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蜷川幸雄演出「あわれ彼女は娼婦」@シアターコクーンを鑑賞

2006年07月13日 12時17分49秒 | .。・.。Feel。.。・
蜷川幸雄演出のお芝居を久々に鑑賞。
実の兄と妹の激しい恋を描いたスキャンダラスなストーリーでした。

お友達が以前、谷原章介さんと松たかこさんのお芝居の時に声かけてくれたのですが…コンサートにいく予定を入れちゃっていて、残念ながらおことわりしたんです。
谷原さん観たかったから残念がっていたら、今回「行かない?」って誘ってくれたので、二つ返事で便乗しちゃいました(笑)。
だから、チケット買った時には芝居の内容知らなくて(汗)
直前にチャックしました。

「あわれ彼女は娼婦」
作: ジョン・フォード
翻訳: 小田島雄志
演出: 蜷川幸雄
出 演 三上博史/深津絵里/谷原章介/石田太郎/立石凉子/梅沢昌代/高橋洋/
月影瞳/戸井田稔/妹尾正文/鍛治直人/たかお鷹/中丸新将/有川博/瑳川哲朗
お話:時は、中世のイタリア。勉学・人格含め、非の打ち所がないと将来を期待される青年ジョヴァンニ。
そんな彼の心を長く苦しめてきた“妹のアナベラを女性として愛している”という想いを、尊敬する神父に告白するシーンから始まります。
ジョヴァンニは、神父の忠告を受容れられずに、アナベラに気持ちを伝えてしまう…だが、彼女もまた、兄を男性として愛していたのでした。
ふたりは男女として結ばれ、そして…
兄の子を妊娠、カモフラージュの為の結婚、夫ソランゾの怒り、兄の妹に・妹の兄への思い、周囲の人達それぞれの思惑や憎悪 etc…
すべてを巻き込んで、行き着く先とは -。


この本は、シェイクスピアと同時代、400年近く前に書かれた作品との事。
その時代発表当初に“近親相姦”という反社会的なテーマの純愛ものは、大きな反響だったそうです(そりゃー、そうでしょ。キリスト教の信仰と対極なんだもの)。
兄ジョヴァンニ:三上博史/妹アナベラ:深津絵里/アナベラの夫ソランゾ:谷原章介
この3人を中心に話が進んで行きます。

あらすじだけ見ると、単純に兄弟の話っぽいのですが、この他にも元不倫相手の夫婦や執事、アナベラの求婚者たち等、いろいろな人の思惑・感情の動きが絡まりあい・・・人間の中に潜む聖と俗、優しさと残忍さ深いく掘り下げていきます。
三上さんは“狂気・妖艶”を演じさせたら、右に出るもの居ないですね(断言)。
宗教感で考えるとジョヴァンニ(悪)ソランゾ(善)で、純粋にアナベラを思う気持ちは善悪が入れ替わる。そこを問う話なんでしょうね。
三上さんと谷原さんが“善と悪”と対比していて面白かった。
舞台を観ていてもう一つ面白かったと思ったのは“色”。
白(善・無)・黒(悪・思惑・宗教)・赤(情熱・怒り・激しさ)の3色がKEYになっていて…
アナベラは、すべて衣装は白、ジョバンニは白と黒、ソランゾは、白と黒、エンジと言ったふう。
そんなところも楽しめる作品でした。
残念だったのは、執事のサブストーリーが、いまいち描かれてなくって…最後のシーンで“えっ!?”。
「もう少し、話の中に複線はっておいて欲しいよぉ」って思ったの私だけですかぁ?
これから観劇される方は、お楽しみに。

そんな感じなので、なんと3時間以上の上演時間
いろんなサブストーリーがある分、短く感じますがやっぱりお尻は痛かった(笑)。