私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

敷金精算に関する最新事情

2004年11月25日 | 仕事に関すること
年末も近づいたせいか、定額分譲マンションが大量供給されているせいか、このところ引越しで契約解除となるケースが多くなり、毎週のように退居立会いで多忙な日々を送っています。
昔は退居時の仕事はこんなに多くは無かったのに、この辺りからも時代背景が見えてきます。
当社はリロケーションを専業としていることから、扱い物件は築浅・広め・分譲賃貸なので、入居者も一般賃貸とはちょっと違って良質、トラブルも少ないし明渡し時に原状回復で揉める事もあまり無く、賃借人とは比較的平和に友好関係を築きながら今日まで来ていました。
それなりの方が住んでくれていたので明渡しの際の損傷や傷みはあまり無く、とても良好な状態で返却されることが多い為、敷金の返却で揉める事もあまり無かったのです。
もちろん入居審査をかなり厳しく行ってきた結果のことですし、オーナーの皆様からもそれなりに満足していただいてきました。
でもこのところちょっと異変が起きて、今までのようには行かなくなっています。
汚損や損傷が多くなっているのです。
共働きが多くなったせいか、物の考え方が変わったのか、掃除をまったくしないようで退去後の物件がとても汚いのです。
汚い話しで恐縮ですが、トイレはアンモニア臭で充満、洗面は水垢とカビで真っ黒、お風呂もカビと石鹸の汚れで白くカサカサ、壁は子供の落書きだらけ、ご主人も仕事のストレスでしょうか?寝室の壁やドアにはどう見ても拳骨の跡と思しき凹みが幾つか!
キッチンは油汚れでベタベタ、こんな状態でどうやって暮らしていたの?と聞きたくなるような状態の家が増えているのです。
みんな心が病んできているのでしょうか?ちょっと心配です。

過去には敷金返却でトラブルになることが多かった為(昔は敷金を返さないケースがとても多かったのです)退去時の敷金精算について国土交通省からは「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が発行され、先月には東京都が「賃貸住宅紛争防止条例」(通称:東京ルール)を施行して消費者保護の体制が整ってきました。
お金を払う側からすると必要以外の費用負担を強いられなくなるという点では、大いに歓迎される傾向です。
また我々管理会社にとっても敷金返却に一つの指針が示されたことは一定ルールの基で処理が出来る為、無用なトラブル防止になります。
将来のトラブル防止には大変役に立つ条例やルールなのですが、管理会社の仕事量は信じられないほど増えているのが現実です。(ちゃんとやればの話しですが)
退去時の不動産管理会社の仕事は以下の通りです。
①入居者立会いの元で室内チェック
②自然損耗部分と故意過失による損傷部分の違いを説明し、費用負担があることを説得
③リフォーム会社を手配し、原状回復費用の見積書作成
④原状回復工事費用を、所有者負担分と入居者負担分に区分け(これが結構大変な作業です)
⑤所有者に原状回復工事の見積り内容を通知し、入居者との負担区分の了承を得る
⑥入居者に原状回復費用の明細を提示し、敷金清算方法の連絡
⑦入居者の了解を得た段階で敷金の精算手続き
と言った内容になりますが、そんなにすんなり行く訳では無く、損傷が多ければ多いほど、金額が高ければ高いほど揉める訳です。
管理会社は揉めることが極力無いように、条例や指針に沿って公平に負担区分を決めるのですが、それでもトラブルは起きます。
トラブル予防の為には退去時の損傷部分の記録写真だけではなく、入居前の記録写真も当然必要になります。
損傷部分だけの写真では「他の物件の写真では?」というクレームも付く為に、全体の写真~損傷部分写真、場合によっては写真だけではなく、万一揉めた時の為にビデオも撮影しておく、といった作業が出てきます。
そんなことから、揉めないようにと考えれば考えるほど、管理会社の仕事量は鰻登りに増えています。
賃貸管理はトラブル産業!
致し方の無いことですが、もう少し綺麗に使ってほしいな!
と心底思う今日この頃です。
結局「綺麗に使った方が、最後にお金もかからない」という事をもうちょっと理解して欲しいのです。
最近ちょっと多忙なラビットホームズ岩崎でした。
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1 コメント

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賛成! (大家です)
2004-11-26 13:45:30
大賛成の1票を投じます!私も最近、若い人に共感できなくなってきているので、今後はアメリカ式に分厚い契約書を交わすようになるのかな、なんて想像しています。
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