セールス・パーソンとブローカーの係わり

セールス・パーソンとブローカーの資格については既にお話しいたしました。
再確認は下記からどうぞ。
○セールス・パーソン
○ブローカー

このセールス・パーソンとブローカーの集合体がリアルター（不動産会社）となるわけですが、日本の不動産会社のように会社経営者と雇われ社員といった感覚とはちょっと違います。
その資格は違うのですが、アメリカ社会らしく建前では人格的に上限関係は無く同等の立場のようです。（実態は違いますが）
セールス・パーソンは「ブローカーの事務所にライセンスを置かなくてはならない」ということになっていますので、単独で行動し、単独で営業活動は出来ません。
必ずブローカー事務所に席を置いてどこそこ事務所所属のエージェントといった形で行動します。

日本社会ではちょっとなじみが薄いのですが、その昔我々不動産業界ではフルコミッションセールスというものが存在していました。
営業成績に見合った報酬しか払わないので会社にとっては無駄な経費が無く、売上げが上がった時のみ報酬を支払う訳ですから、雇う側にとって見れば無駄な経費を抑えられます。
名刺と場合によってはデスクと電話さえ用意するだけで売上げに貢献してくれる訳です。
一方のフルコミッションセールスは、宅地建物取引主任者の免許も不動産業の免許も持っていない場合が多く、免許を持っている会社とフルコミッション契約をする事によって合法的に報酬を得る事が出来た訳です。

形態的には非常に似ているシステムなのですが、方や無免許のフルコミッションセールスと免許を所持しているセールス・パーソンの違いはあります。

アメリカの場合はセールス・パーソンの大多数が「既婚の女性」という構成になっているようなので、ノーリスクで稼ぎたい場合はセールス・パーソン。
多少リスクを抱えても大きく儲けたい場合はブローカー。
といった選択肢もあるようです。
実際問題ブローカーの資格を持っていても事務所を持たず、ブローカーの下でco-brokerもしくはassociate brokerとして仕事をしている人も沢山います。

ブローカーは所属しているセールス・パーソンが問題を起こした場合はその責任をかぶる事になります。
そういった意味でもブローカーの社会的地位が高い理由がわかります。