私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

セールスパーソン

2006年01月11日 | 海外不動産事情レポート(NY編)
アメリカで不動産の仕事をする為には二種類の資格があります。
セールスパーソンとブローカーです。

日本でブローカーというと「陰でこそこそ怪しい物件を動かしている悪いやつ」的なイメージがありますが、アメリカではブローカーの職業地位は弁護士よりも上だといわれており、非常に社会的地位が高い職業です。

何故そうなのかはおって詳しくレポートしていきますが、今日はまずセールスパーソンの話をさせていただきます。
不動産の仕事をするには最低限必要な資格で、この資格が無いと不動産の仕事が出来ず、免許証が無いと運転できない自動車のような物です。
日本で言う「宅地建物取引主任者」といった感じでしょうか。

まずこのセールスパーソン資格を取得する為には、年齢が18歳以上で学校にて45時間の授業を受け、講義の終了試験に合格しないと州の資格試験を受けられません。
日本の取引主任者は学校に行かず独学で勉強して試験のみ受けることが可能ですが、アメリカでは45時間の授業と終了試験に合格しないとだめです。
昨日も掲載しましたが写真が実際に使用されているテキスト(問題集)です。

授業を終了し、終了試験に合格すると州の試験が受けられ、日本のように1回だけでは無く年に何回もチャレンジできるようです。
終了試験に合格しても州の試験に1年以上合格しないと、また最初から45時間の受講が義務付けられているようで、また最初からやり直しです。
ニューヨーク大学では朝9時から5時までの授業を1週間続けて完了といった方式をとっていますが、それはそれぞれの教育機関によっても違うようです。

州の資格を取得するとそこで始めて不動産の仕事に従事できるのですが、セールスパーソンの資格だけではダメで、資格を取った後にその上位職であるブローカー事務所(日本で言う不動産会社)に所属しなければなりません。
ブローカー事務所への所属無しには営業活動が出来ない仕組みとなっています。

資格を取得してもその後は2年ごとに更新があり、その都度22.5時間の授業を受ける必要があり、これは15年間続きます。
州によっても違うようですが、ニューヨーク州では専業の場合15年経過後は22.5時間の受講が免除されます。
副業の人は15年過ぎても受講義務があります。

日本では埼玉で免許を取った人も、青森で免許を取った人も東京で不動産の仕事(取引)が可能ですが、アメリカは州ごととなっています。
ニューヨーク州の免許を持っているセールスパーソンは、すぐ隣りのニュージャージー州の不動産取引が出来ません。
取引をする為にはその州の資格を取らないとダメなのです。
せっかくニューヨークで資格をとっても、サンフランシスコに引っ越してそっちで不動産の仕事をする場合は新たに資格を取り直す必要があります。
これが日本と大きく異なる部分でもあり、国の広さをあらためて再認識します。


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1 コメント

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Unknown (アメリカの不動産業)
2006-01-11 20:25:13
はじめまして。ニューヨークのお話大変興味深く参考になりました。今後の更新も楽しみにさせていただきます。
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