PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

専門職大学院のフォーラム・同窓会・メーリングリスト

2016年07月01日 19時13分50秒 | 専門職大学院

怒涛の日々は続き、もう7月になってしまいました。

この場をお借りして、日本社会事業大学専門職大学院の皆さまにご報告とお知らせです。

 

去る6月26日(日)に「専門職大学院フォーラム2016」を行いました。

日本社会事業大学学内学会の会期中の企画として、急きょ開催されたものです。

公式プログラム印刷にも間に合わず、広報はFacebookだけでしたので、何人にご参加頂けるか不明でした。

それでも、OB・OGの方を中心に56名の方が参加してくださいました。

 

企画運営を担って頂いた鶴岡浩樹さんの進行で「専門職大学院で得られるもの」を語り合いました。

僕は冒頭で少し、専門職大学院入学者のデータなど見て頂きながら、『専門職大学院の今、これから』と題してお話しさせて頂きました。

その後、修了生たちから『専門職大学院で得られたもの、そして今』と題して、以下の方々に報告して頂きました。

高橋賢一さん(医療法人弥生会ひこばえ 施設長)

西倉麻記さん(一般社団法人スターアドバンス アーチケアサービス 管理者)

佐藤香代さん(法律事務所たいとう 弁護士)

沼田裕樹さん(町田市介護人材開発センター 理事)

 

それぞれの方の発題内容を、ここに紹介させて頂く余裕はありません。

それでも、それぞれの方々の専門職大学院の入学体験を通して、専門職が成長するとは、現場を変えるとは、どのようなことかと考えさせられました。

対人支援に携わるミクロな力量の問題から、現場を変革するメゾレベル、社会に発信するマクロレベルのソーシャルワークまで、幅広い議論を含んでいます。

 

鶴岡さんの提案で、短い時間でしたが、グループでの意見交換も行って頂きました。

掲げられたテーマは、次の三つです。

1.専門職修士という学位、意味あるの?

2.専門職大学院、キャリアアップにつながるか?

3.専門職大学院で得られるものは、何だろう?

参加者それぞれの率直な意見を表明し、共有し合いました。

 

2時間20分という短い時間でしたが、わが国唯一の福祉専門職大学院に対する、愛にあふれたエールをたくさん頂きました。

当日コメントされた宮島清さんは「ここは奇跡のような場所」と仰いましたが、確かにそうです。

僕の表現で言えば、中学時代に読んだ水滸伝の「梁山泊のような場所」と言うことになりますが。

研究手法を身につけ論文を書く研究大学院と違い、ここには状況に抗い現場の変革を目指す個性豊かな真摯な実践者たちが集まっています。

この専門職大学院に通う方たちが、それぞれの地域で、領域で、現場で、矛盾と戦い、課題を解決し、資源を開発するソーシャルアクションを起こしていくことを祈っています。

 

 

その夜は、池袋で専門職大学院の有志主催による同窓会が開かれました。

こちらも少ない広報期間でしたが、3期生から13期生まで60名余りが参加してくれました。

同じ領域で働く異なる入学年度生同士が「え?ここ来てたの?」という再会もありました。

各教員のゼミ単位で壇上に上がり、一人ひとり自己紹介がてら近況報告をしてもらいました。

進行を担ってくれた佐藤さん、受付を担当してくれた甲田さん・小谷さんはじめ、企画運営してくれた9期生の皆さんに感謝致します。

 

その後は、皆さん三々五々、ゼミや同期生ごとに西池袋のロマンス通り辺りを徘徊していました。

例年開催しているフォーマルな同窓会は、今年12月23日(金)の夜を予定しています。

昼間、全社協の灘尾ホールで「福祉実践フォーラム2016」を行い、その後の開催となります。

お時間がとれるようでしたら予定に組み入れて頂き、同窓生の皆さま、お誘いあわせの上ご参加ください。

 

 

ところで一つ、この専門職大学院の弱点として、今まで同窓生の組織化が意識的に図られていなかったことがあります。

期を異にする縦のつながりを作りながら、専門職大学院を舞台とする出会いがより強固なものとなるよう、今後務めていきたいと思います。

そのため、専門職大学院の公式メーリングリストを構築していきたいと考えています。

ゼミ担当の教員を窓口に、教務課に管理してもらい、今後のイベント等のご案内を周知させて頂くものです。

各ゼミ担当教員から修了生の皆さんへも、すでにご案内が届いているかも知れませんが、このブログでもご案内させて頂きます。

第一次集約を、7月10日と設定していますので、ご協力のほど宜しくお願い致します。

 

 

日本社会事業大学専門職大学院 関係者各位

 

専門職大学院は2016年度で13期目を迎え、おかげさまで卒業生は600名を超えました。

これを機に専門職大学院のメーリングリストを立ち上げる計画をしています。

関係者の皆様に、研修会、イベント、入試関係のご案内など有益な情報を発信することが目的です。

対象者は院生および修了された皆様、関係した教員です。

ご賛同いただける方は下記の【返信フォーマット】に記入していただき、ゼミ担当教員まで、ご返信いただければ幸いです。

 

==============

【返信フォーマット】

氏名:

メールアドレス:

現所属先:

==============

 

お手数をおかけしますが、ご協力いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

日本社会事業大学専門職大学院

古屋龍太


ケアマネコース年間学習計画報告会

2012年06月02日 00時28分45秒 | 専門職大学院

今日(土曜日)は1日、専門職大学院の「年間学習計画報告会」です。
院生たちが、この1年間の自身の学習・研究計画を発表する場です。
ケアマネジメントコースの全院生と、全教員が参加します。
(ビジネスマネジメントコースは、別に行います)

現職(前職)で感じてきた、問題意識。
現場で実感してきた、現状の不全感。
福祉職として秘めてきた、ミッション。
理念と現実の乖離の中で、目指すべきベクトル。
それらを、言葉にして、他者に伝える作業の場です。

ただ、自分の感じてきたことを語るだけでは、学修にはなりません。
仮にも大学院ですから、オリジナルな研究の成果が求められます。

ひとりの持ち時間は、たった5分、プラス質疑2分。
それでも1日がかりで、午前10時スタート、終了は17時予定です。
パワーポイントを用いて、手際よく発表することが求められます。

その5分に圧縮して、語ることを求められることは5つです。
自らの取り組みテーマ、タイトル。
そのテーマを選択した、問題意識と背景。
学習を進めるうえでの、自身の課題。
テーマを追究する方法と学習計画。
自己の目標像。
 
報告会での発表に向けて、各所属ゼミで討議してきました。
今年入学した院生は、自身の取り組み課題を明らかにしなければなりません。

僕のゼミでは、この2週間で臨時のゼミを3回もちました。
通常の時間割の演習だけでは、なかなか追いつきません。
でも、みんな現職の社会人ですから、時間を合わせるだけで大変です。

研究室でプロジェクターを使って、リハーサルをします。
ゼミ員同士、お互いに不明な点を、述べ合います。
他者の視点を通して、自身の言葉が吟味されます。
専門職大学院が求める「省察」のために、一番大事な時間です。

明日が、いよいよその発表会です。
僕のゼミに所属する院生は、5人が発表します。

他のゼミの教員から、厳しい突っ込みもあるでしょう。
一番突っ込まれるのは、「方法と計画」でしょうか?
現場の想いだけでは、他者に伝わるエビデンスにはなりませんから。
うまく答えられずに、ボロボロになるかも知れません。
でも、それら一つ一つの問いかけが、とても貴重な体験になるはずです。

発表予定の34人の専門職大学院生たち、ガンバっ!
夜の「やる気茶屋」での打ち上げを、お楽しみにっ!


実践・学修総括報告書

2012年02月29日 22時08分06秒 | 専門職大学院

ふつうの大学だと、もう2月後半から3月は、春休みなのでしょうが。
専門職大学院は、今が追い込みで、一番熱い季節です。

先週2月22日(水)、24日(金)、25日(土)と3日間、それぞれ丸一日、
全院生・全専任教員が出席する「実践・学修報告会」でした。

1年間、あるいは長期履修生だと2年間の、最終総括発表会です。
この日のために、各ゼミの院生たちは、教員とともに報告をまとめてきました。

僕の担当する、精神保健福祉のゼミも、連日連夜、演習と個別指導の連続です。
お互いの発表リハーサルでは、13時から22時まで、ぶっ通しゼミでした。

各自の制限発表時間は12分、質疑応答8分、パワポ12枚と定められています。
ちょっと長めの学会発表という感じですが、なにしろ卒業がかかっています。

報告会当日は、50名の院生が、順番に取り組んで来たことを報告します。
平均年齢41歳超の院生たちが、みんな緊張して発表に臨みます。

教員たちの容赦ない厳しいツッコミに、フロアの聴衆まで心拍数が上がります。
発表終了後に、激しく落ち込み、男泣きする姿も見られました。

でも、発表すれば終わりではなく、すべて文字にして提出しなければなりません。
概ね1万2千字程度(A4判8枚×1600字)の総括報告書(卒論)です。

3月2日(金)午後4時の締め切りに向けて、みんなラストスパートです。
コンピュータ室には、疲れ切った顔の院生たちが、遅くまで残っています。

教員側も個別の添削指導に追われ、入れ替わり立ち替わり院生が研究室を訪れます。
今年卒業予定の僕のゼミ生は6人ですが、今日の個別指導は12時間に及びました。

あと二日、院生たちも必死ですが、教員も真剣勝負です。
なんとか少しでも良い報告書にするために、みんな頑張っています。

来週は修了判定の委員会、ゼミ合同の卒業旅行、そして再来週は修了・学位授与式。
専門職大学院の慌ただしい1年が、まもなく終わります…。


※画像は、今日の雪景色のキャンパス。

専門職大学院の学修総括報告会

2011年02月24日 12時46分50秒 | 専門職大学院

昨日は、専門職大学院の学修総括報告会でした。
1年間、この専門職大学院で学んできた院生たちが、一人ひとり発表しました。
平均年齢40歳の、歴とした社会人とはいえ、みんな緊張の一瞬です。

3会場に分かれて、ひとり持ち時間20分の発表会です。
朝10時から、夕方5時40分まで、みっちり。
教員としても、集中して聴き、コメントし、いささか疲れました。

ゼミ員たちに言わせると、僕は一番前で「すっげ~怖い顔」で聞いていたそうです。
自分では、どんな顔だったのか、まるでわかりませんが(笑)。
僕なりに、みんなの語る言葉を、一生懸命追っていました。

語られた言葉は、どれも大事な、大切な言葉です。
ソーシャルワーカーが、現場で直面し、答えを探し続ける言葉。
利用者と日々向かい合う中で、自分自身に投げかけられた、課題となっている言葉。

発表の数々は、かなりレベルが高かったと思います。
中には、プレゼンの時間配分を誤り、準備不足の感のある発表もありましたが。
でも、一人ひとりの想いの詰まった、言葉たちであったと思います。

1年間の学修の成果を伝える場ですから、単なる感想では許されません。
実習で何を行い、何を調査し、どのような結果に基づき、何を考察したのか。
曖昧なプロセスは、当然に、教員の厳しい突っ込みがあります。

実践の場で、エビデンスを示すって、大変なことです。
現場のソーシャルワーカーが、あるテーマで、きちんとまとめるって、大変なことです。
それを、人前で発表し、レポートとして文字化するって、大変なことです。

でも、みんな、この専門職大学院に来た、想いと動機があります。
へたをすると、しばしば空回りしがちな想いを、形にしていく作業が課されます。
みんな、中間報告会より、一歩も二歩も、前に進めていると思いました。

このあと、1週間で、総括レポートの提出期限になります。
いわば、専門職大学院の卒論です。
中途半端にせず、今の自分のすべてを出し切って、書ききって欲しいと思います。

限られた文字数の中で、書かれた言葉は、ともすれば無味乾燥なものになりがちです。
もしかすると、先行研究で、既にあちこちで言われてきたことになるかも知れません。
あるいは、結局、教科書的な言葉に、帰結するのかも知れません。

それでも、専門職大学院の強みは、あくまでも実践を背景としていることです。
書き手の言葉は、実践を体現した、オリジナルな輝きをもっているはずです。
借りてきた言葉ではない、自身の暗黙の経験知を、言葉にして残して欲しいと思います。

同じ言葉でも、ちゃんと実践を背景にしている言葉は、違います。
ちゃんとした読み手が読めば、いい加減な手抜きや、未消化な曖昧さはわかります。
同じ言葉でも、どれだけそこに意味が詰まっているか、重さ軽さがわかります。

ソシュールの言語論ではありませんが、言葉には意味が詰まっています。
言葉を、どれだけ大事にしているか、どれだけそこに意味が込められているか。
ある程度の実践をしてきたソーシャルワーカーなら、自明なはずです。

言葉の、シニフィアンとシニフィエの間には、一本のバーが引かれています。
それは、言語の持つ限界、コミュニケーションの不可能性も示しています。
でも、そこに言葉の持つ豊かさもあるし、他者との共有というテーマもあります。

院生の皆さん、あと一週間の、書く時間、言葉と向き合う時間を、大事にして下さい。
書かれた言葉の、一つひとつを、何回も、何回も推敲して下さい。
その言葉たちは、今のあなた自身の姿を、表しているのですから…。

書くって、そういうことです。
書き記した言葉が、活字になって残るって、そういうことです。
精一杯のあなたの今を、この時代に刻印して下さい。


※画像は、専門職大学院の総括報告会、最終講評の風景。
 今井幸充さんの講評中、ベルを鳴らして「覚えてろよ~」と言われちゃいました(笑)
 たくさん画像も撮ったけど、よく考えたら、自分の画像が一枚も残っていない…(泣)
 なので、今回は凛々しい専門職大学院生たちの、真剣なまなざしを掲載です(^_^)v

専門職大学院の卒論追い込み

2011年02月18日 12時55分21秒 | 専門職大学院

はやくも2月中旬。
専門職大学院も、卒業間近、最後の追い込みです。

木曜日の僕のゼミは、院生7人出席。
午後1:30~7:45、6時間ぶっ続けのゼミ。

先週土曜日のゼミは、院生9名出席。
やはり午後1:30~7:30、6時間ぶっ通しのゼミ。

さすがに、疲れます。
でも、やりとりは、みんな真剣、眉に根を寄せて、質疑討論。

植村さんのゼミも、土曜日、1:00~7:00、やってましたし。
矢部さんのゼミも、水曜日、夜10:30まで、やってたとか?

もう、今年度のゼミはありません。
あとは、ひたすら、個別指導…。

卒業が、かかっています。
1年間、もしくは2年間、頑張ってきても、卒業できなきゃ困ります。

23日(水)には、学修総括発表会があります。
26日(土)には、長期履修生の発表会があります。

そして、3月3日が、総括報告書提出締め切り。
いわば、卒論の提出です。

一般の研究大学院の修論に比べれば、かなりゆるいです。
でも、あくまでも学位がかかっているので、審査は厳正に行います。

実践をもとにした報告でないと、専門職の報告書にはなりません。
これまでの体験を、文字化する作業に、みんな苦しんでいます。

修士(専門職)として、送り出せなければ、アウトです。
留年も、やむを得ません。

教員とは、因果な商売です。
人を評価して、落とすこともあります。

みんな、頑張ってくれいっ!
あと数日、必死でまとめるんだぁ~!

ゼミ担当教員の僕も、先週から、睡眠時間は毎日3時間だ!
もう、10日たつけど、死なないから大丈夫っ!

僕に、留年決定を、させないでくれぃっ!
みんな、笑顔で揃って、学位授与式、迎えてくれ~!

面接技法の授業

2010年09月24日 13時46分51秒 | 専門職大学院
昨日は、雷乃声を収む(かみなりすなわちこえをおさむ)9月23日。
東京近辺は雷鳴とどろく、土砂降りの1日なりました。
千葉県では落雷により、23人も重軽傷者が出たとか。

そんな荒れ模様の秋分の日、世間は祝日だというのに、大学では授業です。
通信教育の精神保健福祉士課程のスクーリングが行われていましたし、
僕は、専門職大学院の「ソーシャルワーク面接技法」がありました。

この授業は、長沼葉月さん(首都大学東京)が担当の授業で。
僕は、たいして役にも立たない、アシスタント的な存在なのですが。
毎回、受講生と一緒に参加させてもらっていて、とても勉強になります。

対象は専門職大学院生ですが、リカレント講座の一環なので、外部の受講生もいます。
いずれも、福祉・保健・医療現場で現に働く、専門職の皆さん。
定員いっぱいの50名、平均年齢40歳超?、現場で悩みながら仕事をしている方々です。

初回はやや緊張した硬い感じでしたが、今回3回目ということもあり、なごやかな雰囲気。
ロールプレイ等のワークを繰り返しやるので、受講生同士、どんどん親しくなっています。
毎回、午前10時~午後5時過ぎまで、ぶっ通しですから、相当疲れるのは確かですけど。

葉月さんは、とても素敵な笑顔と柔らかな言葉で、皆さんを包み込んでいます。
自身の臨床での体験や、家庭での夫婦間葛藤まで、自分を開示して、笑顔で対象化します。
用意周到な準備と分刻みの計画的な授業運営、受講生へのきめ細かな配慮は、さすがです。

授業では、マイクロカウンセリングの基本技法を、丁寧に伝えていきます。
今年は「基本的かかわり技法」を中心にワークを通して体感できるように組まれています。
かかわり行動と観察、質問、励まし、言い換え、感情の反映、要約…といったものですね。

頭でわかっていても、実際にやってみると、、なかなかうまくいかないものです。
真剣なロールプレイの終わった瞬間、皆さん「わ~~っ!」と一緒に大笑いして嘆きます。
できないことでなく、お互いの面接場面の良いところを共有する振り返りを行います。

他者の面接場面って、陪席していると、とかくアラが目立つものです。
自分の面接も、勉強すればするほど、自己評価が低くなりがちです。
ただ話しを聴くのではなく、きちんとした面接の組み立てを意識すれば、なおさらです。

でも、教科書や本に描かれているような面接が、誰にでもできる訳ではありません。
むしろ、相談面接では、100点満点の面接などあり得ないと前提する必要があります。
それぞれの持ち味を生かし、自分流の面接スタイルを作ることが、大事なのだと思います。

もちろん、それぞれの課題も明らかになる訳ですから、振り返りと共有は不可欠です。
こういった尋ね方をすれば、もっと良かったかも?と具体的に提案し合います。
次回までに自分の実践現場で試してみる、という宿題も、いい素材になったようです。

現場で悩んでいる人ほど、ともすれば、技法の習得に目が向きがちです。
でも、技法以前に、もっと大切にしなきゃいけない、かかわり方の前提もあります。
ソーシャルワーカーとして、何を大切に面接するのか、少しでも伝えられれば…と思います。



2010後期リカレント講座

2010年07月21日 09時28分16秒 | 専門職大学院
今日は、日本社会事業大学専門職大学院の後期リカレント講座のご案内です。
単なる宣伝記事なので、興味が無ければ、まるで面白くありません。
どうぞ、スルーして下さい(笑)

以下は、主に専門職大学院でやっている授業を、一部公開してのバラ売り講座です。
前期の講座群は、科目によっては即完売・満員御礼状態になったものもあります。
将来、入学後に取得単位として認められる科目履修生も、少しずつ増えています。

その気はあっても、専門職大学院に1年とか2年とか通うのは、なかなか大変です。
でも、現場で働いていて、改めて自分の視点や方法を整理してみたいと誰しも考えます。
時代の変化が激しくて、経験知だけでは乗り切れなくなっている昨今では、尚更です。

今や色々な大学が、一般市民向けの公開講座を開設しています。
広く市民に開かれた、大学の社会貢献活動として、行っている面もあります。
一方で、大学をアピールして、より広範な学生獲得に繋げる経営戦略の一環でもあります。

各大学の公開講座の内容を見ると、一番多いのは高齢者向けの教養講座ですね。
一線を退いて、お金と時間のある元気な高齢者層を、メインターゲットとしたものです。
シルバーエイジの向学心と趣味教養の需要を喚起し、自己実現の場として機能しています。

不況を反映してか、一時期ほどの勢いは無いように思いますが、まだまだ盛んです。
いくつになっても、新しいことを知る「学ぶ」よろこびって、ありますしね。
経験に裏打ちされた自身の知の構築は、永遠に満たされる事のない欲望かも知れません。

専門職大学院のリカレント講座は、こういった市民公開講座とは、ちょっと違います。
現役の専門職が、実際の現場で役に立つ、実践的な知の伝達が主目的ですし。
専門職大学院生や教員も含め、丁々発止の議論をしながら切磋琢磨するのが特徴です。

自分なりの想いがあり、気が向いたら、どうぞ一度、体験してみて下さい。
土日とか夜遅くまでの講座で、慣れないと疲れるかも知れませんが。
大学という場所で、学生の立場を再体験してみるだけで、結構新鮮な発見もあるものです。

僕の担当する授業もあるので、今から少しずつ準備しておかなきゃいけません。
この夏、コツコツ、しこしこ、しゅくしゅくと、僕は僕の宿題に取り組みます。
期限切れを迎えている宿題が山積みで、このままでは、お盆休みも迎えられません(泣)

※以下はあくまでも個人ブログでの概要案内です。
 間違ってたら困るので、詳細は大学院教務課までお問い合わせ下さい。


◆スキルアップ講座◆

○ホスピスケア~緩和ケアのチームアプローチ
1)人の痛みの全人的理解~ホスピスの実際
  長谷方人(ケアタウン小平開設者、日本社会事業大学専門職大学院客員教授)
2)ホスピス・緩和ケアのチームアプローチ~看護の視点から
  河 正子(NPO法人緩和ケアサポートグループ代表)
3)ホスピス・緩和ケアのチームアプローチ~医療ソーシャルワークの視点から
  高野和也(株式会社日立製作所ひたちなか総合病院SW)
4)ホスピス・緩和ケアお現状と課題~運営、経営の視点を交えて
  田島誠一(日本社会事業大学専門職大学院教授)
9月24日(金)、10月8(金)・22日(金)、11月19日(金)
18時30分~21時40分、文京キャンパス
40名、受講料 10,000 円

○学童保育とソーシャルワーク
講師:下浦忠治(元全国学童保育協議会副会長、杉並児童相談所)
9月24、10月1日・8日・15日、毎週金曜日
18時00分~21時10分、清瀬キャンパス
60名、受講料 10,000 円

○高齢者支援の最前線
コーディネーター:矢部正治(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
1)家族とともに~「介護者の会」づくりに取り組んで
  服部安子(社会福祉法人浴風会ケアスクール)
2)アジアの人びととともに~来日インドネシア介護士の実際から
  宮崎和加子(ガルーダ・サポーターズ(インドネシア介護士支援ネットワーク)事務局)
3)地域で支える~「ゴミ屋敷問題解決」を支える地域づくり
  勝部麗子(大阪府豊中市社会福祉協議会コミュニティソーシャルワーカー)
9月25日、10月9日・23日、隔週土曜日
13時00分~17時10分、清瀬キャンパス
60名、受講料 5,000 円

○退院支援ソーシャルワーク
1~4)一般病院における退院計画・退院支援のあり方について
  木戸宜子(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
5~8)長期在院精神障害者の地域移行支援
  古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
10月1日・15日・29日、11月12日、隔週金曜日
18時30分~21時40分、清瀬キャンパス
60名、受講料 10,000 円

○成年後見実践ソーシャルワーク
講師:若穂井 透(日本社会事業大学専門職大学院、教授・研究科長)
10月2日(土)・16日(土)、11月13日(土)・27日(土)
9時00分~12時10分、清瀬キャンパス
60名、受講料 10,000 円

○居宅ケアマネジメント
講師:國光登志子(前立正大学教授、日本社会事業大学専門職大学院非常勤講師)
11月20日(土)、12月11日(土)、1月15日(土)
13時00分~17時50分、清瀬キャンパス
60名、受講料 10,000 円

○里親支援ソーシャルワーク
講師:宮島 清(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
12月4日(土)13時00分~19時30分
1月15日(土)10時40分~17時50分
清瀬キャンパス、60名、受講料 10,000 円

○修復的対話法
講師:山下 英三郎(日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科、教授)
1月22日(土)10時00分~17時00分
清瀬キャンパス、60名、受講料 6,000 円

○家族療法
講師:福山 和女(日本社会事業大学専門職大学院非常勤講師)
   萩野ひろみ(日本社会事業大学専門職大学院非常勤講師)
2月6日(日)・13日(日)10 時00分~17時00分
清瀬キャンパス、80名、受講料 10,000 円


◆福祉マイスター道場「創造的福祉への挑戦」◆

○貧困・社会的排除に抗して
コーディネーター:矢部正治(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
1)貧困に抗い「つながり」を再生する
  稲葉 剛(NPO法人自立生活サポートセンターもやい理事長)
2)山谷でホスピスやってます
  山本雅基(「きぼうのいえ」施設長)
3)寄り添い、ささえる
  藤田孝典(NPO法人ほっとポット代表理事)
4)薬物依存症と向かい合う
  NPO法人東京ダルク
9月29日、10月13日・27日、11月10日、隔週水曜日
18時30分~21時20分、文京キャンパス
40名、 受講料10,000 円

○創造的福祉への挑戦
コーディネーター:矢部正治(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
1)現実的な支援を実現する
  佐久間裕章(NPO法人自立支援センターふるさとの会)
2)「生きていく」ことの価値を実現する
  藤井 智(NPO法人文化学習協同ネットワーク)
3)民間福祉の方向性
  渋谷篤男(全国社会福祉協議会政策企画部長)
4)「新しい公共」と事業展開の可能性を探る
  藤井賢一郎(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
11月24日、12月1日、1月12・19日、水曜日
18時30分~21時20分、文京キャンパス
50名、受講料10,000 円


◆福祉経営塾◆

1)福祉経営原論
  田島誠一(日本社会事業大学専門職大学院教授、財団法人日本老人福祉財団理事長)
2)制度改革と福祉サービスの戦略
  藤井賢一郎(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
3)介護・福祉の専門性と採用・育成
  諏訪 徹(厚生労働省社会・援護局社会福祉専門官)
4)介護・福祉分野のキャリアパス、人事評価と給与の考え方
  江畑直樹(株式会社日本経営課長代理)
5)社会福祉法人会計の見方・考え方
  千葉正展(独立行政法人福祉医療機構企画指導部経営支援室経営企画課長)
6)障害者福祉制度の課題と未来
  厚生労働省社会・援護局(予定)
7)介護保険制度の課題と未来
  厚生労働省老健局(予定)
8)先進的な福祉経営実践(1)
  宮島 渡(社会福祉法人恵仁福祉協会・高齢者総合福祉施設アザレアンさなだ常務理事・総合施設長)
9)先進的な福祉経営実践(2)
  中辻直行(社会福祉法人神戸福生会理事長)
10)自職場プレゼンテーション(1~3)
  新津ふみ子(日本社会事業大学専門職大学院教授、NPO法人メイアイヘルプユー代表理事)
  田島誠一(日本社会事業大学専門職大学院教授、財団法人日本老人福祉財団理事長)
  長谷方人(日本社会事業大学専門職大学院客員教授、ケアタウン小平開設者、有限会社暁記念交流基金代表取締役)
  藤井賢一郎(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
  
9月23日・24日・30日、10月7日・8日・14日・28日・29日
11月4日・5日・11日・12日・18日・19日
木・金曜日全13回、18時30分~21時40分
文京キャンパス、40名、 受講料98,000 円

※いずれの講座も、募集定員欄の人数は、本学学生も含めた総定員数です。
 これら講座は専門職大学院の授業を一部公開しているため、学生と一緒に講義を受けることとなります。
 ご了承ください。



社会人のための大学院説明会

2010年06月23日 09時44分54秒 | 専門職大学院

大学のセンセイといっても、組織に属するサラリーマンですから。
たまには、自分の所属先の宣伝もしなきゃね(笑)
ましてや、僕は入試広報委員長なので、それなりに責任があります(爆)

日本社会事業大学の専門職大学院では、入学を考えている方を対象に説明会を行います。
昨年度は、合わせて計200名の方にご参加頂きました。
今年度の予定は、下記の通り、7回です。

今年の特徴は、専門職大学院・研究大学院・通信教育科・学部編入の合同説明会を行うことです。
社会人を対象に、この四つの区分活用を図って頂こうと企画しました。

専門職大学院と研究大学院は、カリキュラム等、どのように違うのか?
専門職大学院と、大学院修士・博士課程、通信資格取得課程の入学資格の差は?
通信教育の社会福祉士や精神保健福祉士取得を、同時並行することは可能なのか?
現職を継続して、働きながら学ぶことは、どのように可能なのか?

四つのセクションの教員が、それぞれ説明の後、個別に相談に応じます。
参加した人と一緒に、オーダーメイドのリカレントプランを考えようというものです。
合同説明会は、下記の通り3回やります。

一昨年から始めた「専門職大学院のつどい」も、また開催します。
企画内容は、現在検討中ですが、決まり次第、ここにも掲載するようにします。
たぶん、午前中から福祉専門職にかかわる講演等も交えて行うことになるでしょう。

これとは別に、もちろん学部受験生向けのオープンキャンパスもあります。
例年、学生たちの自主運営でほぼ開催され、好評でリピーターもたくさんいます。
どうぞ、ご近所お誘い合わせの上、奮ってお越し下さい!

詳しくは、本学のホームページをご覧下さい!
→ http://www.jcsw.ac.jp/

(…って、本当に宣伝になっちゃった…ま、たまにはいいか… ^^;)


◆2010年度専門職大学院説明会日程

7月17日(土)  受付10:30~(12:30-17:00)清瀬キャンパス 合同説明会
8月20日(金・夜)受付18:00~(18:30-21:00)文京キャンパス
9月11日(土)  受付10:30~(12:30-17:00)清瀬キャンパス 合同説明会
10月31日(日) 受付12:00~(13:00-16:00)清瀬キャンパス 
12月11日(土) 受付10:30~(12:30-17:00)清瀬キャンパス 合同説明会
1月8日(土)   受付12:00~(13:00-16:00)清瀬キャンパス 
2月11日(金・祝)受付12:00~(13:00-16:00)文京キャンパス

※9月11日(土)の説明会は「専門職大学院のつどい」の一環として行われます。
 午前中からの講演プログラム、模擬授業、修了生の報告なども盛り込んだ企画を立案中です。


専門職大学院の時間割

2010年04月26日 19時15分24秒 | 専門職大学院
専門職大学院のカリキュラムは、1週間びっしりです。
社会福祉士受験資格も得ようとする人にとっては、文字通り朝から晩まで。
1年間履修制では、もう飽和状態に達している感もあります。

この過密な時間割、もう少しなんとかならないものか、とも思うのですが。
歴代の院生たちの要望も入れながら、年々科目も増える一途で。
ようやく形になってきた今の時間割を、そうそう縮小する訳にもいかず…。

でも、現職を継続しながらの長期履修生(2年制)が増えてきているので、いよいよ転換期かも。
本来の専門職大学院の形に、むしろこれから移行して行くのかも知れません。
参考までに、先々週の1週間の時間割を記しておきます。

4月12日(月)
Ⅰ~Ⅱ時限 「地域福祉論」(鷹野吉章)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク面接技法」(長沼葉月、古屋龍太)

4月13日(火)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワーク理論」(山下英三郎)
Ⅲ~Ⅴ時限 「インタープロフェッショナルワーク」(大塚眞理子・木戸宣子)

4月14日(水)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワーク基礎実習指導」(宮島清)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク基礎演習」(矢部正治、木戸宣子、宮島清、古屋龍太)
Ⅵ~Ⅶ時限 「プラクティカルソーシャルリサーチ」(藤井賢一郎)

4月15日(木)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワークの思想と価値」(大橋謙策)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク演習Ⅰ」(若穂井透、今井幸充、植村英晴、木戸宣子、宮島清、矢部正治、古屋龍太)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ビジネスマネジメント演習Ⅰ」(田島誠一、新津ふみ子、長谷方人、藤井賢一郎)
Ⅵ~Ⅶ時限 「組織心理・行動論」(藤井賢一郎)

4月16日(金)
Ⅰ~Ⅱ時限 「人権と倫理」(坂口順治)
Ⅲ~Ⅳ時限 「人権と倫理」(高野範城)
Ⅵ~Ⅶ時限 「組織心理・行動論」(藤井賢一郎)

4月17日(土)
Ⅰ~Ⅱ時限 「人権と倫理」(高野範城)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク演習Ⅱ」(若穂井透、今井幸充、植村英晴、木戸宣子、宮島清、矢部正治、古屋龍太)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ビジネスマネジメント演習Ⅱ」(田島誠一、新津ふみ子、長谷方人、藤井賢一郎)

この1週間で、授業は、合計13科目41コマ!
Ⅰ時限~Ⅶ時限まで受講すると、朝9時から夜9時40分まで、座りっぱなしです。
これに、往復の通学時間と、自宅でのレポート作成もあるわけですから…。
最初の1週間で、結構もうヘロヘロになっている院生も見受けられます。

その週によって、時間割は異なるので、先週は更に、次の5科目がスタートしました。

金曜日
Ⅲ~Ⅴ時限 「アセスメント方法論」(奥川幸子、矢部正治)
Ⅵ~Ⅶ時限 「ベイシックアカウンティング」(藤井賢一郎)

土曜日
Ⅰ~Ⅱ時限 「福祉アドミニストレーション理論」(田島誠一)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワーク実践理論Ⅱ」(木戸宣子、木幡伸子)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ジェネリックソーシャルワーク」(高橋重宏)

院生も過酷ですが、教員の授業負担もかなりのものです。
幸い、僕自身は、今年度前期は、受け持ち授業が少なめ(最大週12コマ)で助かってますが。
今のうちに、溜まってる宿題、少しでもこなしておかないと、あとが悲惨に…。

そんな、わが国唯一の福祉専門職大学院ですが、やる気と体力のある方は、どうぞチャレンジしてみて下さい。
なんだかんだ言っても、皆さん、通いきって単位も納め、卒業していっています。
人間って、環境に順応して、力強くなれるんですね~。
(^_^)/~

精神保健福祉ゼミ、始動!

2010年04月19日 09時02分40秒 | 専門職大学院
新しいゼミが、土曜日スタートしました。
専門職大学院の、精神保健福祉専攻ゼミです。

僕が着任早々の一昨年(5期生)は、院生2人でした。
研究室でコーヒー飲みながら、まったり3人でやってました。

去年(6期生)は、7人でした。
色んな生活史と実務経験を持つ者同士、色んな所へ一緒に出かけました。

今年(7期生)は、なんと11人です。
実に多種多様なメンバーが集まりました。

精神保健福祉士がいます。
保健師がいます。
これから資格を取る人もいます。
まず、社会福祉士を目指す人もいます。

精神科病院で仕事をしている人がいます。
保健所で仕事をしている人もいます。
作業所で仕事をしている人もいます。
まだ、この領域での実務経験が全く無い人もいます。

今年入学の1年制の人もいます。
現職を継続しながらの、長期履修2年制組もいます。
昨年度入学の長期履修組、事情あっての留年組もいます。
既に卒業した上での、修習生もいます。

年齢は、24歳から59歳。
20代、30代、40代、50代、まんべんなくいます。
平均年齢は、いくつになるのでしょう?
ちなみに、女性7人、男性4人です。

退院・地域移行支援を、テーマに掲げる人もいます。
早期発見・早期介入を、テーマに掲げる人もいます。
アディクションのグループを、考えている人もいます。
まだ、決めかねていて、迷っている人もいます。

みんな、色々です。
本当に人生色々、専門職も色々。
この多種多様さが、専門職大学院らしさなのでしょう。
この異種交配・力動関係・相互作用から、どんなゼミが展開されることになるのか…。
今から、楽しみな1年です。

今日は、各自の自己紹介で終わりました。
質疑応答含め、一人15分~20分程度で話してもらいましたが、
それだけで午後1時から夕方6時15分まで。
途中10分休憩×2回を含め、約5時間超。
みっちりお互いに語り、お互いを知る、半日でした。

次回から、早速それぞれの年間学習計画書の検討に入ります。


※画像は、桜舞い散るキャンパスの中庭。花びらまでは見えないですね。

新入生がやってきた

2010年04月07日 10時55分36秒 | 専門職大学院
4月5日(月)

2010年度入学式。
前年と比べても、地味なリクルートスーツ姿が圧倒的に多く、
真面目で真剣なまなざしが、とても印象的でした。
式典の間、私語も全くなく、舞台上の挨拶に集中して聞き入っていました。

新任の橋重宏学長(前・東洋大学社会学部長)の式辞。
新入生(大学院・学部合わせて301名)の紹介。
長尾立子理事長(元・法務大臣)の挨拶。
厚生労働省の清水美智夫社会・援護局長の挨拶(代読)。
教育後援会、同窓会からの挨拶。
社会福祉士会会長等、来賓のご紹介、祝電の披露。
在校生代表・自治会委員長の挨拶。
最後に、一同起立して校歌斉唱して終わりです。

例年だと、講堂前の桜をバックに記念撮影になるのですが、残念ながら雨。
記念撮影は、講堂の中で、大学院研究科・学部学科ごとに撮りました。

午後は、専門職大学院のガイダンス。
専門職大学院は今年、7期生61名が入学。
各コース、各ゼミの担当教員が、新入生の前でプレゼンテーションをします。

ケアマネジメントコースは、例年、高齢者領域の院生が多くて、半数を占めるのですが。
今年は、高齢者、障害者、児童領域、それぞれ1/3くらいずつ。
なぜか一番、児童領域が多いのは、担当教員のマスコミ露出効果でしょうか(笑)

僕は今回、桜色のパワーポイントでプレゼンしました。
自己紹介、経歴紹介、昨年度のゼミの様子、ゼミ員各自のテーマなど、写真もまじえて。
少し笑いも取りにいきましたが、緊張感ただよう院生達の反応は今ひとつで…。
最前列の教員達には受けていましたが(笑)

夕方からは、小平のあさやけ地域生活支援センターで会議。
地域移行のワーキンググループで、病院のPSWや、当事者、市の職員と。
僕にとっては、今年度前半の大きなひとつのプロジェクトです。



4月6日(火)

専門職大学院、授業スタート。
トップバッターは例年通り、上田敏客員教授の「人間理解」。
9時から16時半まで、4コマ通して、僕も参加させてもらいました。

上田敏さんと言えば、言わずと知れたリハビリテーション医学の大家。
僕が最初に読んだのが「上田・蜂矢の障害構造論」ですから、もう30年前になります。
御年78歳になられますが、衰えはみじんもなく、朗々と講義を進めます。
シラバス(講義要項)も、パワポ資料も、配付資料、記入用紙も用意周到。
語りの言葉は明晰で、濃縮されていて、滞ることなく、全く無駄がありません。
ICF(国際生活機能分類)の解説も噛み砕いて、わかりやすく、目から鱗でした。

講義は、専門職者として人間理解はいかなるものか、問いながら進められます。
「専門職とは?」というブレインストーミングは、面白かったです。
突飛な院生の意見も拾い上げながら、イメージを膨らませます。

昼休みに宿題を課して、午後は、院生個々が全員の前で、自己紹介(経歴紹介)。
本当は「1分間アピール」なのですが、たいてい2分かかっていました。
僕も最後にやらせてもらいましたが、やはり2分。
1分で、自分の出身、経歴、短所、長所を語るのは、やはり難しいです。

この自己紹介のおかげで、教室の雰囲気はふっと和らぎました。
それまでは、皆さん、休憩時間に話す相手もなくシーンとしていたのですが。
喫煙コーナーでは、お互いの経歴を話題に盛り上がってましたし。
新入生同士のコミュニティが、あちこちで生まれつつあります。



4月7日(水)

午前中は「ソーシャルワーク基礎実習指導」。
社会福祉士受験資格を得ようとする人たちの、実習指導の初回です。
今回は、担当教員の宮島清さんにお任せで、楽させてもらっています。

福祉の専門職大学院ですから、社会福祉士や精神保健福祉士の有資格者が多いのは当たり前ですが。
中には、今までまったく福祉と無縁の世界で生きてきた人も受け入れています。
法科大学院も、法学部出身者だけじゃないですよね?
今年も、理系卒の人や、ずっとメーカーの社員だった人といった、一念発起組がいます。
中には、青年海外協力隊にいた人や、全国を放浪していて半ばホームレスだった人まで。
この異文化集団が、どのような相乗効果を及ぼすか、今から楽しみです。

午後は「ソーシャルワーク基礎演習」。
社会福祉士受験資格をめざす一念発起組の皆さんのゼミ、初回です。
今年は、事前のアンケートによると12名。
これから、この12名にとっては、休日返上+睡眠不足の過酷な1年がスタートします。
果たして、どんなゼミになりますことか…。

それでは、授業に行ってまいります!
(^_^)/~

新入生オリエンテーション

2010年04月03日 16時57分56秒 | 専門職大学院
今日は、オリエンテーションでした。
午前9時から、専門職大学院の新入生教務オリエンテーション。

履修要項やら、時間割やら、履修届ほかの書類が配られ、
教務課から、授業の選択履修手続き等について、あれこれ説明してもらい、
教員達からも、コースごとの授業や時間割について、あれこれ説明しました。

専門職大学院に通う院生たちは、多種多様です。
基本は1年制ですが、現職を継続しながらの2年制(長期履修生)がいます。
社会福祉士や精神保健福祉士資格を持っている人もいれば、これからの人もいます。
福祉の世界のベテランもいれば、福祉はまったく初めてという会社員出身の人もいます。
ケアマネジメントコースの人もいれば、ビジネスマネジメントコースの人もいます。

したがって、カリキュラムも多種多様です。
1年間で100科目余りが開講しています。
社会福祉士の指定科目もあれば、専門領域の講義・演習もあります。
講義が中心の授業もあれば、実技と演習をもっぱら行う授業もあります。
福祉専門職としての実務を中心とした科目や、夏と冬には実習もあります。

したがって、時間割も複雑です。
1時限目(朝9時~)から、7時限目(~夜9時40分)まで、授業がみっちりです。
月曜日から土曜日まで、時には日曜日や祝日にも、授業があります。
清瀬のキャンパスが基本ですが、1時間離れた茗荷谷の校舎も使います。
同じ時間帯に、二つも三つも授業が平行して行われている時もあります。

なので、時間割を見ても、よくわかりません。
時間割自体を、そもそもどうやって見るのかが、最初はわかりません。
何色にも色分けされた科目群のうち、どれをどれだけ取ればいいのか、わかりません。
各科目名と担当教員名が細かく書かれていますが、シラバスと照合しなければなりません。
1単位8コマの講義と、1単位15コマの演習が、パズルのように組み合わされています。

3日後には授業も始まります。
5日後には、1冊本を読んで、最初のレポートを出さねばなりません。
だんだん慣れてくると、当たり前のように使いこなしている時間割なのですが…。
今日、オリエンテーションを受けた新入生たち、わかったかなぁ~?
欲張りすぎると、大変な目に遭うカリキュラム、理解してくれたかなぁ~?
(-_-;)

待ったなし、みっちり福祉のシャワー漬けになる1年間が、いよいよスタートします。
頑張れっ!新入生!
踏ん張れ!専門職7期生!

アドバンスSW認定第1号

2010年03月09日 09時46分02秒 | 専門職大学院
先週の土曜日は、「ADSWセミナー2010」もありました。
入試のあと、午後3時から、ちょっと無理のある設定でした。

ADSWというのは、アドバンスソーシャルワーカーの略です。
今年度から始まった、福祉専門職大学院独自の認定資格です。

アドバンスですから、日本語にすれば「上級」ということになるんでしょうが。
イギリスなどでは、もっと何段階もあって、アドバンスは中級くらいだそうです。

専門職大学院に在学もしくは修了した人で、認定審査を志願した人が対象です。
1年間担当教員のもとで指導を受けながら、現場での実践をレポートして、評価を受けます。

今回は、2人の女性が立候補してくれました。
初年度の準備態勢不足もあり、実質半年しか無い中で、よくまとめてくれました。


セミナーでは、研究科長の開会挨拶・経緯説明のあと、学長から認定証授与がなされました。
その後、お二人から、それぞれの実践報告がされました。

ADSW第1号認定の、唐木香子さん(東京・在宅療養支援診療所)からは、
「関係機関・多職種によるチームアセスメント体制の確立
 ~在宅療養支援診療所におけるSWの立場から」の報告。

第2号認定の佐藤亜紀子さん(栃木・地域包括支援センター)からは、
「地域包括支援センターが中心となり介護支援専門員の資質向上を図る取り組み
 ~事例検討会の効果と課題」の報告がされました。

フロアからの質疑応答後、パネルディスカッション「ADSW実践報告評価コメント」が行われ、
お二人の報告を審査した委員から、講評が加えられました。


ADSWの認定は、1報告について6人の審査委員が評価します。
委員長と主査、副査の教員2名、外部委員(日本社会福祉士会副会長・鈴木智敦さん)、特別委員(本人の所属長)です。

事前審査から、報告書提出、本審査(口頭試問)、セミナーでの発表と、結構大変です。
研究者でもない実践家にとっては、相当鍛えられる、なかなか得難い機会といえるでしょう。

認定評価は、専門職大学院の定めたコンピテンシー表に基づいて、なされます。
併せて、実践分析力、課題解決力、企画開発力等も評価されることになります。


日本社会福祉士会も今、専門社会福祉士制度のあり方を検討しています。
先の社会福祉士法改正の際に、国会の付帯決議で盛り込まれたことですし。

福祉士資格は、やはり最低限の基礎資格でしかありません。
専門職としてのレベル向上を目指す、明確なシステムがやはり必要でしょう。

ADSWを、今後想定される専門社会福祉士制度とリンクさせていければと思います。
わが国唯一の福祉専門職大学院として、リカレント教育のモデルとなることを願ってます。

ちなみにADSWは、スペシフィックでなく、ジェネラルアプローチができるSWを考えています。
それぞれの領域で先駆的な実践を展開・発信し、地域全体のスーパーバイザーになり得るようなソーシャルワーカー。
そんな人が、あちこちにたくさん出てくれば良いなと思います。


唐木香子さん、佐藤亜紀子さん、ADSW認定、おめでとうございます。
今後のますますのご活躍を期待しています!

本当に、お疲れ様でした~! (^_^)/~

投げかけられた問い

2010年03月08日 03時18分58秒 | 専門職大学院
先週の土曜日は、専門職大学院の今年度最後の入試でした。

入試管理委員長の僕としては、一つ肩の荷が降りて、ちょっとホッとした感じです。

すぐにまた、来年度の入試広報戦略を組み立てて行かなきゃならないんですけど…。



専門職大学院では、色々な入試を行っています。

社会福祉士や精神保健福祉士の有資格者入試。

昨年から始めた、一定の基準を満たした社会福祉法人等による指定法人推薦入試。

現職の職場長による推薦入試や、学部新卒者の学内推薦入試。

そして、一番基本になっているのが、一般入試。



この一般入試は、出願書類、小論文、基礎知識、個別面接による審査のほか、グループディスカッションという試験があります。

大学に隣接している清瀬療護園の入所者等、福祉サービス利用者を交えて、受験生がグループで意見交換するものです。

グループの運営進行は、担当した当事者の入試特別委員にゆだねられます。

障害当事者がその場で投げかけた問いかけに応えていくのですから、受験生からすれば準備のしようもなく大変です。

教員は傍らから、ただ黙ってグループの様子を拝見しています。



今回の試験では、精神保健分野の当事者としては、澤田優美子さんにお願いしました。

僕とは、前職の病院で、障害年金の再審査請求を一緒に闘った仲間?です。

世界クラブハウス連盟の委員などの活動を通して、第1回リリー章を受賞し、去年は福祉士W資格にも合格した当事者です。

「何を話したら良いのか…」と、お願いした当初、戸惑っておられましたが、いいグループ運営をしてもらえました。



彼女が受験生に投げかけた質問。

「障害者の存在意義って、なんだと思いますか?」…。



「ただケアやサービスを受ける対象として、障害者である自分を思うと、とても悲しくなります。

自分の存在意義が感じられないと、生きていないみたいで、私は死んでしまいたくなります。

障害者が生きている社会的な存在意義って、皆さんはなんだと思いますか?」



たぶん、そのグループの受験生は、あっけにとられ、さぞかし悩んだと思います。

障害者と言えば、サービスを提供する対象者、利用者としてしか考えたことないでしょうし。

障害者自身の社会的存在意義なんて、考えたことすらないと思います。

専門職大学院では、こういう正解のない議論をよくしますが、僕だって、その場にいたら答えに窮すると思います。

結論を出すことが、入試のグループディスカッションの目的ではないので、答えがなくて良いのですが。



さて、もし、あなたが同じ問いを投げかけられたとしたら、どう答えますか?

…( ̄○ ̄;)?

院生たちの報告会

2010年02月27日 17時27分26秒 | 専門職大学院

急に暖かくなって、春の訪れを感じさせる、今日この頃。
花粉の飛散も増えて、悲惨な状態になりつつあります。
くしゃみと鼻水が止まらず、ぐしゅぐしゅの涙目です。
春の訪れとともに、マスクとティッシュが手放せなくなりました。

今日は、専門職大学院の中間報告会。
2年制の長期履修生(現職継続型)の院生たちが対象です。
この1年の、自らの実践を通して行ってきたことの発表会。
それぞれの現場(自職場)が背景にあるだけに、報告も課題も極めてリアルです。

先日は、1年修了生の総括報告会がありました。
短い1年間で、言語化して報告するのは大変な作業で、徹夜組も結構いたようです。
それでも、自分の選んだテーマに肉迫し、訴えるものが多い発表会でした。
打ち上げの居酒屋では、居眠りしてしまう院生が3人いました(笑)

これらの報告会を通じて、改めて気づいたこと。
言葉って、やはり本当に大事だなと…。
「ニーズ」にしても、「リスク」にしても、「援助」にしても、「連携」にしても…。
専門職種が、わかった気になって使っている言葉の、なんと危ういことか…。

改めて気づいたことの、2点目。
僕のゼミには、こんなに濃い院生たちが集まっていたのかと…。
個々の生活史も、キャラも、想いも…とにかく、こゆいゼミです(笑)
こういう院生たちに囲まれて、教員としては幸せな1年だったなと…。

今日は、大学の市民公開講座「共生社会をつくる~社会的排除はどう克服できるか」もありました。
ビッグイシュー基金の佐野章二さんをお招きして、ホームレスの排除と包摂を考える講演。
シンポジウム「社会的排除を克服する~子どもと家族の貧困、権利擁護、更生保護の視点から」。
会場の階段教室は満杯で、真剣な熱気に包まれていました。

このあとも、来週3月5日(金)は、社会福祉士実習教育セミナー。
3月6日(土)は、専門職大学院のアドバンスソーシャルワーカーセミナー。
3月13日(土)は、勇退する大橋謙策学長の最終講義。
この間に入試もあるので、大学は最近、毎週イベントだらけです。

ちなみに、今日は、僕の誕生日です。
○○歳になったかは、ご想像にお任せします(笑)
今さらお祝いする感じでもないので、どうでもいいんですけど…。
相も変わらず仕事に追われてますが、実り多い一日でした。

(^_^)/~