マンションの内覧会に同行させて頂いた方から、メールを頂きました。「おかげ様で、満足した生活を送っております。でも、どうしても、気になる点があります。それは洗面台のタオル掛けの位置です。私の部屋のタオル掛けの高さは、洗面台から45㎝です。少し、大き目のタオルを掛けると、写真のようにタオルの下が洗面台に付いてしまいます。これって、どうにかならないものでしょうか?」このような内容でした。
このメールを頂いて、私は、「5㎝ほど上げるのは可能です。ただ、ビスの穴が開いているので、跡が残ってしまいます。それを気にしなければ、売主に相談してみたらいかがでしょう」と返事をしました。5㎝と言った理由は、タオル掛けを取り付けるために、ここの部分に幅15㎝、程の下地材がクロスの下に取り付けられています。通常は、ビスを下地材の真ん中に取り付けるので、5㎝ぐらいであれば、上にずらすことは可能となるからです。
ただ、問題は、そのずらした後の、クロスのビス穴の補修です。穴の跡があっても良い、と思えるなら良いですが、新築のマンションの部屋ですから、ちょっと考えてしまいます。結局、写真の部屋の方は、そんなことも考えて、移動するのは止めにしました。モデルルームに行きましたら、洗面所のタオル掛けの洗面台からの高さも測ってみて下さい。普通のタオルの長さは約80㎝ですので、少しずれると、45㎝以下では、写真のように洗面台にタオルが付いてしまいます。お子さんが小さい時は、ちょっと使いづらいですが、洗面台から60㎝の位置が良いでしょう。
写真はマンションの内覧会で撮りました。場所は洗面所、左側はバスルームとなっています。ここでまずご覧頂きたいのは、洗面台下のタオル掛けです。時々、この位置のタオル掛けを見かけますが、この位置は使いにくいです。やはり、洗面所のタオル掛けは、洗面器の右か左の壁にあった方が使いやすいです。理由は、写真のタオル掛けの場合、手に付いた水滴が床に落ちる、手を拭く時に腰を曲げなければならない、それと、掛けてあるタオルに洋服が触れるのもイヤです。
次にご覧頂きたいのは、バスルームの外側の壁のどこにも、バスタオル掛けがないことです。マンションの場合、通常、バスタオル掛けはバスルームの扉に付いています。でも、それがありません。なぜバスタオル掛けがないのか、売主の担当者に聞いてみました。「バスタオル掛けは要らないでしょう。私の家では使ったら、すぐに洗濯機に入れます」との返事でした。
そういうケースもあるでしょうが、バスルームの外側には、最低でも1箇所バスタオル掛けが必要と思います。でも、現実にはバスタオル掛けが付いていないマンションも、稀ですが、あります。モデルルームに行きましたら、タオル掛けやバスタオル掛けの有無や位置もチェックして下さい。このような細かい点でも、自分で付けたり直したりするのは、壁の下地の有無や位置等で、結構面倒なものです。こういうところは、とにかく、便利さが最優先です。何しろ、毎日、家族が使うものですから。(89)
マンションの内覧会で部屋に入り、買主の最初の言葉が、「アレ!キッチンがオープンじゃない!」でした。それはびっくりするのも無理ありません。部屋に入るまで、オープンキッチンとばかり思っていたからです。
写真のように、オープンキッチンとばかり思っていたところには、大きな壁があって、キッチンはクローズになっています。買主の方は、マンションを買う際には、キッチンはオープンにしょうと思っていたのです。そして、このマンションを見つけて、契約時にもらったパンフレットの写真も、モデルルームも、全てオープンキッチンなっていたので、購入を決めました。こういう場合は、どうすれば良いのでしょうね?
内覧会で、売主にこの点を指摘すると、「この部屋はモデルルームとタイプが少し異なっています。ですので、このタイプの部屋につきましては、パンフレットの上部に、クローズキッチンと書いております」との説明でした。パンフレットでそのページを開くと、確かに上に小さくクローズキッチン、と印刷してあります。小さくても、このような記載があれば、契約と異なる、とは主張できなくなります。
モデルルームの仕様は、自分が選んだ部屋のタイプとは異なる場合が多いですし、間取り図だけから、壁の状態を把握するのは困難でもあります。特に、キッチン周りは、カウンターなのか壁なのか、同じように表記されるので、注意が必要となります。勘違いしないようにするためには、分かりにくいところは、間取り図にマーキングしておいて、売主に確認しておいた方が良いでしょう。(87)
写真は、モデルルームでキッチンで高さを確認するため、実際に立ってみているところです。モデルルームに行った際のチェックポイントをご紹介致します。
1.空間を感じる
パンフレットの図面は2次元で平面しか描けません。3次元の部屋としての空間を感じ取るのはモデルルームです。モデルルームでは、生活する上での間取りと空間を同時に意識することがまず大事となります。オプション類に気を取られず、飾りのない素顔の部屋を見抜かねばなりません。
2.担当者に何でも聞く、大事な点はメモしておく
通常、売主の担当者が、一緒に回って説明してくれます。ここでは、不明な点は残さないように何でも聞いてみる、そして、後々の為に大事な点はメモしておくと良いでしょう。ただ、担当者も良いことしか言いませんし、専門的な事は意外と知らないこともあるので、確認すべき大事な点は後日回答してもらう。
3.無料のオプション類は、そこでイメージを掴む
フローリングやクロスの色、ドアや取っ手の種類、キッチンや洗面台の高さ、無料オプションがある場合があります。モデルルームでそれらの感じを体験しましょう。これらを後で変更するには、多くのお金がかかります。
4.要所の寸法や面積を測っておく
間取り図に大事なところの寸法を書き込んでおくと良いでしょう。例えば、廊下の内法、冷蔵庫や洗濯機置場の奥行きと幅、バルコニーの奥行き等。また、収納率だけでなく、それぞれの収納の実容積を確認しておくことも大事です。
5.設備機器の種類を確認
トイレ、システムキッチン、洗面台、レンジフード、バスルーム、物干し金物、これらの設備の仕様と使い勝手を確認しメモしておくと良いでしょう。例えば、システムキッチンの幅、トイレやバスルームの手すりの有無等です。
6.細かい箇所は、スマホやデジカメで撮っておく
その他細かいところは、記憶も曖昧になりやすいので、内覧会で問題となる場合が多いです。何でも細かい箇所も写真に撮っておくと良いです。(7930)
写真は、マンションの内覧会の時に、洗面台からタオル掛けの高さを測ったものです。メジャーを見て頂くと、タオル掛けの位置の高さが35㎝程しかありません。タオルの長さは80㎝程あります。高さが40㎝以下では、タオルを二つ折りした場合、タオルの端が洗面台に付いてしまうことになります。
何でこんなことになってしまったのか?これは洗面所の高さを高くしたことが原因でした。契約時、洗面台の高さは75㎝、80㎝とで選べたので、高い方の80㎝にしました。ところが、売主側は、タオル掛けの位置は、洗面所の床の高さから決めていましたので、こうなってしまった訳です。このように、オプションなどで洗面台の高さを変えた場合には、特に注意が必要となります。
洗面所のタオル掛けの高さは、洗面台の上から、50㎝以上はあった方が良いでしょう。55~60㎝が一番良い高さと思います。それぐらいあると、タオルが多少ずれても洗面台に接することは少なくなります。最近は、写真のようなリングタイプが多くなってきています。洗面所のタオル掛けは良く使うので、リングタイプよりもフラットタイプの方が、タオルが乾いて良いな、と思います。モデルルームに行きましたら、タオル掛けのタイプ、洗面台からの高さ、これらをご確認下さい。(7827)
モデルルームに入ると、音楽が流れ、オプション類で素敵に飾られています。こんな部屋に住みたい!きっと誰でもそう思うことでしょう。それもそのはず、売主も部屋を購入してもらう為に必死ですから。でも、モデルルームでは、全てを冷静に見ることが必要となります。
マンションのパンフレットの平面図を見ても、空間のイメージをつかむのは難しいものです。空間を具体的に見せてくれるのがモデルルームです。自分の生活を思い描いて、オプションに気を取られるより、家族が住む上での生活空間や動線を意識することが先ず大事となります。
このマンションにしよう!となるためには、面積、作り、値段、場所、通勤、教育などなど、あらゆることを考え抜いて、最後に決めることになります。でも、通常は実際の自分の部屋を見ることは出来ません。契約する際の手立てとなるのは、広告、パンフレットとモデルルームだけです。従いまして、広告やパンフレットの記載事項とモデルルームの仕様は、売主と買主との契約条件となります。契約条件ですから、建物が完成して、内覧会が実施される際には、広告やパンフレットそしてモデルルームとの相違点は、当然、不具合として、指摘の対象となります。折角、モデルルームという分かりやすい空間を売主が作ってくれているので、ここのマンションと決めたら、モデルルームの細部に到るまで、丹念に隈無く見ておいた方が得、ということになります。
隅々まで見ておこうと思っても、内覧会までの時間もありますし、忘れてしまうことも多くなります。従い、モデルルームに行く際は、デジカメ、メモは必需品です。デジカメを使って、ポイントは何でも撮っておくことをお奨めします。また、売主との話の大事な点もメモしておくと、後で助かることがあります。(92)
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この状態が、左の写真です。確かに、この棚の下に、お風呂のフタが収まれば、具合は良いです。もし、この棚を4㎝上げた場合、フタの収まりは良くなりますが、問題は、既に空いているビス穴の処理です。お風呂ですから、壁にも湯水がかかります。また、現場で穴を空けられるか、という点もあります。これらの点を売主と協議し、結論として、現状のままとなりました。
私も勉強になったのは、お風呂のフタを、お風呂に入っている時に、どこに置いておくか、という点です。お風呂のフタには、写真のようなクルクル式とパネル式とがあります。パネル式の場合は、お風呂に入っている際に、立てかけておくスペースが取られています。でも、クルクル式の場合には、お風呂に入っている時に、フタを置いておくスペースが確保されていないケースが多いです。モデルルームに行きましたら、このような点もチェックしてみて下さい。
写真はマンションの内覧会で撮ったものです。撮ったところは、洋室内のクローゼットです。ご覧頂きたいのは、クローゼット内の上下のハンガーパイプです。床から天井近くまでのクローゼットになっていますので、高さが2.1m程あります。2mを越しますと、男性のスーツでも、上下に掛けることが出来ます。そうすると、倍の量の洋服が掛けられるようになるので便利です。
この上下に2箇所のハンガーパイプも気に入ったのですが、更に良い点があります。それは、下のハンガーパイプは取り外しが出来るようになっています。わかり難いのですが、ハンガーパイプの端(矢印部分)です。上のハンガーパイプは差し込むソケットで、下のパイプはパイプを載せるタイプのソケットになっています。つまり、下のパイプは取り外しが出来るようになっているわけです。
こうなっていると、上には洋服を掛けて、下にはパイプを外して収納箱を置くことも出来ます。 間取り図だけからは、こういうものは確認できません。モデルルームに行きましたら、平面的なことだけでなく、立体的な作り、そして、このような細かい点もチェックして下さい。(1.11)
写真は、マンションの内覧会で洗面台を撮りました。この洗面台、良く考えてる!と思いました。気に入った点は、洗面ボールの奥に排水口があること、そして、その上に石鹸置きがあることです。石鹸置きは、格子状になっていて、手を洗った後、濡れた石鹸水は下の排水口に流れていきます。格子状の石鹸置きは、外せることが出来るようになっていて、掃除がしやすくなっています。
洗面台は、使いやすいことが第一ですが、掃除しやすい、汚れにくい、これらも大事と思います。特に、使って濡れている石鹸のアワの処理は気になるところです。石鹸が濡れていても、そのまま、アワは下に落ちていきますので、汚れにくいし、掃除もしやすいと思います。モデルルームでは、細かいことですが、このような点も確認して下さい。因みに、この製品はINAX製でした。(11)
洗面化粧室には、使いやすさ、明るさ、清潔さ、それから雰囲気も夢も欲しいところです。ここでは使いやすさ、について考えてみます。まず、洗面台の幅ですが、少なくても1mは欲しいものです。内訳は、洗面器の幅が60㎝、そして、左右に20㎝のスペースということになります。また、洗面台の高さは、一般的には75㎝、でも最近は高くなる傾向で80㎝以上、90㎝もあります。子供のことを考えると低い方が、となりますが、子供は成長するので、将来を考えると、80㎝以上、高めの方が使いやすいと思います。
また、タオル掛けの位置は、洗面台の上から、55㎝以上あれば理想的です。タオルの長さは約80㎝ですので、位置が40㎝では、二つに折ると、洗面台に付いてしまいます。タオル掛けは、好みもありますが、リングタイプよりも、折らないで掛ける長い方が、タオルも乾きやすいと思います。そして、手を洗って拭く時に、床に水滴が落ちないように、洗面台の中に収まっている方が、良いでしょう。
また、正面の鏡も洗面化粧台から天井まであると、空間が明るく広く感じられます。三面鏡の裏側は収納になっている便利なタイプが多いです。鏡の裏にミラーヒーターがついて曇らなくしてあるものもあります。それから、洗面室に必要なのはリネン庫です。ここにはタオル、下着、それから洗剤、シャンプーなども保管できます。リネン庫の有無、使いやすさ、容量、結構ここで差が出ることが多いので、モデルルームでこれらの点を確認下さい。(858)
写真はマンションの内覧会で撮りました。ここのベランダの手すり壁は、アルミの横格子となっています。子供が足を掛けて上っては危険なので、手前にそれを防止するための二重の手すり(矢印部分です)を内側に設置しています。ベランダが少し狭くなるし、邪魔な感じもしますが、子供の転落事故防止が優先します。小さいお子さんがいるご家庭では、モデルルームへ行った際には、ベランダの手すりの状態も見ておくことをお勧めします。
マンションのベランダの手すり壁には、コンクリート、ガラス、格子などなど、いろいろなデザインがあります。高層階で、ベランダに出て、足元のはるか下に、車が走っているのが見えたりしますと、足がすくむような感じがします。高層階にお住まいになる場合には、ベランダの手すりについてもチェックが必要です。
手すりで最も気を付けなければならないのは、子供の墜落事故です。その点、ガラスや格子の場合は、手すり壁を通して下の様子が見えますので、子供は手すり壁を上って、下を見ようとはしないでしょう。一方、コンクリートの手すり壁では、下が見えないので安心感はあります。でも、子供は、返って、下の景色が見たくなるので、上ろうとします。また、手すり壁の真ん中辺に横桟が入っていたり、足を掛けられるようになっているのも危険です。(812)
写真は、マンションの内覧会で撮りました。撮った部分は、キッチンのシンクの下の開き戸の丁番です。ご覧頂きたいのは、赤い矢印が付いているところです。こんな小さなものなのですが、これが大きな働きをします。これはセーフクローズダンパーと言います。セーフクローズ、要するに、バネの力を使って、扉のぶつかりを和らげる装置です。これが付いているだけで、扉を開けて閉めるときには、枠とのぶつかり音もなく、ゆっくりとやさしく閉まってくれます。ですので、高級感も出るし、気分も和らぎます。
このマンションでは、感心なことに、このセーフクローズダンパー付きスライド丁番が、キッチンだけでなく、洗面所の棚、クローゼット、玄関収納等の扉に使われていました。このような観音扉を閉めるときの音は気になります。閉める際の衝撃音は壁を伝わって隣りの家にまで響いてしまうこともあります。特に、戸境壁に面して洗面台などが取り付けられている場合には、引き出しを閉めた際のぶつかり音が隣戸へ伝わりやすくなります。
そのような状況を防ぐためにも、このセーフクローズダンパーは、小物ですが大事な役割をします。モデルルームへ行った際には、細かい点ですが、クローゼットやキッチン、洗面台の扉が、このようなダンパー付き丁番になっているかもご確認下さい。このセーフクローズダンパーはホームセンターで購入して、後から自分で付けることも出来ます。(02)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、ウォークインクローゼットです。ここでご覧頂きたいのは、「この空間が使えない!」と書き込んだ部分です。この状態では、ハンガーパイプの上の空間が使いようがありません。
奥の方にもハンガーパイプがありますが、このパイプの上には棚があります。棚があれば、この上に収納できます。でも、右側のハンガーパイプの上に、棚はありませんので、この空間が無駄になってしまっているわけです。収納スペースはいくらでも欲しいので、ハンガーパイプの上に、棚を付けてくれれば良いのに、と思います。
収納の中の構造については、関心も少ないし、分かりにくいので、状態を充分に把握していない場合が多いです。間取り図やモデルルームで、収納の中の状態、ハンガーパイプの位置、棚板の有無と位置、固定棚板か可動棚板か、棚板の枚数、これらを確認しておくことが大事となります。(18)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところはウオークインクロゼットの中にある棚です。ご覧頂きたいのダボレール(棚柱とかガチャレールとも言う)と書いてある部分です。ダボレールにダボを入れて、その上に棚板を置くことになります。
このダボレールですが、もう少し上に長いと良かったです。これでは天井まで80㎝ほどあるので、上のスペースがもったいないです。ダボの位置は上下に移動できるので、レールは天井近くまであれば、もっとスペースを有効に活用できます。マンションのモデルルームに行きましたら、収納内にダボレールが設置されている場合には、どこからどこまでレールがあるのかも確認して下さい。上の方が空いている場合には、天井近くまで伸ばして下さい、と聞いてみて下さい。(5226)
今使っている冷蔵庫が新居に入らない!これは困ります。モデルルームに行きましたら、冷蔵庫置場の幅と奥行き、そして、玄関から問題なく置場まで運べるかも確認しておいた方が良いです。
写真は、冷蔵庫置場の幅が、どうしても1㎝足りず、幅木(はばき)を両脇5㎜ずつ引っ込めて、必要な幅を確保したものです。写真をよくご覧頂ますと、幅木の出が、冷蔵庫置場とそうでない部分とは異なることが分かります。幅木の出は、冷蔵庫置場では2㎜、そうでない部分は7㎜となっています。幅木の出を両脇5㎜ずつ引っ込め、冷蔵庫置場の幅を1㎝大きくしました。
通常、幅木は内壁の石膏ボードの上に設置しますが、上の場合には、石膏ボードの下部を切り欠き、幅木を中に入れ込んだ訳です。1㎝の違いであれば、このような加工も可能です。ですので、モデルルームに行きましたら、冷蔵庫置場の幅を、下の幅木の位置で確認することが大事です。確認をして、万が一、手持ちの冷蔵庫が入らないと分かったら、売主に相談して下さい。2㎝以内の拡幅であれば、状況に応じて、工事が可能です。(102)