから同じように断熱しておいた方が安全と思います。(12.9)
写真は、戸建の内覧会で撮りました。写した場所は、キッチンの床下収納のカバーを開けて、床下と基礎の部分です。上部の方から、床下の断熱材、床を支える横材、横材を支えている鋼製の束、そして、べた基礎のコンクリートとなっています。こういう所を見ると、床下断熱材の様子、床下がきれいか、見えないところにも神経を使っているか、建築業者の姿勢が分かります。
戸建の内覧会に行きましたら、床下収納のカバーを開けて、収納箱を持ち上げて、中をのぞくだけでも良いので、見て下さい。チェックするポイントは、断熱材がきれいに貼られているか、コンクリート基礎の表面が乾いているか、ゴミなどが散乱してないかなどです。コンクリートの上の多少の汚れなどは、指摘する事はありませんが、万が一、断熱材がはがれていたり、床下が濡れているような場合には、業者に指摘して下さい。
蛇足ですが、床鳴りなどが出た場合には、写真に写っている床下の鋼製の束の長さを調整して直します。また、床下は換気が悪いので、子供が中に入って遊ばないようにして下さい。(0920)
写真は、一戸建ての内覧会で撮りました。写した部分は、脚立に上って、天井とレンジフード上部の間です。よくご覧頂くと、天井に四角い穴が開けられているのがわかります。この穴は何のために開けたものなのか、定かではありません。恐らく、レンジフードからの排気ダクトを天井のここから抜こうと思って、開けたものと思います。でも、実際は、壁から抜くことになって、この穴は不要になったのでしょう。まさに、開いた口がふさがらない!です。
不要になったら、この天井に開けた穴はふさいでもらわないと困ります。この穴は、普通にキッチンに立っても見ることはできません。脚立に上がって、レンジフードの上部を覗き込めばわかります。こういうのを見てしまうと、床下とか天井裏とか、見えない部分の仕上がりが気になってきます。