家を建てる場合に、法律的に必要な手続きがあります。それは、建築確認申請と完了検査です。こういう建物を建てたいので確認してください、というのが確認申請です。そして、申請通りに建てましたので検査して下さい、というのが完了検査です。法律的な手続きですので、以前は役所だけが行っていたのですが、役所の手不足から、最近は国が指定した民間の機関でも行っています。
建築確認申請は、工事の着工の前に、決められた図面などを添付して、申請図書として、役所等に提出します。提出された申請図書は、法律的な見地から問題が無ければ、確認を担当した役所等から、確認済み証が発行されます。この確認済み証が無ければ、建設に取り掛かることは出来ません。
そして、工事が完了しますと、今度は、確認申請を申請した役所等に、建物の完了検査を申請することになります。申請を受けますと、役所等は、建物の建築現場に来て、確認申請書通りに建てられたのかを検査します。確認申請書通りに建てられていれば、検査済み証が発行されます。検査済み証が発行されなければ、その家に住むことはできません。
家を建てる場合には、以上のような法的な手続きが必要となります。ここで、大事なのは、「確認済み証」と「検査済み証」です。「確認済み証」とは、この家を建てても良いという許可、「検査済み証」とは、住んでも良いという許可になります。この二つの証明書は大事なものですから、必ず、売主から入手し、保管しておかなければなりません。(61)
写真は中古の一戸建ての内覧会で撮りました。ご覧になって頂きたいのは、青い付箋が貼ってある窓ガラスの下の部分です。この窓ガラスは洋室の腰高窓で、網入りペアガラスとなっています。ペアガラスの下の部分が白くなっていますが、これは内部結露を起こしていて、下のスペーサーの金属が腐食しているためです。このガラスは透明なのですが、内部結露により、透明度も相当に落ちています。また、断熱性能も下がります。
中古の一戸建てを購入する際には、窓ガラスの状態も確認すべきです。ペアガラスで内部結露を起こしている場合には、直りませんので交換しかありません。保証期間との兼ね合いもありますが、このような窓ガラスがある場合には、売主に交換を要求すべきです。(7729)
ある時、神奈川県厚木市でパン屋さんを開きたいのですが、建築の相談にのって下さい、という依頼がありました。パン屋さんを計画している方は、裏庭で野菜を作り、それを使って美味しい惣菜パンを作るのが夢ということでした。設計図を見せて頂き、いくつかアドバイスをさせて頂きました。この庭で野菜を作り、こちらで調理して、パンを焼く窯はここで、そしてここで焼き立てのパンを売ります!と説明する瞳は輝いていました。
最近、厚木に行く用事があり、そのパン屋さんに寄ってみました。パン屋さんをオープンして1年ほどが経ちますが、立派に営業されていました。お店の名前は、「Pe're Lachaise:ペールラシューズ」です。こだわりの総菜パンは、みんな魂がこもっていて美味しいです。特にパンの生地の歯ごたえが素晴らしいです。写真が、そのお店とオーナーです。女性一人で、こだわりの野菜を作り、調理し、パンを焼いています。お近くに行った際には、是非、お味見をお勧めします。このパン屋さんの住所は、神奈川県厚木市飯山2979、電話は046-215-0860です。
写真は注文戸建ての内覧会で撮りました。写したところは、2階の天井裏、つまり屋根の下になります。ここの屋根の下の断熱は、ブローイング(吹き込み)工法となっています。ブローイングとは、グラスウールやロックウールをチップ化したものを、空気で吹き込んで、雪のように堆積させて断熱させるものです。隙間なく一様に断熱材が施工されるのが特徴です。
ここのブローイング断熱の仕様は、グラスウールで厚さは300㎜となっています。2階の天井の点検口を開けて、中を見ましたら、写真の状態になっていたわけです。真ん中に見える2本の木材は、天井を吊っている野縁受けと言われるものです。ですので、野縁受けの下は、すぐに天井になっています。この状況では、断熱材がほとんどなくなっているわけです。
こうなってしまった理由は、ブローイング工事を実施した後に、工事関係者が屋根裏を歩く必要が生じて、雪かきのように部分的にかき分けてしまったからです。かき分けてしまったなら、本来は、元通りに直しておかなければなりませんが、うっかりしてしまったのでしょう。屋根裏ですから、点検口をふさいでしまえば、まず見るところではないので、分からなくなってしまいます。内覧会では、点検口も開けて、屋根裏の断熱材の状態を確認すべきです。(7123)
写真は戸建の内覧会で撮りました。写した場所は、コンクリート基礎の立ち上がり部分です。外部に給湯器があって、お湯が作られたら、この赤いパイプを伝わって、お湯が家の中に入っていきます。ですので、ここの孔は基礎を貫通しています。
このような孔の周りは、コーキングでふさがねばなりません。理由は、パイプを伝わって雨や虫が入って来るからです。雨が入ってきますと、ベタ基礎で一面コンクリートですから、入った雨水はたまり水となってしまいます。水がたまると、湿気ます、湿気ると土台の木材などを腐らせます。
戸建の場合、水、お湯、ガスなど外から取り込む場合、写真のように基礎の立ち上がりに貫通孔を設け、そこから入れる場合が多いです。そのような場合、パイプの周りが、雨水が入らないように、ちゃんとコーキングでふさがれているかもご確認下さい。(1821)