PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

病院・地域精神医学誌のこと

2012年04月30日 01時00分41秒 | PSWのお仕事

僕が日本病院・地域精神医学会に積極的に関わり始めたのは、1984年からです。
大学を卒業し、国立武蔵療養所(当時)に勤務し始めたのが、1982年ですから、
僕の病院PSWとしての足跡とともに、常に身近にある学会でした。

1984年、三重県立高茶屋病院(当時)から、国立武蔵療養所に学会事務局が移りました。
事務局担当理事に樋田精一さんが就任し、僕も学会誌の編集実務を担うようになりました。
事務局実務は、僕の大学の後輩の韮澤明さん(現・成城墨岡クリニック)が担いました。

1984年、昭和59年と言えば、ご存じの通り「報徳会宇都宮病院事件」があった年です。
当時の学会理事長の広田伊蘇夫さんは、国内外で八面六臂の活動を展開していました。
海外の外圧もあり、50年続いた精神衛生法が精神保健法に代わる契機となりました。

学会誌の編集に関わり始めたのは、まさにそのような動きの渦中でした。
第27回郡山総会から、学会名称が「病院・地域精神医学会」に変わりました。
それまでの「病院精神医学会」から、地域での生活支援へと踏み出した時期でした。

学会誌通巻第76集、郡山総会報告集作製が、僕の最初の仕事でした。
第78集では「季刊病院精神医学」の既刊総目次を作成しました。
今のようなパソコンデータもない時代、創刊号からの目次を手書きで原稿化しました。

第100集刊行時には、創刊以来の通巻1~100集の総目次を作成しました。
PSWの小田敏雄さん(現・田園調布学園大学)に手伝ってもらいました。
一般演題の共同演者一人ひとりの名前まで、手書きですべて原稿化しました。

1992年5月発行の通巻103号から、巻号制とし、判型をA5版からA4版にしました。
当時まだA4版の雑誌は珍しく、「本棚に入らないよ」と文句を言われたりしました。
「いずれ、これが標準サイズになる」と、判型変更への理解を求めました(通巻104号)。

以来、PSWの中村正利さん(昨年末死去)、保健学の大島巌さん(現・日本社会事業大学)
医師の白石弘巳さん(現・東洋大学)と編集委員長は引き継がれてきました。
多くのPSWたちも、編集委員や編集事務局員としてかかわってきました。

僕自身は、1984年~2000年、通巻76集~139号まで、編集実務を担っていました。
その後、2001年~2003年は編集委員として、2004年~は査読委員として関わっています。
1984年以来、いつのまにか足掛け30年、この雑誌の編集に関与してきたことになります。

総会のテープ起こしを、子どもが寝静まってから夜中の2時くらいまでしていたり、
昼間の仕事が終わってから、夜印刷屋さんに出かけて地道な校正作業をしていたり、
限られた期間内で書いてくれる人がいないので、仕方なく原稿執筆をしたり…。

年4回の雑誌を、ボランティアの素人だけで編集し、刊行し続けるって、大変なことです。
それでも、この雑誌に関わることで、ずいぶんたくさんのことを学ばせて頂きました。
少なくとも、約20年間、全ページに目を通していたのは、全国で僕だけかも知れません。

そんな関わりもあって、いつの間にか「生き字引」のように思われてしまったようで。
通巻150号記念号や学会創立50周年記念号には、年表を書かされたり(150号、173号)、
全体状況の変化と学会の課題というテーマで書かされたりしています(通巻154号)。

最近この学会も、高齢化傾向が著しく、総会議事に出ると白髪頭ばかり目立ちます。
発表は若い人も多く、いい取り組み実践が、たくさん報告されているにも関わらず。
精神保健医療福祉の意識変化とともに、組織の新陳代謝が必要なんでしょうね。

大学で若い学生たちに昭和の歴史を語っていると、今ひとつピンとこないようです。
「Y問題」も「宇都宮病院」も既に歴史的事項で、教えてない学校すらあるようです。
若い多職種スタッフに歴史を伝えていくことは、学会にとっても今後大きな課題ですね。


長期在院精神障害者の地域移行支援

2012年04月27日 12時48分27秒 | イベント告知

本の宣伝ばかり立て続けで、なんか恐縮ですが。
昨年度末に、ブックレットを1冊出しました。

『長期在院精神障害者の地域移行支援』というものです。
専門職大学院の夜間公開講座「退院・地域移行支援ソーシャルワーク」の講義録です。

論文ではなく、テープ起こし原稿ですから、です・ます調の気軽な読み物です。
A5判110ページほどですから、結構すぐに読めると思います。

ただ、こんな薄いブックレットでも、思いがけず製作には時間を要しました。
400字詰め原稿用紙に換算して、たかだか200枚程度なんですが。

そもそも話し口調の原稿を、文字にするというのは、別原稿を書くようなものです。
不正確ですし、時間が経てば経つほど、自分の話した内容のアラが目立ってきます。

元々は6時間(90分×4コマ)の授業ですから、ケバ取り原稿でも400枚近くになります。
それを圧縮して、読み言葉に整文していく作業は、結構面倒なものです。

単発の1時間程度の講演録なら、もっと気軽に赤字を入れれば良いのでしょうけど。
まがりなりにも本になると思うと、「う~ん…」と頭を抱えて悩んでしまいます。

日常の業務で追われていることもあり、自分の単独仕事は後回しにせざるを得ません。
中々一人になる時間もない中で、校正作業はズルズルと先延ばしになってしまいました。

結局、2回の校正整文作業だけなのに、講義から発刊まで2年余りが経ってしまいました。
諦めずに笑顔で付き合ってくれた、編集の浜尾さんには、本当に感謝しています。

昨年12月に「近日発刊」というチラシまで作製して頂きながら、4ヶ月かかりました。
チラシを受け取った皆さん、今度こそ、今度こそ本当に出ましたので、ご笑覧下さい。

こんな地味なテーマの冊子が、そんなに売れる訳ないと、自分でも思いつつ。
これから、あちこちで行商させて頂きますので、よろしくお願いします。


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ブックレットシリーズ
日本社会事業大学専門社会福祉士講座No.10

『長期在院精神障害者の地域移行支援~病院と地域の実践から~』
古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)

目次

第1章 精神障害者が退院できない日本
退院促進と地域移行
入院患者を増加させた精神衛生法
急増した精神病院
措置入院患者の急増
「ライシャワー事件」と精神衛生法の改正
「社会復帰」への階段
宇都宮病院事件
精神保健法への改正
入院患者の年齢分布
退院促進への流れと現実
「あり方検討会」の報告書から
なぜ退院することができないのか
「施設症」と病院の現実
退院を妨げる地域と行政の問題
退院・地域移行を進める取り組み

第2章 退院促進モデル病棟の実践
「退院」がタブーの社会復帰病棟で
退院準備プログラムを行うにあたって
プログラムの実行
病院内でのプログラムの概要
病院の外へ出かける
プログラムの結果から
退院率の違いの原因
作業療法での取り組み
地域探検隊-買い物・援護寮
地域探検隊-グループホーム
地域探検隊-地域生活支援センターなど
家族懇談会
不動産業者との連携
ケア会議
退院後のケア
退院への動きの変化
PSWの配置と役割
患者さん側の変化
本人がやることによる効果
退院へのワーカーの動き
家族の変化
病棟の変化
病院の入院期間について
退院先
モデル実践病棟で明らかになったこと

第3章 環境評価と退院準備
退院環境評価ということ
具体的な評価項目
評価の目安
評価の具体例
評価の予備試行調査
評価者の背景
病院・地域の評価
病棟用のツール
退院チェックリストの利用
退院チェックリストの使用例-退院先
退院チェックリストの使用例-お金
チェックリストの進め方
生活準備チェックリスト
チェックリストの効果と課題

第4章 地域移行支援事業の取り組み
大阪での取り組み
国での取り組み
退院促進支援から地域移行支援へ
退院促進支援事業の問題点
自立支援員の役割
自治体と病院の間にある壁
自治体による広報活動
サービスの実施
地域移行推進員の雇用形態と事業の財政
帯広・十勝圏域の取り組み
東京「巣立ち会」の取り組み
埼玉「ふれんだむ」の取り組み
効果的援助要素
地域による運営の違い
地域移行におけるピアサポーターの存在
退院後のさまざまな取り組み
患者さんの思い
脱施設化に向けて
地域移行・地域定着支援事業へ
障害福祉サービスとしての地域移行支援へ
おわりに

参考資料:平成24年度障害福祉サービス等報酬改定の基本方針(案)抜粋
あとがき

社会保険研究所発行
2012年3月31日第1刷発行
ISBN 978-4-7894-7690-4
定価:840円(本体800円+税)



精神保健福祉に関する制度とサービス

2012年04月26日 21時51分37秒 | イベント告知

前回の記事で紹介したほかに、この4月に、もう1冊教科書を出しています。
精神保健福祉士新カリキュラムに盛られた『精神保健福祉に関する制度とサービス』です。

旧「精神保健福祉論」のうち、精神障害者に関連する法規が盛られています。
相談支援にあたり、最低限知っておくべき社会資源の知識を網羅する科目といえます。
今までと大きく違うのは、更生保護制度と社会調査が加えられたことです。
更生保護制度が盛り込まれたのは、PSWのかかわる領域の拡大を表しています。
社会調査は、PSWが今後社会に発信していく方法を理解することを求められています。

実は今回、発行が遅れたことで、とても困ったことがあります。
今年の1月~3月に、障害者福祉の制度改革に大きな動きがあったからです。

それまでは、昨年夏に示された「障害者総合福祉法骨格案」がベースになって、
今後の障害者福祉制度の法改正・改革がすすむものと、大方では想定されていました。
障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会の議論が反映されると、期待もされていました。
最近出版された各社の教科書は、みんな、そのような記述で締め括られているはずです。

今回発行した弘文堂の教科書でも、当初はそのような原稿でまとめられていました。
未来志向の改革の方向をも示す教科書にできればと、各執筆者にお願いもしていました。

しかし、今年2月以降、まったく異なる動きが出てきたことは、ご存じのとおりです。
2月8日の総合福祉部会に、厚生労働省の法改正案が示され、物議を醸しました。
2月22日には、厚生労働省は「障害者生活総合支援法案」を発表しました。
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律案」です。

障害者自立支援法を廃止し、介護保険統合路線への決別を宣言した総合福祉部会。
これに対して、従来の障害者自立支援法の一部改正による新法を提起した厚生労働省。
両者の基本姿勢は真っ向から対立するものでしたし、何も調整されていませんでした。
厚生労働省からすれば、すべて織り込み済みの新法提起ではあったのでしょうが。

民主党の調整により、その後、法案略称は「障害者総合支援法」に変更されました。
3月1日に民主党厚生労働部門会議に、厚生労働省の最終修正案が提示されました。
3月上旬、党の障害者ワーキングチームで総合福祉部会・各団体のヒアリングが行われ、 
3月13日には閣議決定されて今国会に上程、2013年4月施行予定という動きです。

これら2月~3月の一連の動向については、ネット上で周知の通りです。
こうした動きに目をつぶったまま、新しい教科書を発行することはできませんでした。
該当箇所の執筆者には、ゲラ刷り段階で原稿の修正をお願いすることになりました。
ズルズルと発行日が遅れることは目に見えていましたが、仕方ありません。
僕自身は「迷走する障害者福祉施策」という短文を、テキストに追加しました。

2003年の支援費制度施行。
2006年の障害者自立支援法施行。
2009年の障害者支援法廃止決定。
2010年の障害者自立支援法改正。
2011年の障害者総合福祉法骨格案提示。
2012年の障害者総合支援法閣議決定、国会上程…。

わずか10年の間に、入れ替わり立ち替わり新法が登場し退場する、今の政治の舞台。
学生たちに現状をどのように伝えるのか、教員たちも頭の痛いところです。
先行きは不透明ですが、学生たちが自ら思考する素材として活かしたいと思います。

法律や制度は、時代意識により形成され、またその時代意識を再形成します。
現在あるその制度には、どのような思潮、どのような人間観が背景にあるのか。
時の流れとともに、人々の意識は、どのように新陳代謝してきているのか。
制度疲労を起こしている制度の改革には、どのようなソーシャルアクションが必要なのか。
新しい時代の新しい法制度を、思考する精神保健福祉士であって欲しいと思います。

現状踏襲でなく、当事者の生活の実情、現場の実践から、制度の改革を発信し続ける。
矛盾に満ちた現実を地道に変革する、そんな、PSWであって欲しいと思います。

無味乾燥な教科書と思われるでしょうが、編者として、そんな想いは込めたつもりです。
当事者3名の方にご執筆頂いたほか、現場PSWからの発信を盛り込んでいます。
よろしければ、ご一読ください。


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福祉臨床シリーズ編集委員会編
精神保健福祉士シリーズ第5巻
『精神保健福祉に関する制度とサービス
~精神保健福祉論・サービスシステム論』

責任編集=古屋龍太(日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科)

はじめに:古屋龍太(日本社会事業大学)

序章 社会福祉と精神保健福祉:古屋龍太(日本社会事業大学)
 1 制度と人間        
 2 社会福祉法と精神保健福祉法

第1章 精神保健福祉法
 1 現行法に至るまでの法律の変遷:西澤利朗(目白大学)・中越章乃(神奈川県立保健福祉大学)
 2 精神保健福祉法の基本的内容:大野和男(NPOぴあ三浦)
 3 精神保健福祉法における精神保健福祉士の役割:中越章乃(神奈川県立保健福祉大学)
 ・コラム:日本の精神医療保健福祉の現実:広田和子(精神医療サバイバー)

第2章 精神障害者福祉制度の概要と福祉サービス
 1 障害者基本法と精神障害者施策:古屋龍太(日本社会事業大学)
 2 障害者自立支援法における精神障害者の福祉サービス:大野和男(NPOぴあ三浦)
 3 精神障害者を対象とした福祉施策・事業:大野和男(NPOぴあ三浦)
 ・コラム:障害者自立支援法の影響と現場:伊澤雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会)

第3章 精神障害者に関連する社会保障制度:金成透(所沢慈光病院)
 1 医療保険制度 
 2 介護保険制度
 3 経済的支援に関する制度
 ・コラム:当事者から見た制度・サービスの意味:火弟酉(精神科デイケア利用者)

第4章 相談援助のサービス提供者
 1 行政組織と民間組織の役割:大石信弘(精神保健福祉士事務所静岡まちとも)
 2 福祉サービス提供施設・機関:大石信弘(精神保健福祉士事務所静岡まちとも)
 3 インフォーマルな社会資源:四方田清(順天堂大学)
 4 専門職と地域住民の役割と実際:行實志都子(文京学院大学)
 5 相談援助サービス提供者間の連携と協働:北本明日香(日本社会事業大学)
 ・コラム:地域移行を通しての街づくり:田尾有樹子(巣立ち会)  

第5章 更生保護制度
 1 更生保護制度と精神障害者福祉:三澤孝夫(国立精神・神経医療研究センター)
 2 更生保護制度とその担い手:御厨勝則(日本社会事業大学)
 3 司法・医療・福祉の連携:御厨勝則(日本社会事業大学)
 4 保護観察所の役割:門脇甲太郎(福島保護観察所)
 ・コラム:出所者の地域生活定着支援:原 恭子(埼玉県地域生活定着支援センター)

第6章 医療観察法
 1 医療観察法の意義と内容:佐藤三四郎(東京福祉大学)
 2 社会復帰調整官の役割:佐賀大一郎(東京保護観察所)
 3 精神保健参与員の役割:三澤孝夫(国立精神・神経医療研究センター)
 4 入院処遇と通院処遇:三澤孝夫(国立精神・神経医療研究センター)
 5 医療観察法における精神保健福祉士の役割:佐藤三四郎(東京福祉大学)
 ・コラム:「私の仕事」についての雑感:佐賀大一郎(東京保護観察所)

第7章 社会資源に関する社会調査:藤井賢一郎(日本社会事業大学)
 1 社会調査の意義と目的  
 2 社会調査の対象   
 3 社会調査における倫理
 4 量的調査の方法と活用
 5 質的調査の方法と活用
 6 ICTの活用方法   
 ・コラム:まあ十分ルール:澤田優美子(日本社会事業大学大学院)

終章 精神障害者にとっての制度とサービスの意味:古屋龍太(日本社会事業大学)
1 ケアサービスのマネジメント 
2 精神保健福祉士のかかわり 

キーワード集:吉澤豊(日本福祉教育専門学校)
索引

弘文堂刊
定価:本体2700円+税
2012年4月30日初版1刷発行
ISBN 978-4-335-61107-0

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

2012年04月16日 23時29分42秒 | イベント告知

恥ずかしながら、この度、教科書を出しました。
弘文堂の「精神保健福祉士シリーズ」のテキストです。
今年度のカリキュラム改訂に合わせて、発行したものです。

今回編集をさせて頂いたのは、第5巻『精神保健福祉の理論と相談援助の展開1』です。
旧科目の「精神科リハビリテーション学」をベースに、再編された科目です。
旧「精神保健福祉援助技術各論」の一部をミックスした形になっています。

かつては、精神科リハビリテーション学に精通した医師たちが執筆していた科目です。
あえて今回は、現場経験豊かなPSW14人を中心とする執筆陣を組みました。
既に、精神科デイケアをはじめとして、現場の主戦力になっているのはPSWですし。
PSW自身による、PSWのための教科書づくりを目指しました。

医師は1人だけ、アンチスティグマ活動を展開している高橋清久さんにお願いしました。
作業療法士では、苅山和生さん、比留間ちづ子さんに協力して頂きました。
心理の立場からは、佐藤さやかさんにSSTをリアルに記して頂きました。

また、この種の教科書としては異例かも知れませんが、
精神保健福祉ユーザーの当事者の方々にも、執筆をお願いしました。
澤田優美子さん、火弟酉さん、増川信浩さんが受けて下さいました。
それぞれ短いコラムの形ですが、学生の心に届く言葉を綴ってくれました。

あくまでも教科書ですから、厚生労働省の示したシラバスに対応した項目内容ですが。
同じ事柄でも、どのような視点から言葉を綴るのかによって、伝わる内容は異なります。
何よりも、現場と遊離しない、血の通った、生きた言葉の教科書を目指しました。
他出版社の教科書と比べても、メッセージ性の強い、特色あるものになったと自負します。

ただ、この教科書、ひとつ問題があります。
どこの学校も、当然4月から新学期の授業が始まり、新しい教科書が使われるのですが…。
この本ができあがって、全国に配本が始まったのが先週。
発行日を記した奥付は、なんと4月30日…。
教科書の作成が、4月の新学期に間に合いませんでした!(>_<)

そんなこんなで、せっかく頑張って作った教科書ですが、ほとんど採用校がありません。
初年度は、ほとんど売れないと覚悟しなきゃいけません。
次年度以降、採用を検討してくれる学校が増えることを期待しつつ…。

新しいカリキュラムの教科書に目を通してみたいという方、どうかご購入下さい。
目次校正および執筆者は、下記の通りです。


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福祉臨床シリーズ編集委員会編
精神保健福祉士シリーズ第5巻
『精神保健福祉の理論と相談援助の展開1
~精神保健福祉援助技術各論・精神科リハビリテーション』

責任編集=古屋龍太(日本社会事業大学大学院福祉マネジメント研究科)

はじめに:古屋龍太(日本社会事業大学)

第1部 精神保健医療福祉と精神保健福祉士
精神保健福祉士のミッション:古屋龍太(日本社会事業大学)

第1章 精神保健医療福祉の歴史と動向:古屋龍太(日本社会事業大学)
 1.精神医療と社会
 2.日本の精神保健医療福祉の変遷 
 3.諸外国の精神保健医療福祉の変遷
 4.日本の精神保健医療福祉の課題 
 コラム 相馬事件と宇都宮病院事件:古屋龍太(日本社会事業大学)

第2章 精神障害者支援の基本:大塚淳子(日本精神保健福祉士協会)
 1.精神障害者支援の理念
 2.精神障害者の人権擁護の思想
 コラム 精神科病院の不祥事件~バス遠足は行政監査の日:大塚淳子(日本精神保健福祉士協会)

第3章 精神保健福祉士の精神障害者支援 
 1.日本における精神保健福祉士の活動の歴史:吉川公章(福井県立大学)
 2.精神保健医療福祉領域における支援対象者:井上牧子(目白大学)
 3.援助者と支援対象者との相互関係のあり方:井上牧子(目白大学)
 コラム 対等な関係とは何か:澤田優美子(日本社会事業大学大学院)

第2部 精神科リハビリテーションと精神保健福祉士
リカバリー志向のリハビリテーション:古屋龍太(日本社会事業大学)

第4章 精神科リハビリテーションとは何か:長沼葉月(首都大学東京)
 1.精神科リハビリテーションの概念
 2.精神科リハビリテーションの理念
 3.精神科リハビリテーションの基本原則
 4.精神科リハビリテーションの意義
 コラム 「精神科リハビリテーション」の前夜とこれから:比留間ちづ子(若年認知症社会参加支援センター・ジョイント)

第5章 精神科リハビリテーションの構成と展開
 1.精神科リハビリテーションの構成:大山勉(東海学院大学)
 2.地域社会に根ざしたリハビリテーション:城田晴夫(帝京平成大学)
 コラム 一杯のジュースから:添田雅宏(日本社会事業大学)

第6章 精神科リハビリテーションのプロセス:斎藤敏靖(東京国際大学)
 1.受理(インテーク)と動機づけ
 2.リハビリテーション診断
 3.リハビリテーション計画
 4.アプローチ(リハビリテーション介入)の方法と効果の評価
 コラム アルコール依存症の専門医療機関におけるリハビリテーション:北本明日香(日本社会事業大学)

第7章 医療機関における専門療法としてのリハビリテーション
 1.作業療法及びレクリエーション療法:苅山和生(佛教大学)
 2.集団精神療法:小田敏雄(田園調布学園大学)
 3.SST(生活技能訓練):佐藤さやか(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
 4.精神科デイケア・ナイトケア:古屋龍太(日本社会事業大学)
 5.アウトリーチサービス:贄川信幸(日本社会事業大学)
 6.家族教育プログラム:贄川信幸(日本社会事業大学)
 コラム ねこのおばさん:添田雅宏(日本社会事業大学)

第8章 多職種協働による精神科リハビリテーション:古屋龍太(日本社会事業大学)
 1.精神科チーム医療の概要
 2.多職種との協働・連携の技術
 3.リハビリテーションチームにおける精神保健福祉士の役割
 コラム デイケアに通って:火弟酉(精神科デイケア利用者)

第9章 人間性回復のためのリハビリテーション
 1.リカバリーの展開:城田晴夫(帝京平成大学)
 2.ピアカウンセリング:中村 幸(福岡県人権施策推進懇話会)
 3.多文化ソーシャルワーク:中村 幸(福岡県人権施策推進懇話会)
 4.アンチスティグマ:高橋清久(財団法人精神・神経科学振興財団)
 コラム WRAPを通してのリカバリー~自分の専門家は自分自身:増川信浩(WRAPファシリテーター)

巻末 キーワード集:長坂和則(静岡福祉大学)
           
発行:弘文堂
定価:本体2700円+税
ISBN978-4-335-61105-6

学内学会の演題募集

2012年04月06日 13時38分04秒 | イベント告知

今年も6月23~24日に「社大福祉フォーラム2012」を開催します。
正式な名称は「第51回日本社会事業大学社会福祉学会」です。

いわゆる「学内学会」ですが、広く学外・市民の方にも開かれています。
調査研究等の報告はもちろん、各福祉現場で働く実務者の実践交流集会でもあります。

今回と次年度の大会メインテーマは「希望としてのソーシャルワーク」としました。
不安と閉塞感に満ちた今だからこそ、SWが希望の活路を切り拓けるか、問われます。

大会テーマには今回「3・11以後の社会福祉を問う」とサブタイトルを付けました。
東日本大震災以降の危機介入や、継続的な福祉支援の可能性を検証したいと思います。

初日は、講演会や教員研究報告、木田賞表彰等の全体会(講堂)になります。
二日目は、分科会に分かれての一般演題報告や、実践交流集会になります。

学内現役生・卒業生・修了生を問わず、広く一般演題発表を募集します。
社大とは縁もゆかりもない、学外の方々の演題応募も大歓迎いたします。

地道にまとめてきた調査や研究の報告、身近な現場の日常実践の報告・研究など、
下記の演題募集のご案内に沿って、ぜひ奮ってご応募ください。

この学内学会を、できればホームカミングデーとして位置づけたくもあります。
PSW課程のOB・OG交流会も予定されていますので、卒業生はぜひご参加ください。

なお、昨年12月に高橋重宏学長が亡くなり、現在この学内学会長は空位のままです。
非常事態下での即応体制を組まざるを得ないこと、ご理解とご支援をお願い致します。


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第51回日本社会事業大学社会福祉学会
「福祉実践フォーラム2012」演題募集要項

2012年3月吉日

日本社会事業大学社会福祉学会
会員各位

日本社会事業大学社会福祉学会
事務局長 古屋龍太
(公印省略)

2012年度社会福祉研究大会の発表募集について(ご案内)

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、別添の大会プログラム(案)により、本年6月に開催予定の社会福祉研究大会における発表を募集します。
発表を希望される方は、下記によりお申し込みください。
皆様のご応募お待ちしております。
また、大変お待たせしておりました、機関誌『社会事業研究』第51号が出来上がりましたので同封いたします。
第51号には、2011年6月に開催いたしました、第50回社会福祉研究大会の報告を掲載していますので、ご参照下さい。
敬具



[提出書類]
別添「発表申込書」に必要事項をご記入の上ご提出下さい。

[申込締切り]
2011年4月末日(必着)
*締切り厳守にてお願いします。発表者には後日詳細をご連絡いたします。

[申込宛先]
〒204-8555 東京都清瀬市竹丘3-1-30
日本社会事業大学校友室 学会事務局
TEL 042-496-3053  FAX 042-496-3051
E-mail kouyu@jcsw.ac.jp

[注意事項]
①1発表は、発表20分、質疑5分、助言5分で計30分です。
②ポスターセッションの掲示板使用枚数は、1発表につき3枚までです。
 サイズは、縦900㎜×横1200㎜(盤面)×高さ2100㎜です。
③ビデオセッションは、ビデオ1本20分、補足発言10分で計30分です。
④企業等の宣伝を目的としたものは認められません。
⑤資料集とは別に資料等を配付される場合は、各自50部を目安として発表当日ご持参下さい。
(当日事務局では、コピー及び配布は致しません。
各会場で発表者の方が責任を持って配布回収等お願いいたします。)

以上

※演題応募に必要な「発表申込書」は、ここには掲載していません。
ご入り用の方は、上記の学内学会事務局までお問い合わせください。

※学外の方の演題応募については、別途入会手続きが必要です。
演題を応募して頂き、採否決定後に年会費を送金して頂きます。
詳しくは、上記の学内学会事務局までお問い合わせください。



※画像は、八重洲富士屋ホテルのロビーにあった、見事な生け花。