私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

パンドラの箱は開けるべきか?

2005年02月15日 | 不動産業界裏事情
今日は宅地建物取引業協会練馬区支部の法定研修会開催日です。
講師は@Dream2000という不動産業務支援ソフトを引っさげて日本全国を歩き回った金丸信一氏を講師に招いて行ないました。
日本全国の不動産さん会社の中で成功する会社もあれば失敗する会社もあるわけですが、金丸氏はその両方に深く携わり、何で成功?何で失敗?の事例を数多く持っている人です。
その経験は金丸氏がつい最近書き下ろした本「街の不動産屋さん、"待ち"の経営から抜け出す」にすべて網羅されています。
今日はその辺の話しをしていただいたのですが、日常業務に深く係わる話しだけにいつもの研修会とはちょっと会場内の雰囲気が違っていました。
いつもは途中休憩のさいに半数ぐらいの人が帰ってしまい、後半の会場内はガラガラ。
なのですが、今日は途中で帰る人が殆どいません。
もちろん寝ている人はいなく、皆真剣なまなざしで聞き入っていました。
会場内には不動産データ&ジャーナル社の浅見編集長も来てくれていました。
実は今日浅見編集長が「Blog☆『不動産業戦略e-REVIEW』編集長ブログ日記」に書き込んだ記事に『大いなる反省をこめて』というものがありました。
何だこれは?と思って見てみると、浅見編集長が過去に報道してきた記事(2000年~2002年分)の内容が網羅してありました。
すごい膨大な量の記事ですのですべてはご紹介できませんが、その中で2001年の記事『パンドラの箱を開けてよいのか』というものがありました。
日本の不動産業の手数料のあり方に触れた衝撃的な記事でした。
アメリカでは消費者(不動産で言う買主・借主)は手数料を払わない方向にシフトしている。
というものでした。
最近アメリカ在住の顧客が日本で賃貸不動産を探した時の話ですが、何で日本では消費者側が手数料を払うの?という質問が来ました。
例えば何かの商品を売る場合、売主側が店舗経費を負担し、広告宣伝費を負担し、その店舗に来た顧客は商品の代金だけ払えば希望の商品を買える訳です。
でも不動産業界では希望の商品を買うのに手数料を払って買わせてもらう、借りさせてもらうという構図になっているのです。
これって変じゃない?というのがアメリカ的発想です。
経済の原則から言うと、経費は受益者負担。
お金を受取る側が利益の中から手数料を支払うのです。
消費者側は商品代金のみ払えば良し!
利益の無い支払い側が手数料を払うのはおかしいんじゃない?というのが発想の原点でしょう!
こんなことを言っていると業界団体からお叱りを受けます。
だから「パンドラの箱」なのだと思います。
その当時、こんな事を記事にしたら相当な圧力がかかったと思います。
今でも圧力は相当なものがあると思いますが、最近の動向を見ていると自然発生的に手数料の基準が崩れてきています。
賃貸の場合の話しですが、従来から仲介手数料は「借りる方が1ヶ月分を払うのが当たり前」と誰でも思っていました。
でも最近では○イ○ルの業法違反事件以来、手数料は0.5ヶ月分となり、広告宣伝にも「当社は全物件仲介手数料0.5ヶ月分」というのが目に付くようになりました。
そのうち、当社は「全物件借主手数料ゼロ」というのをうたい文句にする会社が出てくるかもしれません。
誰も開けなかった「パンドラの箱」は世の中の変化とともに自然に蓋が緩んできた!のかも知れません。
監督官庁が決めてくれた手数料(実は上限規定)に従う時代から、現場で働く我々不動産業界から手数料のあり方を真剣に考える時代になったと私は考えています。
パンドラの箱は開けるべき?では無く、もう開いてしまったのです・・・・・・
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 街の不動産屋さん、”待ち”の... | トップ | 『一億総発言者時代』到来! »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
礼金も変ですね (愛国有罪)
2005-04-21 10:36:43
礼金や更新料は法律の規定が無いので、各地方の慣習になってます。

宮崎県ではとらない。京都ではバカ高い。

返信する

コメントを投稿