PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

僕の出没場所

2010年08月31日 10時17分17秒 | 日々の雑記

この8月、僕はやたら落ち着きなく、動き回っていました。
遠くには行かず、東京近辺をあちこち、ぐるぐる…。
この一ヶ月、僕が仕事で出没していた、機関・場所です。
(@_@)

日本社会事業大学清瀬キャンパス(24回)
国立精神・神経医療研究センター(5回)
社会福祉振興・試験センター(4回)
文京学院大学本郷キャンパス(3回)
国立武蔵野学院(2回)
横浜舞岡病院(2回)
国立女性教育会館(2回)
小平市保健福祉事務センター(2回)
日本医科大学(1回)
こどもの心のケアハウス嵐山学園(1回)
所沢慈光病院(1回)
小平市福祉会館(1回)
日本社会事業大学文京キャンパス(1回)
国際医療福祉大学青山キャンパス(1回)
東京都庁(1回)
清瀬どんぐりの家(1回)
生活訓練施設ほたるの里(1回)
ひこばえの家・となりのレトロ(1回)
目白大学目白キャンパス(1回)

自分の手帳で確認すると、計19カ所に、55回出かけています。
この間、電車・バス・自家用車等を使って、76回移動しています。
東京近辺だけなのに、交通費は4万円近くかかっています。
(T_T)

移動はタイムロスになるだけでなく、やはり疲れます。
本当は、読書にでもあてれば良いんでしょうけど。
座席に腰掛けると、もう、睡魔に勝てず…。
だいたい口開けて、寝てました
(=_=)

大学は、一応この時期、夏休みだというのに…。
どの事務職員よりも、大学への出勤回数は多いような…。
それで、仕事が進めばいいんですけど…。
研究室にひとり籠もっていられる日は、結局、一日もなく。
おかげで「夏休みの宿題」は、月末に至っても、まだ仕上がらず。
…いよいよ、追い詰められています。
(>_<)

今日は、もう8月31日…。
あぁぁぁ…。
子どもの頃から、何も成長していない…。
(-_-;)


※画像は、代々木のドコモタワー上空。
 

PSWの養成課程見直し

2010年08月27日 19時27分17秒 | 精神保健福祉情報

精神保健福祉士法の改正に向けた動きが、着実に進んでいます。
改正法案の内容は、既に公表されている通りです。
先の国会で障害者自立支援法改正案とともに、廃案になってしまいましたが。
養成課程における教育内容等の見直しが焦点となっています。

趣旨としては、
1.従来の、医療機関等での治療チームの一員として退院促進等をおこなう役割に加え、2.就労支援等を含めて、地域における生活の維持・継続、質の向上を図り、
3.精神保健福祉の多様な課題に対応する、行政や司法、教育、労働分野への拡大、
4.対象疾患も統合失調症を主とするものから、気分障害、発達障害、認知症へと拡大し、
精神保健福祉士の役割が、時代の変化とともに見直しが必要になっている、と。

新カリキュラムの詳細は、以前このブログでも取り上げていますが、
時間数、科目数ともに大幅に増えていて、学校や学生の負担は増加しています。
パソコンを使用した相談援助技術を学べる態勢も、学校側は考えねばなりません。

大きく課題になってくるのは、「実習」の質の向上を求められている点です。
1.実習指導者の比率は学生の5倍以上
2.実習指導者は資格取得後経験年数+講習受講を要する(経過措置あり)
3.担当教員が毎週巡回指導を原則とする
4.医療機関(病院・クリニック)での実習を90時間以上必須
5.受験資格の実務経験と実習施設の範囲見直し
等々、学校側だけでなく現場側も今後どうするか多々考えなければなりません。

新カリキュラムの開始は、2012年4月1日です。
この間、新しいカリキュラムへのパブリックコメントが公募されていました。
各学校、教員、現場から、多数の意見が厚生労働省に寄せられています。
負担増への現実的対応の困難を訴える意見や危惧が、多く寄せられていると聞きます。

PSWの活動領域は、近年本当に大きく拡大しており、対応が必要です。
社会福祉士のカリキュラム変更もあり、科目の再編も、今どうしても必要です。
実習をはじめとした「質の向上」も、前向きに検討される必要があるでしょう。
他の国家資格専門職のカリキュラムに比較すると、まだ時間数も少なくゆるいですし。
理念としては、よりクォリティの高い養成教育レベルを求めるべきだと思います。

でも、一方で、現実的対応を求められる学校側や実習受け入れ側は、やはり大変です。
限られたスタッフ数で、あれもこれもやってる現状で、現実的な負担増は見過ごせません。
各学校は、既に対応の準備に入っていますが、通信教育は壊滅的な打撃を受けます。
フルタイムで現に働いている人にとっては、実習時間の確保が難しくなりますし。

ハードルが上がる分、学生の応募は少なくなり、募集停止に至る学校も出てくるでしょう。
ただでさえ、3Kイメージから、若者の福祉離れが顕著になっており学生が集まりません。
精神保健福祉士の待遇が、今後格段に上がり、若者に魅力的な職種になれば別ですが…。

これまでが供給過剰で、現場は既に充足しているという評価もあるでしょう。
むしろ、養成教育機関の自然淘汰が進んで然るべきという意見もあるでしょう。
でも、学校に学生が集まらないということは、現場への人材供給がやせ細るということです。
量の減少が、質の低下に転化しては、カリキュラム改正の趣旨が崩れます。

改正の理念を大事にしながら、現実的な落としどころを、どう探っていくのか?
まだまだ、いろんな綱引きが行われるのかも知れませんね。
パブリックコメントを受けての、今後の対応が注目されます。

参考までに、日本精神保健福祉士協会が提出した意見を、載せておきます。
養成教育側とはまた異なる、職能団体側の意見として、お読み下さい。


※画像は、東京都庁第2庁舎。記事本文とは関係ありません。


★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


                              2010年8月10日
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
精神・障害保健課 御中
                         社団法人日本精神保健福祉士協会
                              会 長 竹 中 秀 彦

          精神保健福祉士法関連法令の改正について

標記の件について、下記のとおり本協会としての意見を述べますのでお取り計らいのほどよろしくお願い申しあげます。

                  記

1.精神保健福祉士法関連法令・通知の改正について(案)のⅢ.改正概要における「養成施設の教育課程の充実等について」の「演習・実習の拡充等について」および「その他」の「実習施設の範囲の拡大」について

「精神保健福祉士短期養成施設等及び精神保健福祉士一般養成施設等指定規則第五条第一号カの規定に基づき厚生労働大臣が別に定める施設(平成10年厚生省告示第10号)」の改正にあたっては、職域の拡大や求められる支援の多様化により精神保健福祉士の役割が拡がっている現状に鑑み、現行の施設に準ずる施設又は事業として、精神保健福祉士養成課程における実習指導者の資格要件を満たす者が従事しており、かつ精神障害者が支援の対象に含まれる以下の施設または事業も加えてください。

1)心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に規定する社会復帰調整官を配置している保護観察所
2)児童福祉法に規定する児童相談所、母子自立支援施設及び児童家庭支援センター
3)生活保護法に規定する救護施設、更生施設
4)都道府県及び市町村の事業運営要綱等に基づき運営される障害者小規模作業所
5)市町村における障害福祉担当課
6)社会福祉法に規定する福祉に関する事務所及び市町村の区域を単位とする社会福祉協議会
7)障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する広域障害者職業センター、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センター
8)職業安定法に規定する公共職業安定所
9)売春防止法に規定する婦人相談所及び婦人保護施設
10)介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に規定する介護老人保健施設及び地域包括支援センター並びに居宅サービス事業のうち通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護又は特定施設入居者生活介護を行う事業、地域密着型サービス事業のうち認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護又は地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を行う事業、居宅介護支援事業、介護予防サービス事業のうち介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護又は介護予防短期入所療養介護を行う事業、地域密着型介護予防サービス事業のうち介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護又は介護予防認知症対応型共同生活介護を行う事業並びに介護予防支援事業
11)老人福祉法に規定する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター及び有料老人ホーム並びに老人デイサービス事業
12)更生保護事業法に規定する更生保護施設
13)発達障害者支援法に規定する発達障害者支援センター
14)文部科学省が主管する学校・家庭・地域の連携協力事業として位置づけられているスクールソーシャルワーカー活用事業を行う教育委員会等
15)企業等に対していわゆるEAP(従業員支援プログラム、Employees AssistanceProgram)を行う事業所等
16)刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に規定する刑事施設及び構造改革特別区域法施行令の規定により委託を受けて運営される社会復帰促進センター

2.改正概要の「その他」の「実務経験施設」の範囲の拡大について

教育内容等の見直しについて(案)には、「実務経験施設の範囲について実習施設の範囲との整合性を図りつつ見直しをする、もしくは検討する」とあります。
今回の新カリキュラム案において医療機関における90時間以上の実習の必須化を図ることに鑑み、医療機関以外の実務経験者においては、90時間以上の医療機関の実習を必須としてください。
また、実務経験施設の範囲拡大に伴い、実務と認定できる業務内容の明示を求めます。

3.その他

(1) 実習については、時間数の拡充と医療機関と医療機関以外の両方の実習が必須とされることに鑑み、実習受け入れ機関の円滑な確保が重要となることから、本制度改正に関する周知と合わせ、特に行政機関等における実習受入れの協力要請に係る通知等が行き届くようにお願いいたします。

(2) 「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」(別添)(以下「別添資料」という)には、「今後の精神保健福祉士の役割」として、「医療機関等におけるチームの一員として、治療中の精神障害者に対する相談援助を行う役割」が示されていることに関連して、教育内容の見直しによる資質向上を前提として、精神保健福祉士が医療機関等においてチームの一員として配置される環境や条件に関する改善を図っていただきたく要望いたします。

(3) 別添資料には、「今後の精神保健福祉士に必要とされる知識及び技術」として、「今後の精神保健福祉士の養成課程においては、精神障害者の人権を尊重し、利用者の立場に立って、これらの役割を適切に果たすことができるような知識及び技術が身に付けられるようにすることが求められており、‥‥」とあります。
実践力の高い精神保健福祉士の養成に必要とされる知識及び技術の習得は、ソーシャルワーク実践における価値や理念の習得を前提としていることを明示してください。

                                     以上


三輪車の想い出

2010年08月25日 09時23分59秒 | 日々の雑記
猛暑の東京をウロウロしている間に、ブログ来訪数がキリ番超えました。
開設以来、累計5万人の方が訪れ、10万ページ閲覧して頂いたことになります。

なにやら忙しく、毎日まるで余裕がなく、記事更新もままならない夏です。
日頃の不義理をお詫びしつつ、ご愛顧に感謝して、キリ番恒例、想い出写真館です。



この写真は、3歳頃のものだと思います。
まだ若かりし母と、近所の路地で記念撮影です。
僕は、三輪車が大好きだったそうです。

でも、当時、僕の家には三輪車がありませんでした。
近所の子の三輪車が羨ましくて、最初は勝手に乗ってしまったそうです。
母が謝って、それからは時々借りては、喜色満面でこいでいたそうです。

ある日、母は、その子のお母さんから言われたそうです。
「龍ちゃん好きなんだし、三輪車、買ってあげればいいのに」…。
いつもいつも、僕が借りて、自分のもののように遊んでしまっていたからです。

母は、とても切なく、悲しい想いをしたそうです。
当時、家は貧しく、母は立ち上げたばかりの小さな洋裁店を切り盛りしていました。
息子の大好きな三輪車ひとつ、買ってやれないのが、親としてふがいなかったようです。

「三輪車、とうとう、買ってあげられなかったわね…」
「あなたには、何ひとつ、いいことしてあげられなかったわね…」
「ごめんなさいね…」
年老いた母は、最近よく昔を振り返っては、涙を浮かべます。

まだ昭和30年代、1960年前後、戦後日本は豊かではありませんでした。
映画『Always』の舞台のような街で、「浮浪児」と呼ばれた戦災孤児もいた時代です。
みんな、貧しいながらも、必死に新しい生活を築こうと努力していた時代です。

この写真を撮ってくれた父も、今はもういません。
何の変哲もない、古びた一枚の白黒写真にも、家族の歴史が刻まれています。
母の想いと共に、僕にとっては、大事な一枚です。


缶詰の日々

2010年08月24日 11時19分28秒 | 日々の雑記

「缶詰」ってわかります?
缶に入れた、食べ物の保存食のことではなくて…。

一応、広辞苑に載ってるし、普通の日本語として認知されているとは思うのですが。
「ある場所に人を閉じ込め、外部と交渉を断った状態にしておくこと」

僕は、この8月、4日間、缶詰でした。
都内の某所、ビルの一室、たった一人で。

自宅や職場でやっても良さそうな仕事なんですけど。
秘密保持のために、データの持ち出しは厳禁だし。

指定された場所で、指定されたパソコンで。
もちろん、ネットやメールへの接続は不可で。

時間になると、お弁当とお茶が運ばれてきて。
適度に休憩は取れるものの、最後は頭がボ~ッとしてきます。

でも、僕なんかは、日帰りで、家に帰れるので、まだ良い方で。
別の人たちは、2~3泊、ホテルに缶詰で、毎日朝から深夜まで。

担当したミッションが終わるまで、続くわけです。
おかげで、同僚達との信州行きプランは、ひとりキャンセル…(泣)

亡くなった父も、昔、時々、出版社やホテルで缶詰になっていました。
子どもの耳には、「缶詰」の意味がわかりませんでした。

「お父さん、今日も明日も、缶詰みたいよ」という母の説明。
「!???(?_?;)」…幼い僕の頭の中では、サバの缶詰が宙を舞っていました。

画像は、そんな「缶詰」部屋に届けられた、昨日のお弁当。
その名も、「会議活性化弁当」効能書き付き!

「脳を活性化させる成分や、精神的疲れを取る成分の原材料を主に使用しています。
 また、揚げ物が入っていないので、胃もたれがしません。
 食後、血液が胃に集中するのを防ぎます。
 よく噛んでお召し上がり下さい。
 よく噛むという行動は、脳の咀嚼野の血流を増やし、脳を活性化します。
 良く噛むと、唾液も良く出ます。
 この唾液中のガスチンという蛋白質が味覚を敏感にし、食べ物の味をより楽しめます」

はぁ…、いらぬお節介を、どうも、ありがとうございます…。
ひとり、もそもそと、良く噛んで食べ、脳が活性化し、仕事を終えることができました…。

おかげで、缶詰も、おしまいです、おそらく、たぶん…。
いや、ひょっとしたら、もしかして、また…?!?!(>_<)


猛暑ウロウロ徘徊日記

2010年08月20日 10時58分12秒 | 日々の雑記

猛暑が続く今年の夏、毎日、炎天下の東京近辺をウロウロ、移動、徘徊しています。
予想以上に、あれやこれや、あとから、順に予定が入ってしまい…。
どこかで、誰かと、ニアミスしていたりして?
(^^)

一昨日は、清瀬と横浜・戸塚の往復。
現地の実習指導者にとっては「戦々恐々の実習巡回」だったそうで…。
僕、そんな怖いセンセイではないんですけど~。
移動だけで丸々4時間、ほとんど、口開けて寝ていました。
(^o^)

昨日は、一日、朝から夕方まで、渋谷で缶詰状態でした。
さすがに、終盤、頭がウニ状態に…。
画像は、その時出た、昼食のお弁当。
「人形町今半」美味しかったです~。
(^-^)

今日は、午前は清瀬、午後はさいたま、夜は茗荷谷。
大学と、実習巡回と、入試説明会。
暑さも一段落したのが、ちょっとうれしいです。
(^_^)

明日は、青山の国際医療福祉大学・アミティ乃木坂。
午後1時からの「精神保健医療福祉改革セミナー」、まだ空席有りです。
なんか、いつの間にか座長もやる羽目になってしまいました。
当日参加も可能ですので、どうぞお越し下さい。
(詳しいプログラムは、このブログの記事をご覧下さい)
<(_ _)>

来週、月曜日は、渋谷。
火曜日は、清瀬、小平、清瀬。
水曜日は、清瀬、渋谷。
木曜日は、清瀬、新宿。
金曜日は、清瀬、戸塚、清瀬。
土曜日は、青梅。
日曜日は、目白。
(@_@)

清瀬が多いのは、本務地である大学があるからです。
ここをベースキャンプに、あちこちに出かける訳ですが。
都心や駅までのアクセスが悪いので、移動時間がかかるのが、ちょっとね…。
(^_^;)

福祉系大学ですから、夏の実習巡回もありますしね。
僕は、それでも今年、だいぶ少なくて、近場ばかりで助かってますが。
通信教育科の専任教員の人は、本当に大変で、気の毒なくらいです。
(>_<)

学生のレポートの評価もしなきゃ…。
締め切り過ぎて、待ってもらっている原稿も書かなきゃ…。
夏休みの宿題をやる、まとまった時間が、どんどん無くなっていく…。
(*_*)

あ~、さすがに暑くて、疲れが溜まってきているのか、愚痴っぽくなりますね。
こんなぶつくさブログ、読んでも、つまらないですよね?
失礼しました!それでは、巡回指導に、行ってまいります!
(^_^)/~

大学にひとり

2010年08月13日 16時42分45秒 | 日々の雑記

大学にいます。

お盆休みの大学。

全館閉鎖中です。


誰もいません。

警備員さん以外は。

広い大学に、僕ひとりです。

なんか、贅沢な空間です。


研究室棟の廊下も真っ暗です。

冷房が入りません。

窓を開け放しています。

汗がじわっと湧いてきます。

蚊を一匹、やっつけました。


しこしこ、宿題やってます。

もう締め切りの過ぎた宿題。

今日が締め切りの宿題。

締め切り間近の宿題。

夏休みの宿題は過酷です。

来週からは、セミナーや研修会が山盛りです。


しばらく、ブログのアップもできないかも。

でも、別に国外脱出してる訳ではないので。

こりもせず、仕事してるとお考え下さい。

あとは、実習巡回で、東京近辺をウロウロ…。


さぁ、もうちょっと頑張ります!

七十二侯では、今日は寒蝉鳴く日。

暦では立秋は過ぎてるとはいえ、

まだまだ暑さ厳しき折、皆様もご自愛下さい。



識者の意見

2010年08月11日 11時21分49秒 | PSWのお仕事

何か事件の報道があると「識者の意見」が紹介されます。
その事件の当事者を知るはずもないのに、批評をします。

中には、色々背景の事情や情報を得た上で、正鵠を得たコメントを寄せている人もいます。
でも、多くはごく一般的な捉え方や、何も知らないで論評しているコメントも目立ちます。

マスコミ精神医学者としか言いようのない、困った精神科医もいます。
何が「識者の意見」なのかと、反論したくなるコメントも散見されます。

かく言う僕も、新聞の「識者の意見」にコメントを寄せたことがあります。
大学のセンセイになってから、初めて体験することでした。

ある日、新聞社の人が突然電話をしてきて、コメントを求められます。
こちらは、事件の概要等詳しいことを知りませんから、情報の提供を依頼します。

新聞社から何十枚というファックスや、添付ファイルが送られてきます。
数時間後に、あるいは翌日、記者が電話をしてきて、インタビューを受けます。

それを短いコメントに記者がまとめ、記事になります。
30分、40分お話ししても、残念ながら新聞に載る時は、ごく数行です。

いずれも、悲惨な事件でした。
「なんで…」と絶句してしまうような、事件もありました。

医療観察法では、当然ですが、精神障害者が対象事件を起こすことが前提になっています。
そして、その被害者は、多くは身内の家族であることが、知られています。

でも、一方で、精神障害者側が被害者である事件も、実は多数存在します。
追い詰められたご家族が、切羽詰まった状況で、当事者を殺めてしまう…。

マスコミで報道されるのは、事実関係のごく一部です。
オモテに出てこない、捜査資料や裁判資料を読むと、事件の背景が浮かび上がってきます。

実は、事件に至るプロセスで、専門職と呼ばれる人のかかわりの問題があったりします。
いや、むしろ、必ずと言って良いほど、専門職のかかわりのまずさが背景にあります。

それは、単に事件を予見できなかったということだけではありません。
何気ない専門職のひとことが、当事者と家族を追い詰めているのです。

もし、その場面で、その専門職が、そのひとことを、発していなければ…。
もし、その当事者が、その家族が、その病院でなく、その担当者でなければ…。

事件を取材した記者が「識者の意見」を求めるのは、単に無知なためではありません。
むしろ、事件の取材を通して、とても真摯に、実に多くのことを学んでいます。

でも、記事を書くのに、事件を伝えるのに、何か足りない点を感じているようです。
釈然としない割り切れ無さを感じて、「識者」に答えを求めているのです。

その真摯なジャーナリストとしての姿勢に、やはり真摯に向き合わなければと思います。
そして、その事件が訴えていることを、少しでも多くの人に伝えなければと思います。

いろいろな矛盾や問題が、鬱積した結果として起きているのが「事件」です。
突発的なようでも、実はそこに至るプロセスには、いろいろな原因があります。

僕は、たいした「識者」ではありません。
でも、臨床現場にいたPSWだからこそ、言える部分もあると思っています。

もし、残念な事件が起きてしまったら、皆さんも考えてみて下さい。
報道されている事実関係の背後に、どんな生活のプロセスが、生きてきた物語があるのか。

事件の当事者たちの、辛く哀しい想い…。
想像力が、彼岸の他者と、僕たちをつなぎます。



日本デイケア学会仙台大会

2010年08月05日 10時52分36秒 | イベント告知
イベント告知が続きますが、自分がかかわっている学会の宣伝もしなきゃね。
日本デイケア学会が、今年は仙台で、9月にあります。

大会長の浅野弘毅さんから、ある日メールが来て。
「一般演題分科会の座長をひとつ、お願いしたい」と。

ちょっと、その日程で仙台に行くのは無理があって「調整が必要」と返事したんですけど。
大会プログラムが届いたら、既にしっかり僕の名前が載っていました(爆!)

浅野さんとは、20年前に「東京デイケアセミナー」をやった時に来てもらったのが縁で。
批評社の雑誌『精神医療』でもお世話になってるし、無碍に断れないですよね~。

一見ちょっととっつきにくい印象がありますが、笑顔がすごい素敵なお医者さんです。
臨床を大事にしながらも生真面目な学究肌の、尊敬できる精神科医のひとりです。

それに一応、僕は、この学会の理事ということになっていて…。
おまけに一応、組織委員長ということになっていることもあり…。

さらに、さかのぼれば、この学会の立ち上げには、僕は少なからず関与しており…。
知ってる人なら、学会創設をつぶしかけた男として、僕の名前は記憶に残っているかも?

まぁ、そんな古い話はさておいて…(笑)
精神科デイケアも、一世を風靡して、いつの間にか全国に1300カ所。

でも、時の流れと共に、精神保健分野も医療から福祉へとシフトを移しつつあり。
保険診療上も、精神科デイケアは徐々に頭打ち、内実が問われるようになりました。

だからこそ、自己検証すべく、今回の大会テーマを掲げるに至ったのでしょう。
「あらためて、デイケア・デイサービスの意義を問う」…と。

単なる日中の活動場所としてのデイケアではなく、医療の場としてのデイケア。
各地で拡充してきた数多ある福祉サービスとの差別化を、どのように示せるのか…。

今のデイケアをどのように評価するかということは、これからのこの国の精神保健医療福祉を、どのように組み立てるのか、というテーマにつながるのだと思います。

シンポジウム等で、少しでもそんなテーマに肉迫して欲しいと思っています。
デイケアは、今後、はてさて、どうなるのか、どうするのか…、討論が楽しみです。


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日本デイケア学会第15回年次大会(仙台大会)のご案内

●大会テーマ「あらためて、デイケア・デイサービスの意義を問う」
●大会長:浅野弘毅(東北福祉大学せんだんホスピタル院長)
●会 期:2010年9月16日(木)~19日(日)
研修会:9月16日(木) 、学術大会:9月17日(金)18日(土)、見学会:9月19日(日)

【プログラム】
●学術大会
日時:2010年9月17日(金)・18日(土)
会場:江陽グランドホテル
参加費:会員 8,000円 一般 当日 9,000円 当事者・家族・学生 3,000円
(事前申込みは7月末で既に終わりました)

○1.特別講演
「支えあうということ」
講師:鷲田 清一(哲学者・大阪大学総長)

○2.教育講演
1)「病いと人-精神医療福祉の視点から-」
講師:佐藤 光源(東北福祉大学大学院教授・東北大学名誉教授)
2)「多機能性からみるデイケア・デイサービスのあり方」
講師:宮島 渡(高齢者総合福祉施設アザレアンさなだ総合施設長)

○3.大会長講演
「精神科デイケアのエシックス」
大会長:浅野 弘毅(東北福祉大学せんだんホスピタル院長)

○4.シンポジウム
1)「その人らしく暮らす-精神科デイケアができること-」
座長:池淵 恵美(帝京大学医学部教授)
シンポジスト
関  健 (城西病院 理事長)
福智 寿彦(すずかけクリニック院長)
伊澤 雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会 代表)
梁田 英麿(東北福祉大学せんだんホスピタル S-ACT)
特別発言
福田 祐典(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長)
2)「通うこと 集うこと-高齢者デイケア・デイサービスのこれから-」
座長:岩尾 貢(一部ユニット型指定介護老人福祉施設サンライフたきの里施設長)
シンポジスト
阪井由佳子(特定非営利法人にぎやか理事長)
中山 康子(在宅緩和ケア支援センター虹代表)
中島 鈴美(在宅リハビリテーションセンター桜新町 理学療法士)
井上 博文(小規模多機能型居宅介護シンフォニー将監施設長)
高橋 幸男(エスポアール出雲クリニック理事長)

○5.ワークショップ
1)「地域生活をフルに楽しもう -役に立つSSTの実際-」
講師:前田 ケイ(ルーテル学院大学名誉教授)
2)「こころが踊る、身体もはずむ -高齢者のダンスセラピー-」
講師:大沼 幸子(東北福祉大学健康科学部准教授)

○6.一般演題
1)うつとリワーク:5題
座長:五十嵐 良雄(メディカルケア虎ノ門院長)
2)心理教育:7題
座長:栗原 毅(中野区鷺宮保健福祉センター心理相談員)
3)高齢者1:6題
座長:土井 勝幸(老健施設せんだんの丘施設長)
4)高齢者2:6題
座長:小野寺敦志(認知症介護研究・研修東京センター研究企画主幹)
5)プログラム1:6題
座長:中野英子(札幌学院大学人文学部教授)
6)プログラム2:6題
座長:香山明美(宮城県立精神医療センター作業療法係長)
7)就労支援1:6題
座長:齋藤敏靖(東京国際大学准教授)
8)就労支援2:6題
座長:長谷川直美(デイケアクリニックほっとステーション医師)
9)デイケアのあり方:6題
座長:岩下 覚(桜ヶ丘記念病院院長)
10)健康管理:6題
座長:林みづ穂(仙台市精神保健福祉総合センター所長)
11)子ども・思春期:6題
座長:高林 健示(クボタ福祉心理研究所所長)
12)ピアサポート:6題
座長:古屋 龍太(日本社会事業大学大学院准教授)
13)導入・転帰:6題
座長:佐々木裕光(福間病院院長)
14)地域生活:6題
座長:福地 成(東北福祉大学せんだんホスピタル医師)

○7.ランチョンセミナー
1)「デイケア職員のメンタルヘルス -うつ病を中心に-」
演者:染矢 俊幸(新潟大学大学院教授)
座長:松岡 洋夫(東北大学大学院教授)
協賛:シェリング・プラウ株式会社
2)「デイケアのアクティビティを上げる為に -新規抗精神病薬の可能性-」
演者:肥田 裕久(ひだクリニック院長)       
   木村 尚美(ひだクリニック副院長)
座長:宮城 秀晃(宮城クリニック院長)
協賛:ヤンセンファーマ株式会社
3)「認知症の包括的アプローチ」
演者:鳥羽 研二(杏林大学高齢医学教授)
座長:西村 良二(福岡大学医学部精神医学教授)
協賛:エーザイ株式会社

○8.懇親会
日時:平成2010年9月17日(金) 18:00~20:00
会場:江陽グランドホテル
参加費:5000円

●研修会
日時:2010年9月16日(木) 14:30~17:30
会場:ハーネル仙台
参加費:3000円
※事前申し込み定員制 各研修会100名(先着順 大会HPより申し込み)
1.「集団(グループ)の力を活用したデイケア実践」
講師:松永 宏子(中部学院大学教授)
2.「認知症高齢者の地域生活支援(デイサービス)の実際」
講師:内出 幸美(社会福祉法人典人会理事・総所長)

●施設見学会
日 時:2010年9月19日(日)10:00~12:00
会 場:見学現地集合
参加費:1000円
※事前申し込み定員制 各コース20名(先着順 大会HPより申し込み)
Aコース:原クリニック・仙台市精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)
Bコース:東北福祉大学せんだんホスピタル
Cコース:せんだんの丘(介護老人保健施設)

●その他
本大会の研修会・学術大会は日本精神神経学会専門医ポイント(30点)が取得できます。


※画像は、猛暑の太陽照りつけるキャンパスの中庭。
 前期の授業も終わり、もはや学生の姿もまるでなく…。

出前ゼミinくまもと

2010年08月04日 10時44分49秒 | イベント告知
専門職大学院では、一昨年から「出前ゼミ」をやってます。
教員たちが、ゾロゾロと文字通り「出前」に出かけます。

入試広報活動などという下世話なものでは、ありません。
純粋に、講演と小グループに分かれてのセミナーです。

ふだん研修会など、あまり開催されない僻地(失礼!^ ^;)が対象です。
一昨年は新潟県佐渡市、昨年は青森県むつ市で、多数の参加者を得て行われました。

実はこれ、大学のフォーマルな行事というのでは全然なくて…。
卒業生たちが、現地で企画運営して、教員がお邪魔するセミナーです。

卒業生からのお誘いですから、教員たちも宿泊交通費等、まるで手弁当です。
セミナーに参加する人たちの受講料も、ほぼタダ(資料代等実費のみ)。

その代わり、地元の美味しいお酒くらいは呑ませてね、という条件です。
地元のSWたちと、おおいに夜を徹して語り合おう、というのが趣旨のゼミです。

今年の第3回目は、9月18日に熊本であります。
建設100年を迎えた芝居小屋「八千代座」が会場です。

今回、せっかくお誘い頂きながら、僕自身は別件あり、行けないのですが。
新津ふみ子さんから「大いに宣伝してねっ!」とのことなので…。

熊本県のソーシャルワーカーの皆さん!ぜひぜひ、ご参加下さいな!
プログラムは、こんな感じです↓。


※画像は、会場で使う「八千代座」の夜景。
 風情ありますよね~。
 一度は行ってみたい!
 八千代座のホームページからお借りしました。


★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


専門職大学院「出前ゼミinくまもと」のお誘い

日本社会事業大学大学院(東京都清瀬市)に福祉マネジメント研究科(専門職大学院)が併設されてから、7回生を迎え、現在約400人の卒業生が福祉サービスや教育などの現場で活動しています。
そこで、卒業生が専門職大学院での学びを活かし、自らの地域のことを自らが考え、行動することを課題とし、一昨年は新潟県佐渡市、昨年は青森県むつ市で「出前ゼミ」を開催しました。
教員は卒業生の活動を支援するという立場です。
今回の「出張ゼミ」は、熊本県出身の卒業生が企画しました。
歴史と文化のまち山鹿市、今年(2010年)、建設100周年の芝居小屋「八千代座」にて開催します。
今回のテーマは、「今、日本の社会福祉を問う!」と題して、これからの福祉サービスのあり方を考えます。
具体的には、2012年の介護報酬&診療報酬改定を見据えた地域包括ケアに関する講演、そして卒業生と教員が、それぞれの特徴を活かし「出前ゼミ」を開催します。
参加者のみなさんには、関心のあるゼミに参加していただき、大いに語り合いたいと思います。
熊本県北部地域はじめ熊本県で活動している方々、そして専門職大学院の同窓生と関係者など多くの人たちの参加を待っています。
大いに語り、学び合いましょう。

日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科
同窓生及び教員有志代表  教授 新津 ふみ子

■期 日   2010年9月18日(土)
■会 場   建設100周年 芝居小屋「八千代座」(熊本県山鹿市)
■主 催   日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科同窓生及び教員有志
         日本社会事業大学地方学会
■後援(予定)玉東町社会福祉協議会 長洲町社会福祉協議会 山鹿市社会福祉協議会
         菊池市社会福祉協議会 合志市社会福祉協議会 大津町社会福祉協議会
          菊陽町社会福祉協議会 熊本県社会福祉士会

■日程プログラム

「今、日本の社会福祉を問う!」   

○1、講演
「平成24年同時改定(介護報酬&診療報酬の改定)を見据えて~地域包括ケアの展望~」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 准教授 藤井賢一郎

○2、ゼミ
・ゼミ1「老いのこころの考える(認知症含む)」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 教授 今井幸充
・ゼミ2「職員の離職について」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 准教授 藤井賢一郎
・ゼミ3「地域で看取ること」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 客員教授 長谷方人
・ゼミ4「「介護事故に関する情報の把握と要因分析」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科 教授 新津ふみ子
・ゼミ5「子どもとともに育つ」
講師 日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科第3期卒業生 澤畑 勉

○3、意見交換会(会場:「彩(いろどり)座」) 18時から
○4、伝統芸能の夕べ(会場:「八千代座」)   20時30分から
   山鹿灯籠踊り&山鹿太鼓    ※一般観光客の皆様と同席

■宿泊施設   山鹿市内の旅館(寿三旅館、細川旅館、富士ホテル等)
■所要経費
(1)資料代 1,000円  (2)意見交換会費 5,000円
(3)宿泊費 1泊朝食付き 下記旅行社に各自申込み 
■申し込み方法
1)氏名 2)勤務先 3)連絡先(メールアドレス、電話番号、住所等) 4)希望ゼミ
5)意見交換会参加の有無 6)宿泊の有無(17日&18日)
[締め切りは8月15日(金)]

【申し込み・連絡先】
旅のよろこび株式会社(熊本県知事登録旅行業 第2-219号)
総合旅行業務取扱管理者 宮川 和夫
PCmail info@tabinoyorokobi.com   ファクス 096-345-0812
電話 096-345-0811

夏休みの予定表

2010年08月03日 12時14分13秒 | 大学という場所
僕の研究室のドアには、こんな予定表がぶら下がっています。
1ヶ月、いつ大学に来ているか、伝えるものです。
マグネットシートを、毎月しこしこ貼っています。

緑色の部分が、大学への出校日。
黄色の部分が、外勤・出張予定の日。
空白の白い部分が、一応オフの日ということになります。

半分になっている日は、半日で移動する日。
その日の左側が午前、右側が午後です。
(夜の会議予定までは、載せていません)

8月の予定を見ると、やたら黄色の外に出る日が多いです。
7月までの予定は、緑色の表示がほとんどだったんですけど。
だいたい日曜日を除いて、週6日、大学に来ていましたから。

夏本番、この時期だけのイヤ~な外勤仕事もありますし。
未だ病院で非常勤PSWもしてますし、実習巡回指導もありますし。
猛暑の日射しの中、東京近辺をウロウロしています。

もちろん、あくまでも予定ですから、変わることも多々あります。
日にちがたつと、どんどん予定が入ってきますし。
本当は最初、8月はもう少し休めるかと思ったんですけどね…(泣)。

大学のセンセイって、夏休み、無いでしょう?
少なくとも福祉系大学の教員の「夏休み」って、こんなものですよ。
授業が無いだけであって、宿題や会議や外勤が盛りだくさん。

病院時代の方が、完全週休2日だったので、土日は休みでした。
夏休みだって、短いながら3日間は最低あったんですけどね。
年休を組み合わせて、それなりに旅行に行くことも出来たんですが、今は……。

あ~、因果な仕事だ~。
あ~、夏休みが欲しい~。
あ~、学生がうらやましい~。

(^_^;)

医療福祉連携士の講習会スタート

2010年08月02日 11時21分47秒 | 日々の雑記
日曜日、根津の日本医科大学に行って来ました。
日本医療マネジメント学会の「医療福祉連携講習会」スタートです。

受講生は100名ちょっと、北は青森県から、南は沖縄県まで。
一番多いのが看護師さんで、2番目がMSW、3番目が診療情報管理士の方、えとせとら。

今回は第1クール、共通科目講習会で、土日みっちり二日間。

0.開講式・オリエンテーション
  宮 久義(日本医療マネジメント学会理事長)
1.「地域医療連携」
  武藤 正樹(国際医療福祉大学大学院教授)
2.「医療政策・関係法規」
  大久保一郎(筑波大学大学院教授)
3.「医療保険制度・診療報酬」
  大久保一郎(筑波大学大学院教授)
4.「病院運営」
  高橋 俊毅(国立病院機構横浜医療センター院長)
5.「医療情報システム」
  津村  宏(東京医療保健大学医療保健学部教授)
6.「ケアマネジメント論」
  古屋 龍太(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
7.「在宅医療概論」
  岡田 晋吾(北美原クリニック理事長)
8.「カウンセリング概論」
  矢永由里子(エイズ予防財団企画課長)



科目名を見てわかるとおり、お堅い政策・制度・法律と続き、受講生も疲れたご様子。
津村宏さんの医療連携ITの話には、臨床職種はアパシー状態の人もいたみたい?(笑)

その流れでは、僕の担当科目はちょっと浮いていたけど、臨床に近かったのかも?
少なくとも、僕の話に頷きながら聞いてくれてる人が多くて、僕は救われました(笑)
ごく短いワークも取り入れましたが、皆さん、堰を切ったように話し始めてました。
当事者主体、ストレングス視点のケアマネ展開って、少しでも伝わりましたかね…?


でも、一番すごかったのは、函館から来てくれた岡田晋吾さんのお話し。
8年前診療所を始めてからの、在宅療養支援の実践を、ユーモアたっぷりに話してくれて。
最期の看取りに至る、多くの事例の物語を紹介しながら、地域連携を語ってくれました。

「病室内でできることはすべて在宅でできる。むしろ家でしかできないこともある」

「病院のスタッフは地域を知らず、地域のスタッフは病院の現状を知らない。
 知らない者同士の間を、患者と家族は右往左往させられる」

「かかりつけ医の現場は患者が生活する場所。医療モデルではなく生活モデルのかかわり」

「どう死ぬかということは、実はどう生きるかということ。
 在宅での看取りは患者さんの人生に深く触れ、物語に参加できる、しあわせな体験」

町医者として奮闘している岡田さんの言葉は、とても深く、僕には響きました。
「先生の話、とても、なんというか…嬉しかったです」
初対面なので、名刺をお渡ししてご挨拶したら、笑顔を返してくれました。
とんぼ返りで函館に戻られましたが、夜丁寧なメールを頂戴しました。


続く矢永由里子さんの講義は、僕以上にワーク中心の組み立てでした。
受講生達も、後半でずいぶん顔もほぐれて、名刺交換などしてました。



形式的な医療連携業務が跋扈しがちな中で、いかに血の通った「連携」が組めるか。
単に患者さんが医療機関を移動するのではなく、生きる目標に沿った「連携」を組めるか。
カルテ情報開示のITネットワークも活用しながら、顔の見える「連携」を組めるか。
医療機関の都合ではない、個々の生き方に添ったオーダーメイドの「連携」を組めるか。

この医療福祉連携士が、今後どのように育っていくのかは、まったくわかりませんが。
医療福祉連携の最も遅れている精神科出身の僕にとっては、なかなか刺激的な場でした。


次回クールは、8月28日・29日、共通科目(クリティカルパス講習)。
その後も、9月の専門科目、10月の課題講習と、週末講習会が続きます。

その間に、各種施設での実習もあるので、受講生は本当に大変ですが…。
どうか、身体に気をつけて、気合いでこの夏を乗り切って下さい!
(^_^)/~~~