写真は中古マンションの内覧会で撮りました。この部屋の購入を考えた人は、現在の住まいから近かったこと、1階で小さな庭があったこと、値段も手ごろであったことです。条件は自分の考えに合ったのですが、専門家から見てどうだろう?ということで、私に検査を依頼してきました。
私が中古マンションを検査する場合は、特に、構造的な状態を確認します。内装や設備はリフォームをすれば、専有部に関しては、ほとんどが更新出来ます。でも、マンションの場合、構造的な欠陥は、ほとんどが共用部で鉄筋コンクリ―になりますので、補修するのが不可能に近いと言えましょう。
このマンションの構造体も鉄筋コンクリートで作られています。写真の部屋は、洋室ですが、天井の斜め方向にクロスが破れています。クロスが破れている原因は、クロスの内側の床スラブ(床を支えている鉄筋コンクリート)にひび割れが生じているからです。この天井はクロスの直貼りです。つまり、二重天井ではなく、鉄筋コンクリートの床スラブの底面に直接クロスを貼っています。床スラブはこの上の階に住む人、そして生活に必要な品々の重さを支える構造体です。そこにこのようなひび割れが入っては、構造体としての性能は相当に落ちてしまいます。私は、この部屋を購入すべきではない、と伝えました。(36)
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戸建ての内覧会に行きましたら、手すりの固定具合もチェックしてみて下さい。結構、頼りない手すりもあるものです。チェックの方法は、手すりを写真のように握って、体重を支えるぐらいの力を掛けて、押したり引いたりしてみます。これぐらいの力でグラツクようでは駄目です。体重を掛けても、ビクともしない、こんな感じであればOKです。
このようにチェックしてみて、頼りない感じであれば、売主に指摘して、しっかりと金具を固定させるように補修を依頼して下さい。手すりは、階段以外にも、玄関、お風呂、トイレなどにも設置されることが多いです。このような手すりも、同じような方法でチェックしてみて下さい。身体を支えてくれる手すりが抜けてしまったら大怪我をすることもあります。(91)
写真は、マンションの内覧会で、お二人が力を合わせて、リビングの床をチェックしているところです。内覧会で、部屋の中に入ったら、何を、どこから、どのように見ていけば良いのでしょうか?ほとんどの人は、一生に一度ですから、慣れているわけでないので、どうしよう?となります。内覧会とは、家の内側をご覧頂く会となりますが、買主としては、「完成したか、契約通りになっているか検査しよう」という心構えが必要となります。契約と異なること、不具合、このような箇所は内覧会で出来るだけ指摘しなければなりません。
従い、内覧会では、買主が納得できるまで、時間をかけて、部屋の隅々まで見てみることが最優先となります。一般に、内覧会の際は、売主が一緒にいる場合が多いです。一緒にいると、気が散って、部屋の中のチェックが充分でなくなる場合が多いです。ですので、「家族だけでゆっくりと見させて下さい」と売主に頼んでみて下さい。そして、家族だけになったら、お住まいになったつもりになって、全ての部屋をチェックしてみることです。
全ての部屋を見る場合には、起点を決めて、例えば、リビングから見出したら、時計回りでも、反時計回りでも、一部屋ずつ、集中して、つぶしていくと良いでしょう。そして、1周したら、もう1周、今度は反対回りでチェックすることをお勧めします。反対回りにすると、気がつかなかったことに気がつく、ことがあります。それから、玄関の外、バルコニーのチェックもお忘れなく!(06)
写真はマンションの内覧会で撮りました。この部屋の洗面所には、手洗い器が2ヶ所並んで設置されています。朝の忙しい時など、手洗い器が2ヶ所あれば便利です。
さて、ここでご覧頂きたいのは、タオル掛けです。手前の手洗い器には、写真には、写っておりませんが、タオル掛けが右側の壁に設けられています。でも、向こう側の手洗い器の壁には、タオル掛けがありません。このままの状態では、向こう側の手洗い器で手を洗ったら、濡れた手を拭くためには、こちら側に手を持ってこなければなりません。これでは、折角、朝の忙しい時に、並んで顔を洗うことが出来ても不便でしょう。
手洗い器が2ヶ所あれば、やはり、タオル掛けも2ヶ所設置すべきと思います。手洗い器とタオル掛けは切れない関係にありますから。内覧会では、これでは不便と言うことで、売主に向こう側にもタオル掛けを付けてくれるように要求したところ、売主も納得しました。(939)
写真は戸建ての内覧会で撮りました。写したところは、屋外にある給湯機の下の部分です。基礎の立ち上がり部分に穴を開けてパイプを通し、床下を伝わって水が来て、給湯器に入ってお湯となり、また床下を通って家の中に運ばれます。
ここでご覧頂きたいのは、白い←の部分です。右側の穴の周りはコーキングでちゃんとふさがれていますが、左側の←で示した穴の周りはふさがれていません。これでは、雨や虫が入って来てしまいます。右側はちゃんとしていて、左側は忘れてる、ちょっと理解に苦しみますが、こういうこともあります。(6826)
人は生まれる所も親も選べません、人生の始まりは運命次第です。そこから生きていく道のりの中で、いろいろな巡り合わせがあります。様々な人生の道を歩んだ後の、次の世界のことをぼんやりと考えてみました。
中国やエジプトの、かつて王様だった人のお墓の中には、大勢の付き人がいます。日本でも埴輪は、死んでも寂しくなかろうと死後の道中のお付の人達なのでしょう。こういう過去の偉い人たちは、自分が生きたように、また、未来も生きて行きたいと願うものなのでしょう。
でも、死んでしまったら、全く、別のものになってみたい、という気持ちもあります。今の自分、家族、友人、そして一緒に遊んでくれる人達、みんな大事だし、生きがいもあります。でも、こういう状況が未来永劫続くのもどうだろう?そうなったら楽しいのかな?と考えてしまいます。
人生振り返ってみて、今後も考えてみると、今の自分でないもの、今の環境から離れた存在、こうなってみたい、このような気持ちも心の中にあるような気もします。自分が望んできたようには生きて来れなかったし、こういう自分が、いつまでも続くのは、ちょっと待って、とも思ってしまうので・・・
写真は、マンションの内覧会で洗面室を撮ったものです。ご覧頂きたいのは、洗面台の両脇の壁です。何かあるべきものが無いのに気が付くでしょうか?あるべきものが付いていない、そのあるべきものとは、タオル掛けです。本来は、鏡に向かって右側の壁の付箋が貼ってある位置に取り付けられているはずでした。
洗面台横のタオル掛けは、建売戸建住宅の場合には付いていない場合もあります。でも、マンションの場合には、ここにタオル掛けが設置されないことはありません。それでは、何故、ここにタオル掛けが無いかと言いますと、単純に付け忘れです。内覧会までには、売主側でも、何度も部屋の確認を行いますが、このような事もあるのです。
内覧会に行きますと、部屋の作りやキズ汚れなどに目が行ってしまい、このような細かい事項は見過ごしがちになります。出来れば、洗面所の水も出して、手を洗って、そうすればタオル掛けが無いことに気が付くでしょう。従いまして、内覧会では、そこのお部屋にお住まいになった気持ちになって、水が出るところは出してみて、確認すると良いでしょう。(912)