写真は、マンションの内覧会で撮りました。写した所は1階の部屋のテラスで、隣戸との仕切りの壁の下の部分です。ご覧頂きたいのは、この避難扉の下の隙間です。扉の下から、排水溝までを測ってみますと、18㎝あります。このぐらい開いてしまうと、小動物、例えば猫などは、この隙間をくぐってしまえるでしょう。このマンションでは、ペット可ですので気になります。法律的には、ここの隙間の制限はないと思いますので、隙間が広すぎると指摘することはできないでしょう。
しかしながら、マンションの法律である区分所有法では、マンションのテラスやベランダやルーフバルコニーには専用使用権が与えられています。専用使用権とは、資産は共用部だけども、そこに住む区分所有者が排他的に使用する権利です。排他的に専用出来る権利ですから、隣りの飼い猫が入って来れるようになっているのは、問題となるでしょう。隣りに住んでいる猫が入って来れるというのは、排他的とは言えないと思います。(11.4)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、洋室にある収納です。ここの収納には、棚があって、押入れのようにふとんも収納出来ます。ここまでは良いのですが、何とも、言いようがないのが、真ん中に設置されているハンガーパイプです(矢印部分)。
このパイプが簡単に取り外しできればまだ良いのですが、固定されてしまっています。これではふとんも上まで置けない、また、服を掛けても下の棚に接してしまいます。どう考えても、意味がなく邪魔なパイプと思います。買主と相談の上、売主に「この状態ではパイプは邪魔なので取り外して下さい」と要求しました。どう見ても設計者の意図が不明です。(81)
写真はマンションの内覧会で、キッチンのレンジフードの壁側を上から撮ったものです。このレンジフードはフラット型で、水平部分がレンジフードの上部で、垂直部分が、幕板と呼ばれる、ファンのカバーとなっています。ご覧頂きたいのは、赤い矢印のすき間部分です。
レンジフードと壁との隙間、白いシールが途中まで入っています。でも、赤い矢印からもう一つの矢印までは入っておりません。壁とのすき間を埋める白いシールは、奥の矢印の位置まで打っておいた方が良いでしょう。なぜなら、ここにゴミやホコリが溜まるからです。溜まったゴミやホコリは掃除も出来ません。
レンジフードと壁との隙間は、シールをする場合も、しない場合もあります。写真の例ではシールをしてますので、シールをするのであれば、垂直に立っている幕板までとなります。奥の幕板と壁のすき間は、中にあるファンの点検の為に幕板を外すこともありますので、シールは出来ません。内覧会に行きまして、ここのすき間にシールが打たれている場合には、脚立に乗って確認するか、脚立がない場合には、手を伸ばして指で触ってみて、ちゃんと幕板までシールがあるかをチェックして下さい。(75)
部屋の番号を確認して、静かにノックをすると、中から、「あなたー?」と聞きなれた声がしました。なんか、アテネではなく、普通に会社を終わって、家に帰った時のような感じです。ドアが開くと、寝巻きを着て、眠そうな顔のワイフが立っています。映画なら、ここでしっかりと抱擁の場面になるのでしょうが、極めて、現実的なやり取りが、続きます。「イヤー、ぐっすり寝てたよ。さっき、ホテルの人から電話があって、来ると聞いたよ・・・」眠そうな顔をして、目をこすりながらワイフは言いました。
部屋の中を見ると、壁に細いロープなんかかけて洗濯物が干してあります。そして、「北の方のペンペン草が生えている名前の難しい空港に着いて、そこから、延々とバスで来たよ。ずいぶんと田舎だったよ。道中、たくさんの羊と黒いマントを着た羊飼いを見たよ。おとぎ話に出てくるような、なんとも味がある風景だった。こういうのは普通見られないから得したよ。もう会えないと思って、明後日、成田に帰る便を予約したよ。疲れたから、お風呂に入って、洗濯して、早めに寝たよ・・・」だって。
私は、今朝の空港のストライキ、テッサロニキ空港に行ったのではないか、口ひげのおまわりさん、ミスタイプの電話帳など、いろんな今日の出来事を話しました。それらを聞きながら、ワイフは、「あっそー、そりゃー大変だったね・・・、私も疲れたよ・・・話は明日だ・・・眠くてダメだ・・・」と言いながら、目をつぶってしまいました。 私は、干してある洗濯物を見ながら、「女の人と言うのはすごいもんだな。こっちは、早朝から、もう一生会えないかもしれないなんて考えながら、どうにか探そうと必死だったのに、なんかバカみたい・・・明日起きたら、あの銀行に行ってお礼を言わねば・・・」なんて心の中でつぶやいていました。こうして、長いアテネの12月28日は終わって、外は、29日の朝がうっすらと始まろうとしています。(ワイフはどこに・・・ 完)
ホテルのフロントの男性は、親切にも、正しい電話番号をメモに書いて、私に渡してくれました。そのメモをもらって、再度、自分の部屋に戻って来ました。アテネ市内の約50あるファイブスターホテルに、一つを除いて、全部電話をしてもワイフは探すことが出来ませんでした。疲労感とあきらめの気持ちで、ベットの上に横たわり、天井を見ながら呆然としてました。 先ほど、フロントでもらった小さなメモは机の上にあります。そこにいるとは思えないけれど、まあ、今日の最後の電話をしてみよう、と思って、ダイヤルを回しました。
また、日本から来ているワイフを探していると、何度も話した同じセリフを繰り返しました。すると、電話の相手の男性が、話を聞き終わると、あなたの名前は?と聞いてきました。今まで、このような反応のある受け答えはありませんでした。 私の名前を聞き終わると、ちょっと待って、と言われました。
そこで、ひょっとして、と今までの疲労感が一挙に消え去っていきました。待つこと、数十秒・・・ 受話器の向こうから、あなたの探している女性はここに泊まっている、と聞こえてきました。私は、それを聞いて、今から、そちらのホテルに伺うので、ワイフに連絡をして下さい、とお願いしました。時計を見ると午前4時でした。 ホテルの名前と住所を確認して、私は、部屋から飛び出しました。ワイフの泊まっているホテルの名前と住所を、私の宿泊しているホテルの受付に見せて、このホテルはどの辺りにありますか?と聞いてみました。ホテルの受付の人は、これは近いよ、このホテルの斜め向かいのあのホテルだよ、とロビーの玄関のガラス越しに教えてくれました。
私は、そのホテルに向かって、早朝のアテネの街を小走りで行きました。その間、こんなこともあるんだな、朝から探しに探して、挙句の果ては、電話帳に一つ残ったミスタイプのホテルにいて、そのホテルがこんなに近いとは・・・ そこで、ふと、さっき、「お前は最も不幸な人間だ」と言った、口ひげのおまわりさんの言葉と顔を思い浮かべました。ホテルのロビーに着くと、受付の人が待っていて、「電話の人ですか、奥さんのルームナンバーはここだよ」と、微笑みながら言ってくれました。私は、エレベーターに乗って、部屋に向かい、部屋のドアをノックしました。(その8に続きます)