マンションでも一戸建てでも、和室には、化学畳と呼ばれる畳が敷かれます。化学畳とは、畳表はイ草もしくは樹脂、そして畳床(畳の芯)は発砲スチロールとファイバーボード、底にはシートを貼ったものです。畳の厚さは薄いもので15㎜、厚いもので60㎜程です。畳床を稲わらで作ったものを本畳(ほんだたみ)と呼びます。
畳のチェックの項目は、畳表の張り具合、色褪せ、色ムラ、ほつれ、畳同士の空き、段差、畳の床への落ち着き具合などです。チェックの際は、まず、畳の表面を良く見て、触れてみること、そして、上を歩いて違和感がないかを確認します。
畳表は、イ草もしくは樹脂が一般的です。表面を見ると判別できます。畳表が樹脂製ですと、工場生産ですから、品質も一定ですし、色ムラもなく、色落ちもしにくいです。一方、イ草の場合には、天然ものですから、日焼けによる色落ちも少しずつしてきます。建物の完成から内覧会までに時間が経ちますので、売主も写真のように紙のカーテンで日やけを防いでいます。特に畳表がイ草の場合には、色落ちしやすいと言えます。
いずれは、青い畳も色あせて行きますが、やはり、新築には青い畳が気持ちの良いものです。もしも、お部屋の畳が、全体的にも、部分的にも相当に色あせていたら、不具合として指摘すれば良いでしょう。このお部屋にも、確認会には真っ青な新しい畳が入りました。それを見て、もうすぐ三歳の彩音(あやね)ちゃんもバンザイです。(81)
建材で使用されている化学物質が人体に悪影響を与えるシックハウス症候群が社会問題になり、平成15年、建築基準法に以下の2つの設計条件が加えられました。
①内装仕上げの制限:化学物質の含有量に従い建材を等級化して使用制限をする。
②居室の換気設備の義務付け:居室(リビングや寝室)に給気口を設ける。写真はマンションのリビングの壁にある給気口(紛らわしいですが吸気口とは書きません)です。いくつかのタイプがありますが、この給気口は、手で押すと3段階で開いて行きます。給気口から外気を取り込み、浴室天井裏に取り付けられた換気ファン装置によって排出されます。これは、排気を強制的に機械で行いますので、機械換気と呼ばれます。
換気の能力も規定されていて、2時間で部屋の全ての空気を入れ替える、という設定になっています。ですので、部屋の大きさによって、給気口の面積は変わります。これは最低条件ですから、実際に付けられる換気ファンの能力は倍くらいあります。従い、24時間換気のスイッチを入れれば、相当な勢いで空気が入れ替わることになります。
24時間換気と言う呼び名からして、24時間365日回す、というイメージですが、冷房時、暖房時、ファンを回せば、折角の冷えた空気、あるいは暖めた空気がどんどん外へ出されてしまいます。つまり、ファンを回す為に電気を消費し、エアコンや暖房の能率も落としていることになります。また、雨の日では、湿気の高い空気をわざわざ取り入れてしまうことになります。
換気は大事ですが、窓を開けること、窓を開くことが出来なければ、給気口のカバーを開いておくだけでも、自然な換気は出来ます。24時間換気設備の設置は義務付けられていますが、使用は義務付けられておりません。節電のためにも、機械換気ではなく、なるべく自然換気を使うことも必要と思います。(09)