PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

「精神医療」誌で精神国賠の特集号

2021年10月31日 08時38分45秒 | 出版案内

第5次「精神医療」編集委員の古屋です。

編集責任を担った第3号が刊行されました。

「特集:精神医療国家賠償請求訴訟―その背景と現段階」です。

精神国賠をめぐって、初めての本が出来上がりました。

 

本来は、10月20日発刊予定だったのですが。

諸々の事情により、少し刊行が遅れてしまい、大変お待たせしました。

精神国賠の提訴に至る経過、法理論構成、課題が、この1冊で分かります。

精神国賠をどのように考えるか、多様な立場の方々に執筆していただきました。

 

まず、冒頭の座談会では、精神国賠原告の伊藤さん、家族の野村さん、

ジャーナリストの織田さん、精神国賠研代表の東谷さん。

弁護士では、精神国賠の原告弁護団の長谷川敬介さん。

同じく弁護士で、ハンセン病国賠訴訟弁護団の八尋光秀さん。

ジャーナリストで、神奈川精神医療人権センターの佐藤光展さん。

精神保健福祉士としては、北海道十勝の門屋充郎さん。

当事者では、東京で「精神障害当事者会ポルケ」を主宰の山田悠平さん。

精神科医としては、責任編集を一緒に担当した多摩あおば病院の中島直さん。

精神科看護では、今は訪問看護に取り組む有我譲慶さん。

 

とても贅沢な顔ぶれで、それぞれの切り口に唸らされます。

その他の特集以外の記事や連載も、例によって盛り沢山です。

お忙しい中、執筆にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

願わくば、多くの方に手に取り目を通していただきたい1冊です。

(自身の巻頭言は、ちょっと力が入り過ぎかもと反省していますが)

 

精神医療(第5次)第3号

「特集:精神医療国家賠償請求訴訟―その背景と現段階」

責任編集:古屋龍太・中島直

 

【 巻頭言 】

○精神医療国家賠償請求訴訟が問う国家の不作為

-問われる精神医療政策の歴史、この国のかたちと私たち-

古屋龍太

【 特集 】精神医療国家賠償請求訴訟-その背景と現段階-

○座談会:精神医療国家賠償請求訴訟の位置と意義-ここまでとこれから-

伊藤時男・織田淳太郎・野村忠良・東谷幸政・古屋龍太

○精神国賠原告弁護団の立場から

長谷川敬祐

○ハンセン病国賠訴訟の場合

八尋光秀

○患者たちはもう黙っていない!!

精神医療ユーザーが創る精神医療の未来

佐藤光展

○国賠 そこまでいかなければならなかった日本の精神医療

~きわめて私的な体験をもとに精神保健福祉士として考える~

門屋充郎

○問われるべき人権と精神医療

~個人の内面化と社会の規範化を見据えて~

山田悠平

○精神医療国家賠償請求-意義、臨床との関連、疑念-

中島 直

○尊厳なき精神医療政策が生む人生被害

有我譲慶

 

【 視点63 】

○精神医療に期待されるヤングケアラーへの対応

森田久美子

【 視点 】精神現象論の展開〈14〉

○私たちは〈時代の子〉(3)

森山公夫

【 連載エッセイ 】バンダのバリエーション〈3〉

○やや節操をかいたバンダ(その 3)

塚本千秋

【 連載 】リエゾン精神看護事例検討会〈3〉

○コロナ禍におけるコンサルテーション

-covid19クラスターを体験して-

山崎陽子・中安隆志

【 リレー連載 】精神医療人権センターから〈3〉

○大阪精神医療人権センターから

藤原理枝

【 書評 】

○岡村正幸編著(ミネルヴァ書房)

『精神保健福祉システムの再構築 非拘束社会の地平』

國重智宏

【 紹介 】

○古屋龍太・大島巌編著(ミネルヴァ書房)

『精神科病院と地域支援者をつなぐ みんなの退院促進プログラム

~実践マニュアル&戦略ガイドライン』

添田雅宏

【 投稿 】

○三枚橋病院私史

~歴史と向かい合い、検証し、語り継ぐために~(前編)

中田 駿

 

○編集後記

中島 直

 

編集:第 5 次『精神医療』編集委員会

https://www.facebook.com/seishiniryou05/

発行:M.C.MUSE Inc.

https://www.mcmuse.co.jp/psychiatric/

価格:1,870円(税抜価格1,700円)

ISBN:978-4-904110-26-3

 

※全国の書店、Amazonや楽天等のネットから注文できます。

※定期購読(1年単位)ご希望の方は、下記事務局にご連絡ください。

 第5次『精神医療』編集委員会事務局 Mail:tachikawa-ss@nifty.com


奈良での精神国賠学習会を限定配信

2021年10月19日 15時30分56秒 | イベント告知

日々慌ただしく仕事に追われ、1ヶ月半もブログの更新ができていませんでした。

この間のトピックスを、一つ記すとすると、奈良にお邪魔して学習会がありました。

「精神医療国家賠償請求訴訟を応援する奈良県民の会」の主催です。

奈良県は、全国に先駆けて、精神国賠の横断的組織を立ち上げてくれました。

 

当日は、会場に20名、Zoomで50名の方が参加してくれました。

質疑応答を含めて、みっちり3時間、精神国賠をめぐって話ができました。

当事者・家族の方々から、多くの質問や意見をいただくことができました。

いただいたご意見は、今後の精神国賠の運動に、ぜひ活かしていきたいと思います。

 

若い精神保健福祉士の方が、多数参加してくださったことも印象的でした。

「知ることから始めよう」というキャッチーなコピーゆえかも知れませんが。

各現場でもやもやとした葛藤を抱えながら、日々の仕事をしているためでしょうか。

「知る」ことから、「おかしい」ことを言葉にしていく第一歩になればと願います。

 

当日のZoom録画を、限定公開でYouTube配信していただけるそうです。

ちょっと長丁場ですが、興味関心のある方は、下記にお問い合わせください。

当日使用の報告資料は、身近な方との勉強会等での使用は差し支えありません。

ただ、裁判に関わる資料も含まれますので、ネット等での拡散はご遠慮ください。

 

事務局の刀根さんはじめ、関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

裁判は今年始まったばかりで、結構長い道のりになるかと思います。

各地で、奈良県と同様の取組みが行われれば、大きな動きになります。

関係者の意識が変わるムーブメントづくりを、ご一緒に追求しましょう。

 

※画像は、平城宮跡地に復元された朱雀門

精神医療国家賠償請求訴訟を応援する奈良県民の会 学習会

長期入院を問う!

精神医療国家賠償請求訴訟とは何か?

~知ることから始めよう~

★☆YouTube 限定配信します☆★

2021 年 10 月3日、精神医療国家賠償請求訴訟研究会事務局長の古屋龍太氏を話題提供者に招いて長期入院の問題、精神医療の歴史について学習会を開催しました。

大好評だったため限定配信します。

日頃インターネットをされていれば、簡単に視聴できますので、是非お申し込みください。

 

主催:精神医療国家賠償請求訴訟を応援する奈良県民の会

お問い合わせ先:刀根治久 seisinkokubaiouennaranokai@yahoo.co.jp

日時:令和 3 年 11 月1日(月)~ 11 月 15 日(月)まで

申込締め切り:10 月 29 日(金)

話題提供者 古屋龍太氏 (日本社会事業大学 教授)

場所:YouTube

申し込みいただいた方に配信の数日前に URL をお伝えします。

参加費:無料

お申込みは seisinkokubaiouennaranokai@yahoo.co.jp に①所属、②氏名、③メール

アドレスをお送りください。

お申込みいただいた方には配信数日前に事務局より返信させていただきますのでご確認ください。